2017年1月28日 (土)

私の愛聴盤 第22回

Gulda

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集

フリードリッヒ・グルダ(ピアノ)
ホルスト・シュタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1970年6月、1971年1月、ウィーン ゾフィエンザールで収録

英デッカ・ハイレゾ音源(192kHz/24bit)

CD、SACDでも発売中

今日は私の愛聴盤をご紹介させて頂きます。グルダをソリストに迎えたベートーヴェンのピアノ協奏曲全集です。CDでも発売されておりますが、最近私はハイレゾ音源をダウンロード購入しまして、悦に入っております。何しろ、滅茶苦茶愛している演奏ですから。

全5曲、全てお気に入りですが、中でも第4番が取り分け気に入っております。実はこの曲は2回目の登場です。(^^;
ただ、今日は改めて全5曲のご紹介で。今迄、いったい何回聴いて来たか自分でも分かりません。

古典派の協奏ソナタ形式の概念に捉われる事なく、ピアノのソロから始まるお馴染みの第4番。グルダのピアノが主題を奏でた後、ウィーン・フィルの弦が静かに追って来るように始まる僅か十数小節を初めてこの演奏で聴いた時、「やられた!」と思ったものです。

グルダはジャズマンとも共演してジャズピアニストとしても活動していたせいか、クラシック音楽愛好家からは醒めた目で見られがちですが、このピアノ協奏曲全集は実に正統的な演奏です。とは申せ、第5番「皇帝」の第一楽章冒頭のカデンツァのように独自的解釈でアッと言わせたりもしますが、そういうところでさえ「やられた!」と、良い意味で感心させられます。

第二楽章冒頭、シュタイン指揮するウィーン・フィルがまた素晴らしい! 一聴、紋切り型のような解釈に聞こえるかもしれませんが、他の多くの指揮者では満足出来る演奏はありません(自分には)。

そして第三楽章です。弾むような弦の調べに乗って、ピアノがより一層楽しげに弾むように登場。ここでのグルダの演奏は自分には形容の言葉が見つからないほどで、ただただ素敵!としか申せません。テンポ、リズム、強弱、もう最高です!

長らく私はこの第4番をキングレコードから発売された特製重量盤「スーパー・アナログ・ディスク」で楽しんで来ましたが、これからはハイレゾ音源もまた充分楽しんで聴く事が出来ます。嬉しい!

一曲ずつご紹介しますと大変長くなってしまいますので第4番のご紹介だけに留めおき致しますが、第5番「皇帝」も素晴らしい演奏です。第3番も、そして第1番も、もちろん第2番もです。要するに全5曲、どれも感動する演奏なのです。(笑)

最後にバイロイト音楽祭で「指輪」を指揮した事もあるホルスト・シュタインの指揮について触れておきます。日本では凡庸な指揮者としてレッテルが貼られているシュタインですが、この全集では奇跡的とでも言って良いほど、大変素晴らしい解釈を聴かせている事を特筆しておきます。

ああ・・・、音楽って良いなぁ・・・。

2016年12月22日 (木)

私の愛聴盤 第21回

Uno

宇野功芳&大阪フィル/一期一会のコンサート

モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
モーツァルト/交響曲第40番 ト短調
ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調「運命」
ハイドン/セレナード

宇野功芳 指揮
大阪フィルハーモニー交響楽団

2005年4月10日 大阪、ザ・シンフォニーホールでのライヴ録音

EXTON OVCL-00107

女声合唱指揮者・・・というより、音楽評論家として知名度の高かった宇野功芳さんが今年の6月10日、86歳でお亡くなりになりました。本来ならもっと早く今日の記事を認めたかったのですが、ご紹介するCDが一般的にはマイナーなので、今まで躊躇っておりました。

もう大分前になりますが、日本指揮者協会の立食パーティに参加した時の事です。宇野功芳さんとしばしお話しする機会があり、その時の会話の中で今でも忘れないエピソードがあります。

宇野さんはクラシック音楽雑誌「レコード芸術」のレコード月評、CD月評を長い間お続けになられておりましたので、私が「プライベートでCDをお聴きになる事ってございますか?」とお尋ねすると、

「いや〜・・・まったくないですねぇ・・・」と、苦笑いしながらお答えされました。

どんな事でも趣味で楽しんでいる分には良いですが、それを仕事にすると時には苦痛を感じたりするものです。毎月編集部から何十枚と渡されるテスト盤を聴いて評論を書く仕事をしていれば、プライベートで音楽を聴きたくなくなるのも理解出来ますね。

宇野さんは自ら編成した女声合唱団の指揮者として長い間ご活躍されていらっしゃいましたが、今日ご紹介するCDは女声合唱ではなく、メジャーなフルオーケストラを指揮したコンサートのライヴ録音です。大阪フィルといえば、改めて私が申すまでもなく、故朝比奈隆さんが手塩にかけて育て上げた日本を代表するオーケストラ。

その大阪フィルをクラシック音楽ファンなら「耳タコ」になっているであろう、超有名曲を今更振ってどうするの?・・・ましてフルオーケストラ相手の専門指揮者でもないのに・・・なんて思われたあなた、それは大変な間違いです。(キッパリ!)

私はこのCDを発売と同時に入手しておりますが、以来私の隠れ愛聴盤となっているのです。

演奏内容については書きたい事が沢山あるのですが、敢えて今日はあまり詳しく触れない事に致します。とにかく、ゴリゴリのクラシック音楽ファンの方ほど是非お聴き頂きたい超・・・超・超・超・超・超名盤ですから。(笑)

テンポ、間の取り方、ダイナミクスの作り方、ディミヌエンド、クレッシェンド、アッチェレランド、これでもかというくらいのティンパニの強打等々、これはモーツァルトの音楽でもなく、ベートーヴェンの音楽でもない、敢えて言うなら宇野功芳の音楽です。

初めて聴いた時の衝撃(感動)といったら・・・。いや、今でも繰り返し聴いておりますが、私は宇野さんに大喝采です!

世に「珍盤・奇盤」という珍しいレコードやCDを形容する言葉がありますが、今日ご紹介のCDもこれに当て嵌まるかもしれません。しかし、私は何回聴いても大きな感動を呼び起こされます。この演奏を一旦聴いたならば、今や世界的大指揮者と言われている小澤征爾さんの演奏が如何に面白くも何ともなく(失礼)、教科書通りの演奏かがお分かりになると思います。

多分、音楽を勉強している学生やプロの演奏家の方々は小澤さんのような演奏を好まれるのではないかと思います。それはスコアからまったく逸脱しない演奏だからです。

しかし、私は音楽を文字通り楽しんでいるのです。昨今のヴァイオリニスト、ピアニスト、皆さんテクニシャンが多くなりましたが、そうした演奏家の音楽に私は「ハート」を感じる事が実に少なくなりました。「機械音楽」に聴こえる事がしばしばです。

私は「ハート」を感じる音楽を聴きたいのです。そういう意味で、宇野さんの演奏(プログラムすべて)を聴いていると、私は「熱く」なります。これこそ「ハート」のある音楽なのです。他に新星日本交響楽団を振ったブルックナー/交響曲第8番も発売されていますが、これも名盤です。

オーケストラ指揮者として、もっともっとご活躍して頂きたかったです。

合掌。

2016年3月12日 (土)

私の愛聴盤 第20回

Backhaus

モーツァルト/ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K595

ウィルヘルム・バックハウス(p)
カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1955年3月、ウィーン楽友協会大ホールで録音

英デッカ 466 380-2(輸入盤)

お気に入りの音楽CDをご紹介させて頂いている「私の愛聴盤」シリーズも20回目となりました。今日はモーツァルト晩年の作品で、ピアノ協奏曲としての掉尾を飾る第27番。

古今東西、数多あるピアノ協奏曲の中で、私がもっともしっとりと聴く事が出来るのがこのモーツァルトの第27番なのです。チャイコフスキーの第1番のように絢爛豪華、実に華やかなピアノ協奏曲も好きですが、落ち着いてしみじみと晩年のモーツァルト作品の良さを味わえるのがこの曲です。

ピアノ協奏曲の中で一番愛する曲ですから、いろいろなピアニストの演奏を今迄聴いて来ました。しかし、60年も前に録音されたバックハウス盤が私の心をもっとも揺さぶった演奏です。近年の録音(CD)では内田光子さんの演奏も良かったですが、この曲に関する限り、バックハウス盤を凌ぐ演奏は今迄聴いた事がありません。

鍵盤の獅子王とも呼ばれ、ベートーヴェン弾きという良い意味のでレッテルを貼られているバックハウスのモーツァルト?

と、疑問に思われる音楽ファンもさぞ多い事でしょう。しかし、ここでのバックハウスはベートーヴェンを弾いている時とは違い、実に滋味深い演奏を繰り広げているのです。

カール・ベームの落ちついた指揮ぶりも実に曲想にマッチしていて、バックハウスのピアノに同化しています。モーツァルトの時代の典型的協奏ソナタ形式で書かれている第一楽章、オケの主題提示が終わり、ピアノの一音が弱音で始まった瞬間から音楽に引きずり込まれます。

ウィーン・フィルのひなびた音色の木管楽器がまた良いですねぇ・・・。第一楽章再現部でのピアノと弦のピッチカートとの掛け合いなど聴いているとジ〜ン・・・として来ます。

第二楽章、ピアノの主題提示の後に出て来るオケの寂しげな音色。ベームの適切なテンポと共に、「あぁ〜良いなぁ・・・」と、何回聴いても思ってしまいます。モーツァルト晩年の心情が表出しているような楽想と演奏解釈ですねぇ。バックハウスの一音、一音には本当に心揺さぶられます。

軽やかなロンド形式の第三楽章、バックハウスのピアノが弾むように主題を奏でていきます。そこにベームの切れの良い解釈にオケも呼応し、バックハウス、ベーム、ウィーン・フィルが三者一体になってモーツァルト最後のピアノ協奏曲を味わい深い演奏で心温まる思いをさせてくれます。

キングレコードの「スーパーアナログディスク」では第27番とピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付き」がカップリングされているのですが、この有名なピアノ・ソナタも私はバックハウスの演奏が一番好きなのです。

ちなみに第27番の録音年は1955年ですが、英デッカはすでにステレオ録音をしていたのです。他社はまだまだモノラル録音の時代なのに。さすが録音の良さで名を馳せた英デッカですね。

その録音、最新録音の音質にはもちろん負けますが、鑑賞する事にはまったく弊害はありません。ですからモーツァルトファンに是非お聴き頂きたい演奏です。いや、すべての音楽ファンに。

2016年1月13日 (水)

私の愛聴盤 第19回

Beetho9

ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱」

グィネス・ジョーンズ(S)
タチアナ・トロヤノス(Ms)
ジェス・トーマス(T)
カール・リッダーブッシュ(Bs)

カール・ベーム指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団

独グラモフォン 474 693-2(輸入盤)

久々、音楽の話題です。
日本では毎年暮れ、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」がプロ、アマ問わずコンサートで演奏されるのが定番となっておりますね。これは日本だけの風習らしく、欧米ではこういう事はないそうです。

欧米では何かの記念の時にこの曲が演奏されるようです。一例を挙げますとクラシック音楽ファンならご存知だと思いますが、往年の歴史的名指揮者フルトヴェングラーがバイロイトで指揮したこの曲のライヴ盤がその激的な演奏の素晴らしさから、歴史的名録音として残っておりますね。

その録音は戦後初めて復活なったバイロイト音楽祭を祝して、フルトヴェングラーがバイロイト音楽祭管弦楽団を指揮した演奏です。バイロイト音楽祭はワーグナーの作品だけを演奏する音楽祭であるにも関わらずベートーヴェンが演奏されたのは、やはり記念的なバイロイトの復活だったからなのでしょうね。

であるなら演奏する曲目はベートーヴェンの第9しかないだろう・・・という事でしょうか。

さて、暮れの年中行事であるベートーヴェンの第9交響曲の演奏会ですが、近年私はコンサート会場に足を運ぶ事なく、自宅でCDを聴いて年を越す事になっています。

で、昨年暮れ(つい二週間ほど前ですね)に聴いたCDが、今日ご紹介するカール・ベームの演奏でした。激的な解釈の第9を聴きたいなら前述したフルトヴェングラーのバイロイト盤ですが、曲そのものをじっくり味わいたいならこのカール・ベーム盤を先ず一番に私はオススメしたいです。

カール・ベームはスタジオ録音と演奏会とのギャップが比較的多い指揮者だと思います。ギャップと申しますのは、演奏会(ライヴ録音)では結構「燃える」演奏を聴かせてくれるのに、レコード化を目的としたスタジオ録音では平凡な演奏が比較的多いという意味です。

ところが、今日ご紹介するCD BOXはベートーヴェンの交響曲全集ですが、第5番「運命」と第6番「田園」、そして今日の第9番「合唱」はスタジオ録音ながら実に素晴らしい演奏を聴かせてくれます。中でも「田園」に関しては未だにベーム以上の演奏を聴いた事がないです。全くもって超絶的名演と称して良いと思います。

あ、今日は第9の方でした。(笑)
この第9ですが、私は今までに何回、いや何十回となく聴いています。そのくらい感動的な演奏なのです。今日はあまり細かい事は申しませんが(笑)、第一楽章、第二楽章ともウィーン・フィルの合奏能力も含め、見事な演奏を繰り広げています。

続く第三楽章、これがまた涙が出て来てしまうくらい実に美しい演奏なのです。ウィーン・フィルの弦がどういう賛辞をあげたら良いのか分からないほどの美しい調べを聴かせてくれるではないですか。とかにく黙って聴いてください。(笑)

いよいよクライマックスの第四楽章です。多分、学校の音楽教材として歌った経験があるかと思いますが、「喜びの歌」が歌われる最終楽章です。

ここで歌っている四人のソリストがまた四人とも素晴らしい声を聴かせてくれます。特に私が気に入っているのがソプラノのグィネス・ジョーンズです。過去、第9交響曲のソリストはその時代時代を代表する名歌手が歌っておりますが、中でもソプラノに関して私はグィネス・ジョーンズが一番気に入っています。

四重唱にグィネス・ジョーンズが入ってくると、私は鳥肌立ってしまうのです。本当に素晴らしいと形容して良い名唱だと思っています。
ジェス・トーマスもカール・リッダーブッシュもバイロイト音楽祭で活躍した歌手たちで、ここでもまた優れた声と歌いぶりです。

カール・ベームの解釈もこれでこそベートーヴェン、という指揮ぶりです。第三楽章のような緩徐楽章を美しく歌ったと思えば終楽章では激的な解釈も聴かせたりと、全く私は不満ありません。終楽章最後の畳み掛けるようなスピード感溢れる解釈はフルトヴェングラー並みに燃えていますよ。

ベートーヴェンといえば私は第一に朝比奈隆さんを挙げるわけですが、朝比奈さんの第9ってどういうわけか今ひとつ燃えきらないのですよねぇ・・・私は。

という事で、私がもっとも安心して聴ける、そして感動出来る第9が今日ご紹介したカール・ベームの演奏です。是非、お聴きになってみてくださいませ。尚、カール・ベームは晩年に同じウィーン・フィルで再録音(ジェシー・ノーマン、プラシド・ドミンゴ等)しておりますが、私は断然こちらの旧盤を推します。

今一度申しますが、本当に素晴らしい感動的な名演奏ですよ!

2015年7月10日 (金)

私の愛聴盤 第18回

Wf

ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調 作品92

ウィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1950年1月18-19日 ウィーン楽友協会大ホールでの録音

発売元 : 英EMI

久々に私の愛聴盤をご紹介させて頂きます。ただし、録音は65年以上も前という、まさに歴史的音源であります。

もちろん私は生まれていません。(笑)

そんな自分が生まれる遥か前の録音を紹介してどうするの? と言うなかれ、この録音こそ私が今まで数え切れないほどの数の演奏を聴いて来た中で、未だにこの録音を凌ぐベト7の演奏を聴いた事がないからです。

終楽章など、まるでフルトヴェングラーのライヴ録音を思わせる、即興的に荒れ狂ったような演奏で、初めてお聴きになった方は度肝を抜かれるのではないでしょうか。ちなみにこの録音は英EMIによる正規のスタジオ録音です。録音場所は日頃ウィーン・フィルがコンサートに使っている大ホールですが。

第一楽章冒頭、オケが鳴らす全合奏による和音の音からしてもう他の指揮者とは隔絶した響きです。この指揮者独特の鳴らし方と申して良いのかもしれません。「英雄」の冒頭も同じで、フルトヴェングラー以上の鳴らし方をした指揮者を未だ聴いた事がありません。肉薄しているのは朝比奈隆さんくらいなものでしょうか。

その第一楽章からして聴いているこちらはフルトヴェングラーの魔術にでも嵌ったかのようで、弾むようなリズムの取り方、間の取り方、或る意味ベートーヴェンの書いたスコアを無視しているかのような演奏解釈に惹きつけられてしまいます。

展開部中間(254小節〜)でのオケの弾ませ方、ここもフルトヴェングラーの解釈こそ最高で、聴いていると思わず自分の体が同じリズムで弾んでしまいます。ジャズに当て嵌めれば、まさにスイングしちゃうのです。(^^)

第二楽章は悲しみの音楽です。遅めのテンポで暗く引きずるようなメロディとリズム。クライマックスではウィーン・フィルの慟哭が聞こえます。フルトヴェングラーのこの演奏を知っている者にとって、カラヤンを筆頭に、他の多くの指揮者の解釈は実に物足りないです。

第三楽章のスケルツォはリズムの権化。テンポの取り方といい、リズムの取り方といい、これ以上考えられないでしょう・・・というような演奏解釈。トリオに入るとテンポをぐっと落とし、「もう疲れました〜・・・」とでも言っているかのよう。(笑)

そして、前述したように荒れ狂うような阿鼻叫喚の終楽章がやって来ます。弾けるような弦のアクセント。さらに第二主題からテンポも加速し、オケは泣き叫びます。テンポの緩急がいっそうハッキリするようになり、弱音部分はまるでフォルティッシモへの伏線のよう。

展開部での荒れ狂い方は、このフルトヴェングラーの演奏を知ると、他のすべての指揮者は実におとなしい演奏に聞こえてしまいます。

コーダに向かって畳み込んで行くようなテンポと、これ以上ないというくらいにオケを鳴らすフルトヴェングラー。まるでオーケストラの絶叫を聞くかの如く、壮絶な勢いで最後の和音が全合奏されて全曲が終わります。

筆舌に尽くしがたいとはこのような演奏を言うのだと思います。もし、ベト7が耳タコで、未だフルトヴェングラーの演奏をお聴きになった事がないという方、是非お聴きになってみてくださいませ。

バイロイトの第9も素晴らしいですし、「英雄」も素晴らしい演奏を残しているフルトヴェングラーですが、「これぞフルトヴェングラー」という演奏は今日ご紹介したベートーヴェンの交響曲第7番だと思います、私は。

CDは何度も再発売されておりますので、お店に行けばいつでも入手可能のはずです。

2015年2月18日 (水)

私の愛聴盤 第17回

Kna

クナッパーツブッシュ/ワーグナー名演集

楽劇「神々の黄昏」から
1. 夜明けとジークフリートのラインへの旅
2. ジークフリートの葬送行進曲

舞台神聖祝典劇「パルシファル」から
3. クンドリの語り「幼な子のあなたが母の胸に」

楽劇「ワルキューレ」から
4. ヴォータンの告別「さようなら、勇ましいわが子よ」〜魔の炎の音楽

楽劇「トリスタンとイゾルデ」から
5. 第1幕への前奏曲
6. イゾルデの愛の死「優しくかすかな彼のほほえみ」

3. キルステン・フラグスタート(ソプラノ)
4. ジョージ・ロンドン(バスバリトン)
6. ビルギット・ニルソン(ソプラノ)

ハンス・クナッパーツブッシュ 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1956年〜1959年、ウィーンにて録音

ユニバーサル ミュージック UCCD-7046

今日は私の愛聴盤の中の愛聴盤ともいえるCDをご紹介させて頂きます。この盤に関してはもう何十回聴いているか自分でも分かりません。とにかく、繰り返し繰り返し聴いてもまったく飽きが来ないのです。飽きが来ないどころか、聴けば聴くほどにその演奏の素晴らしさに感動が深まるのです。

優れた演奏に対し、「名演」という賛辞の言葉がありますが、この盤に関しては「名演」なんて言葉ではまったく足りません。「超絶的名演」とでも申しておきましょうか。歌手、指揮者、オケ、まさに三拍子揃った超絶的名演がこのCDで聴く事が出来ます。

大分以前、ワーグナーの音楽について書いた時にもこのCDは私の推薦盤としてご紹介してはいましたが、今日改めて愛聴盤として記事にしました。6曲どれも皆素晴らしい演奏なのですが、中でも4曲目の「ヴォータンの告別」は体が震えて来るほどのまったくもって文句の付けようがない名演奏です。

ワーグナーの代表作として一番に挙げられるのは四夜に渡って上演される、楽劇「ニーベルングの指環」だと思いますが、その四部作の中では第2夜「ワルキューレ」が音楽的に一番優れていると思います。第3幕冒頭で演奏される「ワルキューレの騎行」はどなたも一度や二度、どこかでお聞きになっていると思います。一般的には映画「地獄の黙示録」のヘリコプターによる攻撃シーンで流れていましたので、ご記憶の方もいらっしゃるのではないかと。

しかしながら、音楽的に素晴らしいのは「ワルキューレ」の幕切れの部分です。神々の長、ヴォータンが自分を裏切った最愛の娘(ブリュンヒルデ)と縁を切るため、魔の炎でブリュンヒルデを囲み、父親としての苦悩と悲しみを切々と歌うシーンは実に感動的な音楽です。

今日ご紹介のこのCDにはその「ヴォータンの告別」から幕切れまでが収録されています。「ワルキューレ」の中でというより、「ニーベルングの指環」全曲の中でも一番音楽的に優れていると同時にもっとも感動的なシーンだと自分は思っています。

その感動的な音楽を指揮者のクナッパーツブッシュはとてつもなくスケールの大きな演奏解釈で聴かせてくれます。「指環」全曲盤は拙宅に何セットかありますが、どの指揮者も物足りません。

しかし、クナッパーツブッシュはやや遅めのテンポで弦を歌わせ、金管楽器には慟哭という言葉が相応しいくらい吠えさせます。まさにヴォータンの苦悩を表現しているかのように。そしてジョージ・ロンドンがまたその苦悩と悲しみを見事に表現しているのです!

私は前述したようにすでに何十回と聴いて来ましたが、聴く度に背筋がゾクゾクとする感動を味わい、目頭が熱くなるほどです。このCDの元になった音源が録音された時代にはハンス・ホッターという、歴代のヴォータン歌いの中でも傑出した歌手がおりますが、そのハンス・ホッターを除けばジョージ・ロンドンもまたこの録音で実に素晴らしい名唱を残してくれたと自分は思います。

ワーグナー好きにはそれぞれお気に入りの指揮者がいらっしゃるかと思いますが、私にはクナッパーツブッシュ以上の指揮者はいません。ワーグナーに関してはクナッパーツブッシュとその他の指揮者、と言っても良いくらい、天と地ほどの開きを感じています。他の指揮者が演奏する「ヴォータンの告別」は「ヴォータンの告別」では無い! と断言しても良いです。

CDプレイヤーの時間表示で2分54秒からの感動的演奏、そして3分59秒からのオケの歌わせ方と鳴らせ方、クライマックスへのコントロール、背筋が震えて来ます。それに続くヴォータンの嘆きが切々と歌われます。更に10分24秒からの弦楽器による悲痛な旋律を、クナッパーツブッシュが素晴らしいテンポと強弱でヴォータンの内面を吐露しています。いや〜・・・素晴らしい音楽、そして解釈です!

低弦のフォルティッシモから始まる魔の炎の音楽、そこから幕切れまでの演奏解釈、ジョージ・ロンドンの歌唱含め、圧倒的感動の音楽でこの演奏が終わります。もし、こうした演奏で舞台を見ていたら、私はぼろぼろに泣いてしまうでしょうね、きっと。

クラシック音楽がお好きな方、特にワーグナーがお好きな方には絶対お聴きになって頂きたいです。クナッパーツブッシュのワーグナー表現の「凄さ」が分かって頂けると思います。まぁ、ワーグナーがお好きな方ならこの録音はまずお聴きになっているかとは思いますが。

「ヴォータンの告別」ばかり熱く語ってしまいましたが、他の曲も勿論名演揃いです。「ジークフリートの葬送行進曲」もクナッパーツブッシュ以上の演奏を未だ聴いた事がありませんし、「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲もしかり。

そしてここではワーグナー歌いとしての歴史的大歌手、キルステン・フラグスタートとビルギット・ニルソンの名唱も聴く事が出来ます。大分以前、クラシック音楽仲間と喫茶店でダベっていた際、我々が(録音として)聴けるワーグナー歌いのソプラノ(特にブリュンヒルデ)は誰が一番素晴らしいと思う? という話題が出た事があります。

結果は、キルステン・フラグスタートが第1位でした。次点がビルギット・ニルソンです。まぁ、二人はほとんど甲乙つけがたいけど、僅差でフラグスタートという意見が大勢を占めました。今日ご紹介のこのCDではその歴史的大歌手二人の名唱も聴く事が出来ますよ。

しかし、半世紀以上も前の、勿論リアルタイムで聴けるわけのない大歌手の名唱や指揮者の演奏を聴く事が出来る「録音」という技術を開発した方には感謝感謝ですね。

つくづく良い時代に生まれたものと思います。ちなみに本CDの価格は1,000円です!

2015年1月19日 (月)

私の愛聴盤 第16回

Chet2

It Could Happen to You:
CHET BAKER Sings

1. Do It the Hard Way
2. I'm Old Fashioned
3. You're Driving Me Crazy
4. It Could Happen to You
5. My Hert Stood Still

チェット・ベイカー(vo, tp)
ケニー・ドリュー(p)
サム・ジョーンズ(b)
ジョージ・モロウ(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
ダニー・リッチモンド(ds)

1958年、ニューヨークで録音

ビクター エンタテインメント VICJ-41544

今日は私の愛聴盤をご紹介させて頂きます。トランペット奏者でありながら、自身ヴォーカルも録音しているチェット・ベイカー(1929-1988)のアルバムです。

ウエストコーストを代表するジャズプレイヤーでありましたが、薬に手を出したがために逮捕療養を繰り返していたそうです。しかし、当時録音されたアルバムは素敵なものが多いですね。以前は苦手だったチェット・ベイカーのヴォーカルも、どういうわけかここ2年くらいは好んで聴くようになりました。

チェットの声質は中性的と評されるようですが、まさに男性的でもなく、もちろん女性的でもない、少々抑揚のない歌い方とも相まって、好き嫌いがハッキリするヴォーカルだと思います。前述したように私も以前はどちらかといえば苦手だったのですが、好みというのは変わるものですね。

さて、このアルバムですが、私の大好きな曲「It Could Happen to You」が入っている事もあって、繰り返し聴いて楽しんでおります。車を運転している時などもカーステレオで聴いていますし。何より、歌の合間合間に聞かれるチェットのトランペットがまた良いですねぇ。

5曲目「My Hert Stood Still」に於けるマイルス・デイビスを思わせるミュートプレイなど実に良いです。その後に続くケニー・ドリューのピアノがまた最高にスイングします。このアルバムではケニー・ドリューが要とも言って良いほど実に素晴らしいピアノが聞けます。

チェットのミュートプレイは6曲目も続きますが、勿論オープンで吹いている時も私は好きであります。リー・モーガンのようにバリバリ吹きまくる人ではありませんが、自身のヴォーカルともマッチした音色です。

カムバック後は日本でも公演を行ったものの、1988年5月、アムステルダムのホテルの窓から転落死したそうです。原因は不明との事。プライベートな事はともかくとして、残された録音を私はこれからも楽しんで行きたいと思っております。

2014年12月19日 (金)

私の愛聴盤 第15回

Swan

チャイコフスキー/3大バレエ組曲

バレエ組曲「眠りの森の美女」
「序奏とリラの精」他5曲

バレエ組曲「白鳥の湖」
「情景」他6曲

バレエ組曲「くるみ割り人形」
「小序曲」他8曲

ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1971年1月、1966年10月、12月 ベルリンにて録音

ユニバーサル ミュージック UCCG-5002

今日は半年振りに「私の愛聴盤」をご紹介させて頂きます。クラシックファンであろうとなかろうと、どなたも良くご存知のチャイコフスキーの三大バレエ音楽です。ただし、私が聴いているのは組曲盤なのです。

私は長くバレエ音楽に関しては全曲を聴いた事が一度もなかったわけですが、それがようやく以前拙ブログで採り挙げた「くるみ割り人形」の舞台(マリインスキー劇場)を収録したBlu-rayディスクで全曲を見聴きしました。その後、同じマリインスキー劇場で収録した「白鳥の湖」も購入し、その素晴らしさに全曲を一気に視聴してしまったくらいです。

長らく私はカラヤン指揮による組曲盤を愛聴して来ましたが、マリインスキー劇場でタクトを振っていたワレリー・ゲルギエフの解釈とは全然違うことを知り、そこで初めてカラヤンの解釈ではダンサーは踊れないだろうな、と知ったわけです。

カラヤンの指揮ぶりは実にシンフォニックな解釈で、バレエ音楽というよりは交響詩でも聴いているような感じです。

しかし、ダンサーの演技(踊り)の事を考えなければ、カラヤンの解釈ほどチャイコフスキーのバレエ組曲を楽しませてくれる演奏は他にありません。特に素晴らしいのがワルツの演奏です。三大バレエの中でも私は「眠りの森の美女」からのワルツ(本CD5曲目)が特に好きで、このカラヤンの演奏が最高です。

もちろん「白鳥の湖」のワルツ(本CD7曲目)も「くるみ割り人形」からの「花のワルツ(本CD最後)」も甲乙つけ難いのですが、「眠りの森の美女」からのワルツのメロディをなんとも優雅に、そして華やかに聴かせてくれるのです。ベルリン・フィルのアンサンブルもこれまた最高!

優雅といえば「くるみ割り人形」からの有名な「花のワルツ」がまさしく優雅極まりない演奏です。カラヤンは小品を演奏させると上手い、と良く言われておりますが、ワルツもまた大変上手い指揮者です。ですからカラヤンの指揮したウィンナワルツも私は大好きなんです。

ワルツ好きの私からしてみれば、ワルツの上手いカラヤンが指揮したチャイコフスキーの三大バレエからのワルツ演奏が好きになるのは必然的ですね。(笑)

とまぁ・・・、三大バレエからのワルツの演奏に熱を入れてしまいましたが、その他の曲目の演奏が劣るわけではもちろんありません。このCDに納められた演奏に唯の一曲も堕演はありません。

ちなみに本CDの定価は税込1,000円(消費税5%の時)です。圧倒的名演を1,000円で聴けるのです。是非一度、お聴きになってみてください。期待を裏切りませんから。

2014年6月 7日 (土)

私の愛聴盤 第14回

Figaro

モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」全曲

ヘルマン・プライ(フィガロ)
エディット・マティス(スザンナ)
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(アルマヴィーヴァ伯爵)
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(伯爵夫人)
タチアーナ・トロヤノス(ケルビーノ)
ペーター・レッガー(バルトロ)
パトリシア・ジョンソン(マルチェリーナ) 他

カール・ベーム指揮
ベルリン・ドイツオペラ管弦楽団、合唱団

1968年3月、ベルリン・イエスキリスト教会での録音

独グラモフォン 449 728-2(3CD 輸入盤)

今日は私の好きなCDのご紹介。それも久々オペラの全曲盤で、モーツァルトのオペラ作品の中でも最も世に知られている「フィガロの結婚」です。愛聴盤とは申せ、オペラの全曲盤ですから毎回毎回全曲を聴き通しているわけではもちろんありません。幸いCDはリモコンでトラックを選ぶのが簡単なので、お気に入りのアリアを飛び飛びで聴いたり、3枚のCDのうちのどれか1枚を聴いたりしながら楽しんでいます。

以前、同じコーナーでドイツ出身のバリトン、ヘルマン・プライの事を採り上げておりますが、「フィガロの結婚」のフィガロ役は私にとってヘルマン・プライ以上の歌手は未だ出現していないわけで、そういう意味では正規のスタジオ録音による音源(CD&LP)で本CD以上の録音はないと断言します。

ですから今日ご紹介の録音もヘルマン・プライの妙技(歌)を聴く為のCDと申しても過言ではないわけです。しかしながらその他の歌手陣も録音当時の名歌手が配されておりますので、モーツァルトのオペラ全曲盤としても大変聴き応えのある録音です。

ディースカウによる伯爵、歌唱テクニックについては私ごときが今更とやかく言う必要がない人気、実力とも最高の歌手なので、まったく文句はありません。こういう役柄は実に上手いですね。必ずしも好きな歌手ではないのですが。(^^;

ソプラノのグンドゥラ・ヤノヴィッツはカラヤンお気に入りの歌手でしたが、ここでも伯爵夫人をそつなくこなしています。初登場シーンで歌われるアリア、「愛の神よ、照覧あれ」も実に美しく歌われています。舞台姿も美しい人ですよね。エディット・マティスのスザンナも実にチャーミングな歌唱です。フィガロとのやり取りもコケティッシュで愛らしいです。

ませた少年、ケルビーノ役は全盛期のアグネス・バルツァがこれ以上ないというケルビーノを聴かせてくれましたが、そのバルツァを除けば本CDで聴けるタチアーナ・トロヤノスも絶妙な歌唱を聴かせてくれます。有名なアリア、「恋とはどんなものかしら」もなかなかの歌唱ですよ。

とは申せ前述した通り、やはりこの録音はヘルマン・プライのフィガロを楽しむための全曲盤です。「もう飛ぶまいぞこの蝶々」はじめ、各アリアはどれも大変素晴らしい歌唱を聴けます。プライのフィガロを聴いて以後、他でどんなに絶賛されたフィガロの録音を聴いても、必ずガッカリさせられています。如何にプライのフィガロが素晴らしいかは、一度お聴きになって頂ければお分かりになると思います。

もちろんこの録音はモーツァルトを得意としたカール・ベームの指揮ぶりも大きな功績を上げている事は申すまでもありません。唯一、少しの不満を述べますと、ホールトーンの美しいイエスキリスト教会の録音であるにも関わらず、何故か音が乾き気味で、オーケストラも少し痩せ気味に聞こえる事くらいでしょうか。

しかし、録音年代を考えると歴史的名録音となるのでは・・・。

Figaro_2

実は私、ヘルマン・プライさんからサインを頂いています。それが上のジャケット写真です。はい、少しミーハーかもしれません。(^^;

しかし、故人となってしまった今、とても貴重なジャケットとなりました。

2014年5月 9日 (金)

私の愛聴盤 第13回

Jacobs

Come fly with me/Trio Pim Jacobs

1. I'VE GOT THE WORLD ON A STRING
2. SPRING WILL BE A LITTLE LATE THIS YEAR
3. COME FLY WITH ME
4. AUTUMN LEAVES
5. WHO CAN I TURN TO
6. I LOVE YOU
7. BODY AND SOUL
8. SULTRY SERENADE

PIM JACOBS(p)
PETER YPMA(ds)
RUUD JACOBS(b)

1982年、オランダで録音
PHILIPS PHCE-10044(廃盤)

今日は私の愛聴盤をご紹介させて頂きます。オランダ出身のジャズピアニスト、ピム・ヤコブスのトリオによるリーダーアルバムです。ご紹介しているのはCDですが、後に30cmLPも入手しています。このジャケット写真は30cmLPの方が断然良いですね。

ジャズとは言ってもBLUE NOTE盤のようなゴリゴリのハードバップとは違い、実に洗練されたピアノトリオですから、BLUE NOTE系がお好きな方には少し物足りないかもしれません。

しかし、私は入手以来、大のお気に入り盤となっておりまして、今まで何十回聴いて来たか分かりません。一曲目、ピアノソロによるイントロから始まるミディアムテンポの演奏からすでにこのアルバムの個性が表出しており、とても気持ち良くスイング出来るでしょう。もし、CDにこの一曲だけしか収録されていなかったとしても(有り得ない事ですが)、私は充分に満足出来ます。そのくらい、この演奏には聴き惚れてしまっているのです。

二曲目、音を抑え気味に演奏していますが、これも良いですね。ベースが良い感じに響いて、とても心地良いです。

そして、アルバムタイトルにもなっている三曲目、フランク・シナトラの歌でもお馴染みの曲です。この演奏も何回聴いても飽きが来る事なく、素晴らしいとしか言いようがないのです。アドリブに入ってからのピアノが絶品! ここでも合いの手のベースがまた上手い!

四曲目はどなたもご存知、シャンソンの名曲「枯葉」です。ここでは三曲目までとは打って変わり、速めのテンポでピアノがコロコロ転がるように聴こえて来るのですが、この演奏もまた足が思わず貧乏ゆすりのようにスイングしちゃいます。(笑)

とまぁ・・・、一曲一曲コメントを入れていると長くなってしまいますのでこの辺にしておきますが、とにかく私に騙されたと思ってこのCDを買ってみて下さい。絶対・・・気に入って頂けると思いますので。

私所有のCD番号はすでに廃盤となっておりますが、Amazonさんで調べてみたらその後の再発盤がまだ新品で手に入るようです。是非、是非・・・お聴きになってみて下さい。全八曲、すべて素晴らしい演奏ですから!

肝心の音の方ですが、蘭フィリップスの録音ですから悪かろうはずがありません。とても良い音で収録されていますよ。