2021年2月19日 (金)

私的厳選カートリッジ

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レコードを再生する時に使うカートリッジ、嘗ては20個もの数を持っていました。しかし、カメラと同じで幾つも持っていても使い切れません。で、絞りに絞り込んで最終的に上記の5個になりました。

昨年、ここに残した以外のカートリッジはすべてオーディオショップに買い取ってもらったのですが、最後まで悩んだのは「光悦」というカートリッジ。実に私好みの音を奏でてくれたのですが、針交換価格が異常に高価格になっており、手放しました。何より、光悦を作った名職人さんが大分前にお亡くなりになっておりますので、大枚叩いて針交換する気が失せました。

その職人さんが今も現役ならともかく、失礼ですが後継者では・・・。そもそも後継者になってからの製品価格は私からしたら異常な価格と言えます。あくまで個人的感想ですが。

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ortofon MC-Q20

MC型
出力電圧 : 0.3mV
周波数帯域 : 20Hz-25,000Hz
針形状 : Nude Fine Line
カンチレバー : アルミニウム
適正針圧 : 2.3g
自重 : 9g

クラシックのレコード再生はこのオルトフォンで決まりです。このカートリッジは自分が使っていたMC20がモデルチェンジをして現行製品となり、針交換で手元に来たわけです。

当初はこのボディ色に違和感を持ったのですが、奏でる音に不満はありません。クラシックはジャンル関係なくMC-Q20を使っています。

近年、カートリッジの新製品は数十万円、中には百万円を超える製品も出て来ています。なんだかなぁ・・・です。オーディオ誌は広告を貰っている手前、こぞってベタ褒めの絶賛記事を掲載していますが、数万円のものでも充分満足な音を出してくれます。下に掲載したAT-MONO3なんて2万円しないです。(^^)

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DENON DL-102(モノラルLP用)

MC型
出力電圧 : 3mV
周波数帯域 : 50Hz-10,000Hz
針形状 : 17ミクロン丸針
負荷抵抗 : 1kΩ以上
適正針圧 : 3g
自重 : 13g

以前、SPレコード用にDL-102のSP用を使っておりましたが、針交換に出したら5年くらい前に製造中止になっていたようです。で、代わりにLPレコード用が手元に来ました。

LPレコード用のDL-102は使った事がないのと、SPレコード用はオーディオテクニカの製品を持っていたので「ま、いいかLP用でも」と、受け取って来ました。使ってみたら、なかなか良いです。図太い音色は古いモノラルレコードと相性バッチリ! 気に入りました。

おまけにMC型であるのに出力はMM型並みに3mVもありますから、トランスやヘッドアンプで昇圧する必要がなく、使い勝手は最高です。

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audio-technica AT-MONO3/LP(モノラルLP用)

MC型
出力電圧 : 1.2mV
周波数帯域 : 20Hz-20,000Hz
針形状 : 接合丸針
負荷抵抗 : 40Ω以上
適正針圧 : 2.0g
自重 : 6.8g

で、こちらが以前から愛用していたオーディオテクニカのモノラルLP用カートリッジ。最近、針交換(MC型なので現物交換)しましたので、また使い続けます。

しかし、DL-102のLP用が来てからは出番が少なくなっているのです。まぁ、モノラル録音の後期もので使ったりしています。

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audio-technica AT-MONO3/SP(SPレコード用)

MC型
出力電圧 : 1.2mV
周波数帯域 : 20Hz-15,000Hz
針形状 : 接合丸針
負荷抵抗 : 40Ω以上
適正針圧 : 5.0g
自重 : 6.8g

こちらが現在SPレコード用として使っているAT-MONO3のSP用です。DENON DL-102より若干軽めの音ですが、問題ありません。

したがって手元にはAT-MONO3のLP用とSP用の2個所有している事になります。SP用も針交換で新品に交換済み。SPレコードを楽しんでいます。

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SHURE M44G

MM型
出力電圧 : 6.2mV
周波数帯域 : 20Hz-19,000Hz
針形状 : 円錐
適正針圧 : 0.75-1.5g
自重 : 6.7g

そしてこちらがジャズのステレオ盤を再生する時に愛用しているシュアーです。本体手前の針はJICO製の互換針。

元々DJ用にシュアーが発売したカートリッジですが、元気の良い音がモダンジャズ再生にピッタリで、ジャズファンに愛好者が多いのではないかと。横浜の老舗ジャズ喫茶「ちぐさ」も昔から使っているようです。

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78回転のSPレコードを再生する時に使っているベルトドライブプレーヤー。AT-MONO3のSP用が高速に回転するSPレコードの音溝をほじくっています。(笑)

多少波打っているようなソリのある盤も問題なくトレースしてくれます。これはトーンアームの性能にも依存しますけど。

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ジャズのモノラル盤はDL-102の出番。クラシックを再生する時、私はダイレクトドライブ機につい信頼を寄せてしまいます。何故か?

昔、クラシックの音楽仲間(オーディオには関心なし)から「大学の先輩に凄いオーディオマニアの人がいるのでKONDOHさんに紹介したいんだけど、どぉ?」と言われ、後日お宅へ一緒に伺いました。広い部屋に鎮座していた機器はJBLの大型スピーカーにMcIntoshのセパレートアンプ、レコードプレーヤーはLINNのLP12でした。アームはSMEの3009、カートリッジはシュアー。

レコードコレクションは?と思ってレコード棚を拝見すると枚数はあまりお持ちではなく、雑誌でジャンル問わず録音が良いと評価されたレコードが並んでいました。一通り聴かせて頂いた後、持参したレコードでベートーヴェンのピアノ・ソナタをかけて頂きました。針が内周近くになると、軽い回転ムラを感じたのです。ピアノの打鍵の後、録音したホールに余韻のように消え行く響きに「あれ?」と私は違和感を感じました。

レコードは最初と最後とも回転速度は一定です。したがって内周に近くなると外周より線速度が遅くなるわけです。ピアノのような楽器が一番苦手とするところで、レコードが33 1/3回転でムラなくきっちり回ってくれなければなりません。消え行く響きが僅かに波打つように揺れて聴こえたのです。

お使いのLINN LP12が調整不足だったのかもしれませんが、そういう点(回転の正確さ)ではダイレクトドライブの方に優位があると思います。それがダイレクトドライブに信頼を寄せる理由です。勿論ダイレクトドライブにも欠点はあります。ベルトドライブよりダイレクトドライブの方が優れているという意味ではないので誤解のないよう。

LINNのプレーヤー、基本仕様の3機種のうち最高級機は200万円(最下位機でも50万円ほど)を超えていますが、昔から仕様にワウ・フラッターの数値は発表していません。どうしてだろう? 訪問したお宅でLINNのレコードプレーヤーに小さな回転ムラを感じてから、LINNの製品に対して猜疑心を持つようになりました。まぁ、トラウマみたいなものです。(^^;

ベルトドライブはモーターのメンテは勿論ですが、ベルトのメンテも必要になります。ちなみに私が使っているベルトドライブ機も針が内周に来ると、危うさを感じます。(^^;
あ、訪問したお宅の方へはレコードプレーヤーに回転ムラを感じた事などは口に出していません。

ダイレクトドライブ機、私はTechnics機に信頼を寄せているのですが、現行品に装着されているトーンアームも高性能です。少なくとも自分が以前使っていた英SMEの3010Rよりずっと良いです。多分、SME愛好者からは相手にされないと思いますが。Technics機、理想はSL-1000Rですが、さすがに・・・(笑)

カートリッジの話しからレコードプレーヤーの話しに脱線しちゃいましたね。(^^;

2021年2月17日 (水)

真空管フォノイコライザー、オペアンプ交換

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LUXMAN 真空管フォノイコライザー LXV-OT10

先月、音楽之友社から発売されたONTOMO MOOKシリーズの付録付きムック本を購入した事を記事にしました。付録はラックスマン製真空管フォノイコライザーのキット。

その記事の中で基板上のオペアンプを交換する事によってグレードアップ出来る事を記しましたが、自分でやってみました。

秋葉原の電子部品専門ショップでオペアンプを購入したのですが、購入価格は400円(税込)です。電車賃の方がよっぽど高い。(^^)

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今回交換するオペアンプは上記写真の赤丸で囲んだところです。その上(FET型のオペアンプ)も交換出来るのですが、先ずは第一段階として購入価格が安価なオペアンプで交換をし、結果オーライであればまた考えようと。

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MUSES8820D(バイポーラ型)

これが僅か400円で私が購入したオペアンプです。

交換方法ですが、ハンダなどは使いません。ニッパーなどで基板上にデフォルトで刺さっているオペアンプ(赤丸部分)を引き抜き、購入して来た上記オペアンプを差し込むだけ。実に簡単です。

さて、音の変化はあったのか?

いやいや驚きました。一聴して分かるのは低域の伸び。ちなみにムック本の小冊子にオーディオ評論家(福田雅光氏)による数種類の交換試聴記事が掲載されているのですが、私が購入したオペアンプに交換した時のリポートが以下のように記述されています。

「低域は太い躍動感、S/Nは良好でコントラストがしっかりしている。(中略)S/Nと力、クオリティの高さで魅力。C/Pは高い」

との事です。「コントラスト」って、写真で使われる言葉ですが、福田氏は写真表現からヒントを貰ってコントラストという言葉を音の表現に使うようになったみたいです。イマイチピンと来ませんが。

まぁ、その事はともかくとして、確かに低域の伸びにデフォルトとの違いを大きく感じました。僅か400円の投資でこれだけ変わるのか・・・と。大分前に試用記事を書いた中華製のUSB-DACもオペアンプ交換で音は変わるらしいのですが、今回真空管フォノイコライザーで体験した事によって「なるほどなぁ・・・」と思ったものです。

今回のオペアンプ交換は後段だけを試してみたわけですが、これは前段のFET型も交換してみたくなりました。後段だけでも音は大分グレードアップを果たしましたので。福田氏曰く、もっと立派なケースで作り直せば20万円くらいの価値があるだろうと。

真空管を交換する事でも音は変わるわけですが、添付されている真空管は品質の良いJJ製なので、オペアンプ交換の方が音のグレードアップは顕著に出る気がします。

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余談ですがレコード再生時、カートリッジの水平垂直はきちんと出さないと本来の性能は出せませんのでご注意を。私は軽くて小さな水準器でチェックするようにしています。

ヘッドシェルをトーンアームに装着する際、シェルのガイドピンが必ずしも正確な位置(水平に対し90度)に取り付けられていないものが偶に有ります。所謂製造工程でのバラつきですね。レコードを愛聴している方はご注意を。

2021年1月29日 (金)

シュアー M44G の事

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SHURE M44G(生産完了)

適正針圧 : 0.75g〜1.5g
出力電圧 : 6.2mV
再生周波数 : 20〜19,000Hz
自重 : 6.7g
針先形状 : 円錐

以上、SHURE社カタログより

雑誌「STEREO(音楽之友社)」の編集者から現在はフリーのオーディオライターになられている田中伊左資氏が最近、あちらこちらで記事にされていらっしゃるレコード用カートリッジ、米SHURE社のM44Gについて今日は私感を。尚、2018年だったかSHURE社はレコード用カートリッジの生産をすべて完了(交換針含む)した事をアナウンスしています。

SHURE(以降、シュアー)のカートリッジはV-15 Type IIIとM44Gの2個所有していました。「いました」と過去形で書いているのは昨年V-15 Type IIIはすでに売却しているからです。V-15 Type IIIはシュアーを代表するカートリッジとして人気があり、東北・一関のジャズ喫茶「ベイシー」のマスターが長年愛用されている事でも有名ですね。

私も長年持っていたのですが、音色がどうも自分好みではないので使用機会が実に少ないカートリッジでした。後年シュアーはV-15 Type III用のMR(マイクロリッジ)針を発売しましたので、MR針に替えてみたのですが、やはり自分にはイマイチ。カートリッジなんて消耗品と思っていたので中古を扱うオーディオショップでも買取はしないと長年思っていたのですが、ダメ元でお店に尋ねたら「買い取りますよ」との事。

面倒くさがり屋ですからオークションに出す事など考えもせず、オーディオショップに十数個のカートリッジを買い取ってもらいました。その中にV-15 Type IIIも入っていたのです。ですが、M44Gは手元に残しました。何故か?

V-15 Type IIIのすっきり爽やかな音に比べ、M44Gの少々ヤンチャな音がジャズにピッタリなのです。DENONのDL-103(売却済み)などもジャズに向いているのですが、気楽に使えるMM型というところがM44Gの良いところでもあるのです。なので、M44Gは手元に残して今も愛用しています。

前述したようにまとめて売却する前はいろいろ持っていましたので、M44Gの出番もそうそうなかったため針は磨耗していません。ですが、ダンパーはゴム製ですから経年変化で硬化しているかもしれないと思い、交換針を購入する事に。

ですが、生産完了のアナウンスの後、シュアー純正針はプレミア価格に高騰(カートリッジ本体も)。そういうモノを購入するのはなんだかなぁ・・・と、JICO(日本精機宝石工業株式会社)製の互換針を昨年購入しました。

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JICO社製、交換針を装着

カメラの交換レンズもサードパーティ製(シグマ、タムロン等)が多種多様に発売されていますが、レコード針も老舗ナガオカ社始め、複数の企業から発売されているようです。なかでもJICO社は1個から注文を受け付けているらしく、音色もオリジナルに極力近付ける努力をしているそうです。

で、購入したのが上記写真のJICO製交換針。冒頭写真のオリジナル針と聴き比べてみました。オリジナルの音色に近付ける努力をしていると言うだけの事はあります。確かにオリジナルに非常に近い音を出しています。神経を集中して聴き比べると僅かに、それもほんの僅かJICO製交換針の方が高域部分でオリジナルよりおとなしいかな? という感じです。

何より互換針と聴き比べた事によって、心配していたシュアーオリジナルの方も全く問題なく使える事が分かった事。ダンパーの硬化を心配していたわけですがトレーシングも問題なく、まだまだ大丈夫そう。

さて、田中伊左資氏はあれこれカートリッジを使って来たが、カートリッジはM44Gに尽きる、と雑誌記事やご自身の本で書き綴っており、今やM44Gはすっかり有名になっているようです。

M44Gはシュアーのカートリッジの中でも安価でした。私が購入した時は確か5千円(勿論新品)でお釣りが来たはず。ですから気軽に使えますね。もっともディスコンになってしまいましたから、欲しい方は流通在庫を探す必要がありますけど。Amazonで検索したら、何と3万5千円とか3万7千円の価格になっています。アホらしい!

ところでJICO社がM44G他、シュアー用交換針で変化球を投げて来ました。何と木製のカンチレバーで交換針を発売したのです。「黒柿」とか「牛殺」という名称の交換針です。この名前は実際に存在する樹木らしく、どちらも大変な人気であっという間に完売したそうです。これも田中伊左資氏が雑誌で記事にしたからですが。

御多分に洩れず私も「牛殺」を使ってみたくなり、JICO社のwebを見ましたらやはり在庫切れです。針の形態はオリジナルの円錐針と違い丸針ですから、音に興味が湧きます。木製カンチレバーで丸針、面白そう。(^^)

更なる使いこなしではM44Gのハウジングを交換するという事も記事にされております。オルトフォンのSPUもオリジナルのシェルを外し、中のカートリッジ本体だけを取り出して装着出来る専用のシェルがサードパーティから発売されていたりしますが、そこまでやると別のカートリッジを使う事と変わらなくなりますから、さすがに自分は・・・。

それと、田中伊左資氏が聴かれる音楽はロックオンリーなので、私の好みと合うかどうかですね。

という事で、今日は今話題のシュアーM44Gを取り上げてみました。

余談ですがシュアー社はM44-7というカートリッジも発売していたのですが、M44Gとは兄弟機でして軽針圧のM44Gとは対照的な3gが標準で、太めの音です。ボディは共通なのでボディ1個あれば針の交換だけでM44GにもM44-7としても使えます。私もM44-7用のシュアーオリジナルの交換針を持っているのですが、全然使っていません。(^^;

2021年1月23日 (土)

真空管フォノイコライザー・キットを試してみた

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LUXMAN 真空管フォノイコライザー

音楽之友社からのONTOMO MOOKシリーズでつい先日発売されたムック本(付録・真空管フォノイコライザー・キット 19,800円)を購入してみました。これはAccuphase社と共に日本のオーディオメーカーとして良く知られているLUXMAN(ラックスマン)社の設計による真空管フォノイコライザーのキットです。

ONTOMO MOOKシリーズは今迄「真空管ハイブリッド・プリメインアンプ・キット」、「デジタルアンプ・キット」、「真空管FMチューナー・キット」、「真空管グラフィック・イコライザー・キット」等々、LUXMANと雑誌「STEREO」を刊行している音楽之友社(STEREO編集部)との提携による一連のキット・シリーズを発売しておりまして、私は今回が初めての購入です。

キットですから自分で組み立てるのですが、基板は完成品が同梱されておりますので半田付け等の面倒な作業はなく、ドライバーが有れば誰にでも組み立てられますのでご安心を。

LUXMANと言えば、私は過去に高級CDプレーヤーで大変なガッカリ感を味わっているメーカーですが、同社は真空管に関しては長く豊富な経験がある事と、価格が価格ですから試してみたくなったわけであります。

さて、この真空管フォノイコライザー・キットに使われている真空管はECC82という球です。真空管は知識が乏しいので調べてみると、ギター・アンプなどで需要が有り、現在も生産が続いているようです。

さて、自分で組み立てまして早速使ってみました。↑ 上記写真。

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真空管 ECC82

デフォルトではMMカートリッジ用になっておりますが、もしMCカートリッジを使いたい場合には基板のジャンパーピンを差し替えて使います。ただし、この価格ですからMCカートリッジ用のヘッドアンプや昇圧トランスが内蔵されているわけではなく、入力時のゲインを変更しています。

私は使っていなかった某社の昇圧トランスをレコードプレーヤーと真空管フォノイコライザーの間に接続しましたので、MMカートリッジ、MCカートリッジどちらも使えるようにしてテストしています。

真空管ですから電源オン後、少し時間を置いてからレコードを再生してみたのですが、最初はややカサついた音でした。真空管が安定して動作するには30分くらいは掛かりますので、しばらくそのまま聴く事に。しかし、20分くらい経過すると大分変化して来ました。カサついた高域も艶が出て来て、価格以上の音は十二分に出しています。それとS/N比も高いですね。

この記事は僅か2時間ほど試用してから書いておりますので、これからしばらく使い込めばエージング効果で更に音は良くなると思われます。STEREO誌でオーディオ評論家の福田雅光氏が絶賛記事を書いておりますが、さすがに少々オーバーです。

ただ、この真空管フォノイコライザーは真空管を交換する事で音の違いを楽しめるのは勿論の事、基板上のオペアンプ(チップ)を交換する事も出来ますので、ユーザー自身でグレードアップが可能です。

オペアンプですが、1個25円から3,500円の物まで、交換しての試聴記が同梱の冊子に掲載されていますので、参考にされるのも良いかと。オペアンプは関東圏では秋葉原に行かないと購入出来ないと思いますが。

レコードを聴いてみたいけどお使いのアンプにフォノイコライザーが搭載されてないのであれば、今日ご紹介の真空管フォノイコライザー・キットはオススメ出来ます。

ところで、フォノイコライザーって何?

と思われた方に簡単にご説明しておきます。レコードにはRIAAと呼ばれる特性(カーブ)で音が刻まれています。RIAAとはアメリカレコード協会(Recording Industry Association of America)が定めた周波数特性(イコライザーカーブ)によってカッティングされたレコードを指します。

レコードに音源をカッティングする際、低音域は振幅が大きくなるため、そのままカッティングすると再生時にレコード針が飛んでしまうのです。それを防ぐために低音域を弱め、高音域を強調してカッティングしています。そのまま再生してしまうと高音は強調されてキンキンし、低音が全くない音になってしまいます。

なので、再生時はカッティング時と正反対の電気的周波数特性(イコライザーカーブ)にしてあげる事で平坦な周波数特性になります。その仕事をするのがフォノイコライザーなんです。

昔、プログラムソースのメインがレコードだった時代はどのメーカー、どのアンプでも当たり前にフォノイコライザーは搭載されていましたが、やがてCDがレコードを駆逐するとアンプからフォノイコライザーが省かれるようになってしまいました。ですから単体のフォノイコライザーアンプがその後、各メーカーから発売されるようになったわけですが、数千円の物から数百万円の物までバラエティに飛んでいます。(^^;

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これが今回購入したムック本の表紙です。

この真空管フォノイコライザー、もしメーカーで組み立てし、化粧箱を用意して発売したら5〜6万円はするのではないかと。それを考えるとやはりキット価格ですね。

最後にひとつ。この真空管フォノイコライザーのユニークなところは高域と低域を少し弄れるのです。RIAAが制定された1954年以降もステレオ初期まで、米COLUMBIAや英DECCAなどは独自のカーブを使い続けたようで、当時の「オリジナル盤」を再生した場合RIAAカーブでは微妙に音が変化します。

この事が昨今一部マニアの間で言われており、近年発売されるフォノイコライザーアンプには上記会社のカーブに対応した製品も幾つかあります。ですが、この真空管フォノイコライザーなら高域、低域を少し弄れるので、そうした上記外盤(オリジナル盤)も微妙な調整が出来ます事を申し述べておきます。

2020年12月11日 (金)

中華製格安真空管アンプを使ってみた

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FX-AUDIO TUBE-01J

昨年8月9日、「中華製格安デジタルアンプを試してみる」という記事で中華製の極めて安価なデジタルアンプを使ってみた印象を記事にしました。

その時に同じく中華製の真空管プリアンプの事を採り上げましたが、当時は購入するつもりはないと記述したものの、結局しばらくして購入してしまいました。(^^;

ちなみに購入価格は4,970円(税込)です。昨年記事にしたデジタルアンプは3,980円でしたから、2台合わせても9千円でお釣りが来ます。プリアンプ、パワーアンプというオーディオマニアが言うセパレートアンプになります。アキュフェーズのセパレートアンプの価格と比べたら・・・(^^)

FX-AUDIO TUBE-01J

- 製品仕様 -
歪率 : 0.1%以下
SN比 : 約100dB @1kHz
周波数特性 : 20Hz - 35kHz
出力基本インピーダンス : 600Ω
機能 : ゲイン切替機能 : (0dB・-6dB)フロント トグルスイッチ
最大出力 : 2800mV
電源 : DC12V/1A以上推奨(ACアダプター別売)
サイズ : 60mm(真空管含む)x95mmx99.5mm
本体重量 : 305g
付属品 : 軍用グレード真空管2本、日本語説明書

最初に購入したデジアンだけでも結構な音を出していましたが、その後に購入した真空管プリアンプ(上記写真)を組み合わせて鳴らしてみたら、音はもう一段良くなりました。普通(オーディオに凝っていない人)はもうこれで充分でしょう・・・と思っています。

ただ、一般の方が一番危惧する事は中華製格安商品なんて「安かろう悪かろう」、若しくは耐久性・・・幾らも使わないうちに壊れるのでは? という事を考えるかもしれません。

安かろう悪かろうではない事は私自身が使ってみた事で否定出来ますが、耐久性は分かりません。実際、最初に購入したデジアンは五ヶ月程したら電源に不具合が出ました。

しかし、半年保証が付いていたのでメーカー(株式会社ノースフラットジャパン)にメールしたら、直ぐに「代替品を送りますので届いた箱に不具合の出た商品を入れ、送料着払いで戻してください」と、迅速で丁寧な対応をして頂いております。代替品はその後、不具合無し。

既に購入後、どちらも一年以上経っていますが、今も故障する事なく使えています。(^^)

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FX-AUDIO TUBE-01J & FX202A/FX-36A PRO

左が昨年ご紹介したデジアンで、右がその後に買い増しした真空管プリアンプです。52インチ液晶テレビの両脇に置いてあるスピーカー(DALI MENUET)をこのセットで鳴らしていますが、2ch再生ではマランツのAVアンプを問題としません。マランツは7.1chサラウンド再生専用にしています。

で、試しにと別室のメインスピーカー(英B&W)に繋いでみると、朗々と鳴らしてくれた事に驚きを禁じ得ません。

オーディオ製品の「価格」って一体何が基準になるのだろうか? と、悩ませてくれます。(笑)

写真だって高価なカメラを使わなくとも、スマホで充分綺麗に撮れます(望遠域を除く)。カメラもオーディオ製品も、とどのつまりは自己満足の世界と言う事ですね!

2020年7月24日 (金)

これこそ、超・・・超弩級

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TechDAS Air Force Zero(ベルト・ドライヴ)

定価 ¥45,000,000(チタン製トッププラッター・税別)重量 470kg
定価 ¥50,000,000(タングステン製トッププラッター・税別)
写真のトーンアーム、カートリッジは別売

ハイエンドオーディオ、ここまで来たか・・・という感じです。これ、アナログレコードを再生するためのレコードプレーヤーなんです。定価の表示、決してゼロの数を間違えているわけではありません。基本セットで税別4千5百万円です。トーンアームを装着する前の重量が470kgもあります。(^^;

現在、ハイエンドオーディオと言われる分野の製品は「富裕層」を対象にして価格設定をしています(少なくとも私はそう思います)。女性が好むバッグや洋服のブランド品、明らかにボッタクリ価格ですよね。しかし、そうした憧れだったブランド品を購入する事によって、或る意味自己満足の世界に入れるわけです。他人がどうこう言う問題では有りません。

オーディオの世界もいつの間にか、そうなってしまいました。それなり(適正と言って良いでしょうか)の価格のオーディオ製品で音楽を聴く人がめっきり減りました。一時は家電メーカーでさえ参入していたオーディオ機器製造から撤退するメーカーが相次いでしまい、今はもう死に体の世界になっています。

オーディオ機器の主流であるスピーカーとアンプの分野、嘗ては米国が本場とも言える状況でした。スピーカーではJBL、アンプではMcIntosh、両社の製品はオーディオに関心を持っている人たちにとって、ブランド品に憧れる女性たちと同じ気持ちだったわけです。スピーカー分野では英国のタンノイもあります。

しかし、JBLもMcIntoshも凋落の一途で、JBLは韓国のサムスン電子の子会社グループに、McIntoshも今はイタリアの持株会社に買収されています。元々海外のオーディオメーカーは個人経営に近い状態で立ち上げられていましたから、オーディオ不況の波は直撃するようです。英国タンノイも例外ではなく、現在は他国の企業グループに買収されています。

オーディオ界、そういう状況ですから「薄利多売」には縁がなく、「暴利少売」に変化しているわけです。オーディオ機器の価格ですが、6桁の金額なんていうのは入門機の部類です。富裕層相手の現在では7桁がまぁまぁ高級機器、7桁と言っても8桁に近い7桁でしょうか。本当の意味(?)での高級オーディオ機器はもう8桁が普通になっています。(笑)

ですが、価格と中身が一致しているようなオーディオ機器って、案外少ないように思います。英国L社は日本でも人気のメーカーですが、私からしたらこのメーカーの製品はどれも完全なるボッタクリ価格に感じています(個人の感想)。

ですが、購入した人たちが音を聴いて満足されているなら外野がとやかく言う事ではありません。先日、図書館から15年前のハイエンドオーディオ専門誌「STEREO SOUND」を借りて来て読んでいたら、同誌を代表するオーディオ評論家、故菅野沖彦氏が海外の高級機器についてバッサリと物申していて、気持ちが良かったです。現在、同誌で執筆している評論家諸氏は輸入業者と癒着(噂ですが)しているせいか、どの製品に対してもヨイショ記事しか書いていません。

借りた号の特集はソフトの発売から6年経っているSACDを再生するための、SACDプレーヤー試聴記の特集でした。7桁価格の海外製各SACDプレーヤーに対し、菅野沖彦氏は価格にまったく見合わない作りである事を糾弾しています。この点は私もオーディオショーなどで海外製品を見る度に思っている事で、「よくこんな作りの物に何百万円も出す人がいるものだ」と。菅野沖彦氏の記事を読んで「我が意を得たり」と、ほくそ笑みました。(笑)

余談ですが、大分前に2万円ほどのパイオニア製DVDプレイヤーの中身を自社の筐体に入れ、140万円のDVDプレイヤーとして発売していたスイスのゴールドムンド社のボッタクリ製品を話題にした事がありました。前述のSTEREO SOUND誌には、またまた安価なパイオニア製ユニバーサルプレーヤーのメカを積んだゴールドムンド社製SACDプレーヤーの試聴記が掲載されています。価格は税抜きでなんと350万円。で、STEREO SOUND誌お抱えの評論家、Y氏は絶賛していました。まぁ、音の好みは人それぞれなので。(笑)

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昨秋のオーディオショーにて

で、この4千5百万円のアナログレコードプレーヤーです。まさに「超弩級」という言葉がピッタリだと思います。ちなみにこれはTechDASという日本のメーカー製です。大分前に畳んでしまいましたが、アナログレコード関連の機器を製造販売していた「マイクロ精機」に在籍していた方が造り出したアナログプレーヤーなんです。

マイクロ精機は重いターンテーブルを糸やゴムベルトで回転させる重量級の組み合わせ式プレーヤーを発売していました。実は私も以前、金色に輝く9kgの砲金製ターンテーブルを糸でドライヴするプレーヤーを使っており、ターンテーブルの周りには3本のトーンアームをセッティングし、いろいろなカートリッジの音色を楽しんでいました。そのアナログレコードプレーヤーがマイクロ精機製でした。

さて、今日ご紹介のAir Force Zeroですが、プラッター(レコードを載せて回転するターンテーブルの事)だけで101kgもあります。異種金属を5層に重ね合わせての重量だそうです。異種金属を組み合わせているのは金属製プラッターの「鳴き」による、音への影響を押さえ込むためです。異種金属を組み合わせる事によって共鳴を無くしているわけですね。

しかし、基本セットでも470kgです。置き場所、下はコンクリートなどで固めないと床が抜けるでしょう。(^^;

こうした製品を購入される方、ただの富裕層ではなく、「超富裕層」でしょうね。それこそ香港や台湾の大金持ちとか。何台か受注が入ったそうですから。

セッティングも大変そうですね。470kgをいっぺんにセッティングするわけではないですが、個々のパーツの重量もそれなりにありますから何人もの人たちでセッティングするのでしょう。でも、所有者(それなりに高齢でしょうから)が万が一の時、残された家族は処分に窮するのでは。あ、余計な事ですが。

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昨秋のオーディオショーにて

TechDAS Air Force One(ベルト・ドライヴ)

定価 ¥7,000,000(税別)

TechDASの製品第1号のAir Force Oneです。「エア・フォース・ワン」というネーミング、米大統領が搭乗するジェット機のコールサインですね。

Air Force Oneは前述した評論家Y氏がお使いです。Y氏はフォノイコライザーアンプにスイスのHSEスイス製 Masterline 7という製品を導入されていますが、その製品の価格が870万円(税別)。恐ろしいですねぇ。その他の機器も含めますとオーディオ装置だけで数千万円になりますから、溜息が出ます。オーディオ評論家って、皆さん富裕層の方々なんですね。(^^;

この後、Air Force Two(副大統領機のコールサインと同じ)が発売され、さらにAir Force III、Air Force Vと順次発売されているようです。Air Force Vはかなりコンパクトに作られており、価格も僅か¥1,150,000(税別)です。安いですね。買えないくせして4千5百万円、5千万円という価格の後では激安に錯覚してしまいます。(笑)

Air Force Zero、さぞかし素晴らしい音を聴かせてくれるのでしょう。一度、聴いてみたいものです。

2019年10月 1日 (火)

アキュフェーズ & タワーレコード試聴会

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アキュフェーズさんのSACD/CDプレーヤー全機種を、タワーレコードさんの新作SACDで聴くという試聴会があり、またまた参加して来ました。

タワーレコードさんの新作を聴く事が出来るので、楽しみでした。今回も春に引き続き、タワーレコードさんからSACD担当責任者の方がお見えになり、大変有意義な試聴会でした。試聴機器は以下の通り。

Accuphase
CDプレーヤー : DP-430
SACD/CDプレーヤー : DP-560、DP-750、DP-950 + DC-950
プリアンプ : C-3850
パワーアンプ : A-250 x2
クリーン電源 : PS-1230
スピーカー : 伊SONUS FABER「IL CREMONESE」

試聴に使われたスピーカーはペアで550万円(税別)という、超弩級スピーカー(写真両側)。いや、同社には未だ販売されているか分かりませんが、ペアで2,000万円(重さ302kg)という製品がありましたから、550万円ではさほど驚く事ではないかもしれません。(^^;

最初にチェンバロ(バッハ/イタリア協奏曲)とハーモニカのCDを使い、DP-430とDP-560の音を聴き比べる事から始まりました。DP-430はCD専用機なので、必然とメディアはCDになります。対してDP-560はSACD/CD兼用プレーヤー、価格差を考慮せずともピックアップが違います。DP-430で聴いている分には充分な音色。しかし、DP-560に変わるとやはり上位機ですね、音の奥行き感や響き、低域の深み等で上回ります。仕方ない事です。でも、音の傾向は同じです。

その後、DP-560を使ってジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団によるモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の第四楽章を、CDとSACDとで聴き比べ。SACDは新規にマスタリングされているそうで、これは興味深かったです。

で、結果は? 微妙なところですね。私にはCDが思いのほか良く感じました。確かにSACDの方は高域が伸びているのですが、これはマスタリング時にイコライザーを弄っているからでは? という感じでした。もし、CDをすでに所持していたら、敢えてSACDに買い換える必要性はないかも・・・というのが正直なところ。

ここで早くもDP-430とDP-560は片付けられてしまいました。(笑)
で、お次はDP-750です。

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昨年だったかジャズピアニスト、ビル・エヴァンスの未発表録音(有名なモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライヴ直後のスタジオ録音)が二種発売(CD)されているのですが、その音源を新たにTOWER RECORDSさんでリマスタリング仕直し、最近SACDとして発売されました。リマスタリングの監修はオーディオ評論家の和田博己氏。要するに、和田博巳氏好みの音にリマスタリングしているわけです。

その二種の音源は「Another Time」と「Some Other Time」というアルバムタイトルでして、私はe-onkyo musicでハイレゾ音源をそれぞれダウンロード購入し、すでに自宅で楽しんでおりました。

その両アルバムから一曲ずつ再生。放送局がスタジオで録音していますから、音に問題はありません。片方はスタジオにお客を入れてのライヴです。送られて来たマスターから主にベースの響きとドラムスのシンバルに関し少し音を弄ったそうです。DP-750、素晴らしい音ですね!

その後、フィストゥラーリが指揮したチャイコフスキーの「白鳥の湖」やブロムシュテットが指揮したベートーヴェンの交響曲第8番(第四楽章)、マタチッチのブルックナー(スプラフォン原盤)を再生。途中、DP-750(税別120万円)とDP-950+DC-950(税別240万円)とで聴き比べがあり、参加者にどちらの方が良かったか挙手を求められたり。(^^)

さて、私にとってこの日一番の収穫は往年の名指揮者、オットー・クレンペラーが指揮したマーラーの交響曲「大地の歌(英EMI)」のSACDでした。これは4枚のSACDを使って聴き比べ。その4枚は以下の通り。

1. ESOTERIC盤(SACD/CDハイブリッド)
2. 英EMI盤(SACD/CDハイブリッド)
3. 英EMI盤(SACDシングルレイヤー)
4. TOWER RECORDS盤(SACD/CDハイブリッド)

この4枚、すべて微妙に音が違います。しかし、一番興味深かったのは2番と3番の聴き比べです。同じマスタリング音源をCD音源と一緒(上下二層)にハイブリッドにした盤と、SACD音源のみの盤(シングルレイヤー)とでは音に違いが果たしてあるのか?

結果は・・・、メチャクチャ違いました。これはもう圧倒的にシングルレイヤー盤の方が良かったです。この試聴を踏まえ、出来る事なら今後のSACD発売はCD音源とのハイブリッドは止めて、すべてシングルレイヤーで発売してもらいたいと本気で思いました。ハイブリッドにするくらいならワンパッケージにSACDとCDによる2枚組にすれば良いのではと。映画ソフトで昨今、Blu-rayとDVDの2枚をパッケージングしているように。

それと、今回の試聴会で一番驚いた事、それはタワーレコードさんから「SACD/CDハイブリッド盤というのは、SACD(上)とCD(下)それぞれのディスクを糊で貼り合わせているのです。ですから時々ディスクの端に若干糊がはみ出ている事があります(笑)」という説明でした。

私は今まで一枚のディスクを使い、最初にCD層をディスクの底面にレーザー光で記録し、その上にSACD層を記録しているものとずっと思っていました。2枚の円盤を糊で貼り合わせているのでは上下層とも音に良いわけないですよね!

今回の試聴会一番の収穫がこの一件。(笑)
ESOTERIC盤とTOWER RECORDS盤の違いは最高音域の表現に若干違いが。こうした事はプレス工場の違い(アナログレコードと同じ)でも生じるので、これはもう聴き手の好みの範疇でしょう。ところでこのクレンペラーのマーラーですが、途轍もない情報量です。録音は1960年代初期ですが、SACDで聴いた印象は「最新録音です」、と言われても驚かないほどの圧倒的情報量(録音)。

もちろん、その録音の良さを余すところなく再現出来たのは、ソナスファベールの優れたスピーカー、そしてアキュフェーズ製SACDトランスポート(DP-950)とDAコンバーター(DC-950)とのコンビによる組み合わせがあったからこその事。更にはプリアンプとパワーアンプ、アキュフェーズ最上位機の力があった事は言うまでもありません。アキュフェーズ、またまた惚れました。

2019年9月21日 (土)

アキュフェーズ P-4500

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Accuphase STEREO POWER AMPLIFIER P-4500(2018年12月発売)

定格出力: 90W(8Ω), 180W(4Ω), 360W(2Ω), 500W(1Ω)
S/N比 : 121dB ゲイン切替スイッチ MAX, 126dB ゲイン切替スイッチ -12dB
ダンピング・ファクター : 700
最大外形寸法 : 幅465mmx高さ190mmx奥行427mm
質量 : 29.2kg

アンプの動作方式、A級とAB級とでは一般的にはA級の方が「音が良い」と思われているようです。実は私もなんとなくそう思っていました。試聴会で聴き比べをするまでは。

しかし、販売店での試聴会(アキュフェーズ協賛)で同社のA級とAB級とを聴き比べた結果、A級の方が音は良いとか、いやAB級の方が良いよ、などという話しではなかったのです。少なくともアキュフェーズ製品に限ってはあくまでも出力方式の単なる違いだったのです。出て来る音はそれぞれの方式に基づく個性の違いであって、一方がより優れているという事ではないのです。購入時は聴き手の好み次第で選べば良いという事です。

私の場合は幸いグレード別に聴き比べられる機会があり、結果どちらのグレードでもAB級アンプが出してくれる音の方が圧倒的に好みだったのです。機会(いずれも試聴会)が三回ありまして、とても有意義でした。その聴き比べは以下の組み合わせです。

1. A-75(A級 以下同)vs P-7300(AB級 以下同)
2. A-47 vs P-4500
3. A-48 vs P-4500
4. A-47 vs A-48(番外)

以上の組み合わせによる試聴会で、私はそれぞれAB級のP-7300とP-4500が奏でてくれる音の方が好みだったのです。低域の押し出し感はもうAB級の方です。言葉を変えればスピード感と表現したら良いでしょうか。

少々大袈裟な言い方をするとA級の方の低域はワンテンポ遅れて来るような感じを受けたのです。もちろん実際にはそんな事はないのでしょうが、AB級に比べるとA級の方はややふんわりと出て来る感じなのです。それがスピード感の違いとなって現れているのでしょう。AB級に比較して僅かな差ではあるのですが、その差が私には大きな差に受けました。

それと、オーケストラを聴くと各楽器の分離と申しますか、浮き出し感(シャープネスとでも言いましょう)もAB級の方がややはっきりとしています。ジャズについては問題なくAB級です。パルシヴな音はAB級の表現が一歩リード。でも、A級アンプでジャズをお聴きの方もいらっしゃいますから、こればかりは個人の好みの問題。クラシック中心の私がAB級を好むように。

私自身はモニター的な音を好みますので、そういう意味ではA級のやや甘さ、言い換えれば若干の柔らかさが自分とは相容れない事を試聴会で聴いて確認出来ました。改めて思ったのはオーディオ機器というのは雑誌の評価、世評の評判を頼りに購入するという事は止めるべきという事。もちろんすべての機器を試聴出来る機会があるわけではないですが。C-2150は未聴で決めてしまいましたけど、上級機の音を聴いていましたので、その系列の音だろうと思ったからです。

私は過去一度、もう随分前の事ですが、CDプレイヤーの買い替え時にオーディオ雑誌のテストリポートで、或る評論家(今も現役)にべた褒めされていたLUXMANのCDプレイヤーを未聴で購入。しかし、自宅で聴いてみると、それまで使っていた中級グレードのプレーヤー(大手メーカー品)の音に明らかに及ばないのです。二ヶ月ほど鳴らし込んでも変わりません。試しにと、音楽仲間二人(一人はオーディオマニアではないです)を自宅に呼び、ブラインドで聴いてもらうと両人とも古い中級プレーヤーの音の方が良いという結果に。新しく購入したプレーヤーの購入価格を言うと、二人ともビックリ仰天。直後に売却しました。

オーディオ誌で書かれているオーディオ評論家の言葉は信用出来ないという事ですね。雑誌はメーカー、輸入業者から広告をもらって商業誌として成り立っているわけで、これはカメラ誌も同じ。ましてや評論家諸氏は自身購入のオーディオ機器は一般の販売店で購入しているのではなく、輸入業者から直に購入(車業界でいう直納)しているのですから、業者との癒着も生じるわけで。以前、友人がそういう仕事に就いていた時、いろいろ裏話は聞いておりました。それと、最近偶々見たサイトでは実名(STEREO SOUND誌でお馴染みの評論家諸氏)を挙げて輸入業者との癒着を暴露していたのには少々ビックリ!(^^;

このCDプレーヤー購入時の経験から、オーディオ機器購入(滅多にないですが)時には自分の耳で確かめる必要を感じたわけです。

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P-4500(カタログから借用)

閑話休題 有益だった試聴会でアキュフェーズさんについては自分の場合、AB級の方が好みだったという事が分かり、予算を考慮しながら導入決定したのがP-4500でした。導入からおよそ二ヶ月半ほど経ちましたが、エージングがほぼ進んだようで、今は実に心地良い音を奏でてくれています。

導入当初、セッティングを終えた後30分くらい通電し、オーディオチェックにも使っているアンネ=ゾフィー・ムターのヴァイオリンによるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番の愛聴盤(実際はハイレゾ音源)を再生。出て来た音に「あれ? こんなものだったかなぁ?」と。

ところが、あれこれと音楽を30分、1時間と聴き続けていると、時間が経つほどに明らかに音が変化していきます。2時間ほど経った後に今一度ムターのモーツァルトを再生してみると、もうまったく音が違っていました。この曲、演奏が始まって数小節後にオケがトゥッティ(全合奏)で強奏されるのですが、以前の機器ではその瞬間、弦楽の最高音域に若干の金属的響きがほんの一瞬ですが聴こえていたのです。それがない!

最高音域まで実に艶やかに鳴っているではないですか。何よりホールトーンの響きもよりいっそう立体的になり、明らかに以前のパワーアンプとは違います。恥ずかしながら嬉しくなってしまい、結局5時間くらいCD、SACD、レコード、ハイレゾ音源と立て続けに聴いてしまったのです。(笑)

最近、試聴会終了後に個人的にお話しを頂いたのですが、アキュフェーズ営業さん曰く、「エージングは一ヶ月はみてください。厳密には一年くらいですね。ご購入当初はコンデンサが抜け切っていますので、最初はまともに鳴りません」と。成る程、その通りだなと自ら体験したわけです。

さあ今日は聴くぞ!・・・という日は、例え聴くのが午後からであっても朝目が覚めるとオーディオ機器の電源を入れています。更に、CDプレーヤーには適当にディスクを入れ、リピート機能をオン。要するに回しっぱなしにしてアンプに信号を送り、ボリュームを絞ってほんの僅かスピーカーから音を出しています。で、いざ聴く頃にはアンプも暖まり、絶好調で音楽を聴く事が出来るわけです。(笑)

オーディオマニア(今はオーディオファイルと言うようです)の方の中には一年中アンプの電源は落とさない方もいらっしゃいますし、エアコンも一年中入れっぱなしで常に温度、湿度を一定に保っている方もいらっしゃるとか。アンプは一度電源を落として冷えてしまうと、次に電源を入れてから本来の性能を発揮するまで機器によっても違いますが、数時間は掛かります。それが嫌なのだと思います。聴き始めから良い音で聴きたいという。

私はマニアではないので、一応その日聴き終えたら電源は落としています。ですが、本気で聴く時は前述したようにかなり早くから電源を入れるようにはしていますけど。今、C-2150もようやく良き伴侶を得て、相性ピッタリにペアで美音を奏で続けています。あぁ、音楽って素晴らしい!

余談ですが、上の4番の組み合わせ、A-47とA-48の比較です。A-48はA-47からこの夏モデルチェンジをしたモデルですが、これはA-48が圧倒的に良かったです。A-48の音を知っちゃうと、旧モデルで割引率が良いからといってA-47にしたいとは思わなくなるくらい違いがありました。

私がA級の方を好んでいたら問題なくA-48ですね。AB級の方が好みと分かったものの、旧モデルのP-4200の方が安くて良いかも、と考えた事がありました。しかし、A-47とA-48の比較試聴の結果アキュフェーズさんの場合、モデルチェンジ後のモデルは明らかに旧モデルより良くなる事を知り、P-4200にしなくて良かったと、後から思ったものです。もっとも新モデルが旧モデルより劣っていたらモデルチェンジの意味がなくなりますけどね。

尚、プリアンプとパワーアンプ間のケーブルにはアキュフェーズ製バランスケーブル ASLC-10(1.0m)を使っています。色付けのないケーブルを使いたければ、やはり純正ですね。

2019年8月 9日 (金)

中華製格安デジタルアンプを試してみる

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FX-AUDIO FX202A/FX-36A PRO

以前、「中華製格安USB-DACに驚愕!」という記事で、中華製の安価なDACが想像以上に良い音を出してくれる事を書きましたが、二匹目のドジョウ狙い・・・という事で(笑)、同じく中華製の格安デジタルアンプを購入し使ってみました。あ、過去形ではなく現在進行形です。(^o^)

モノはこれです。

FX-AUDIO製 FX202A/FX-36A PRO

スイスST Microelectronics製 TDA7492PE Dual-BTL Class-DデジタルアンプICを搭載
高音質特注仕様のコンデンサーを採用
出力段のフィルターコンデンサにTDK-EPCOC製のフィルムコンデンサを採用
電源平滑コンデンサに日本ルピコン製 高周波低インピーダンスグレードのYXGを採用

最大出力 : 最大48W x 2ch(電源入力24V・4Ω時)
対応スピーカー : 4Ω-16Ω
入力端子 : ステレオRCA端子(金メッキ仕様)
出力端子 : 2chステレオ出力(バナナプラグ対応金メッキ端子)
電源仕様 : DC12V-24V 電源容量2A以上推奨(ACアダプター別売)
サイズ : 33mmx98mmx123mm
重量 : 325g
その他 本体底部にゲイン設定スイッチ有り

購入価格はAmazonで 3,980円(税込)です。ちなみにこの製品は中華製とはいえ、日本企業の「株式会社ノースフラットジャパン」という会社が設計製造に関わっており、同社の半年保証が付いています。ですから中華メーカーの格安だけど売りっぱなし、という製品ではありません。

ただ、購入後に知ったのですが、普通にプリメインアンプだと思って購入してみたら、この製品は一応パワーアンプだったのです。(笑)

確かによく見れば入力切替スイッチがないですね。私は大きなボリュームつまみを見て購入しちゃったのですが、そもそも超格安デジアンにプリアンプ、パワーアンプというセパレートが有るという事に驚きました。しかし、このままで使えないかというとそんな事はなく、入力端子にCDプレーヤーやUSB-DACからの出力を接続すれば普通に使えます。音量はボリュームつまみで調整すれば良いので。

購入直後、私は無謀にもアキュフェーズ製プリアンプ C-2150と接続し、このデジタルアンプを正しくパワーアンプとして使い、メインスピーカー(英B&W)を鳴らしてみました。電源オン直後に聴いてみると、左右のバランスは崩れているし、音もハッキリ言えば「格安中華製デジアンだから、こんなものなんだろうな・・・。今回は安物買いの銭失いだったな」と思ったのです。

が・・・、

ものの10分くらい経ったら、あれあれ!・・・というくらいに音が変化して来たのです。アンプ、特にパワーアンプは購入したてで最初の電源オン直後から本来の性能なんて発揮出来ません。コンデンサの電気はすべて抜けきっているからです。そういえばアキュフェーズさんのパワーアンプを新規導入し、最初の電源オン直後も「あれ!? この程度の音だったかなぁ?」と思ったのでした。(笑)しかし、2時間くらい経ってからの音は激変して来ましたからね。

格安アンプと言えども同じなのでしょう。少し時間が経過してからの音は、3,980円の音ではないです。愛用のスピーカーを結構な音で鳴らしてくれるのにはビックリ! アキュフェーズのアンプなんて要らないじゃん・・・というのは流石に言い過ぎですが(笑)、少なくとも国産の価格10万円台のプリメインアンプには充分太刀打ち出来るのでは、と実感しています。

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FX-AUDIO TUBE-01J 真空管プリアンプ

YouTube(ユーチューバーさんたち)の動画を見ると、このプリアンプが人気のようです。価格は4,970円ですが、真空管を軍用選別グレードにした限定生産モデルもありまして、そちら(TUBE-00J LIMITED 6J1)ですと7,980円ですね。

とは申しましても、私は今のところこの真空管プリアンプの購入意思はないです。何故かと申しますと、このデジアンをテレビ音声用に使っておりまして、愛用しているマランツ製AVアンプ NR1609には2chのプリ出力端子があるので、このAVアンプをプリアンプとし、RCAケーブルでFX-202Aと繋いでいるからです。NR1609にプリアンプ機能をさせたら、もう一段音は良くなりましたので、やはりFX-202Aはパワーアンプなのだと。

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DALI MENUET

形式 : 2ウェイ2スピーカー
中低音域 : 115mmコーン型
高音域 : 28mmドーム型ツィーター
周波数特性 : 59Hz〜25kHz
能率: 4Ω 86dB
推奨アンプ出力 : 20〜100W
サイズ : H250xW150xD230mm
質量 : 4.0kg

以前、テレビ用として英B&W製のCM1というコンパクトなスピーカーを使っていましたが、身内にアンプ共々持って行かれてしまったので(笑)、しばらくしてから導入したテレビ用がこのDALI(デンマークのスピーカーメーカー)の製品。52インチ液晶テレビ(4Kではないです)の両脇に置いています。ウーファーが11.5cmサイズという実にコンパクトなスピーカー。ウーファーに白っぽい筋のようなものが見えると思いますが、これは傷ではなくDALI製スピーカーに見られるウッドファイバーです。

MENUETはDALI製ブックシェルフ型スピーカーの中でもサイズを超えた音の良さで人気があるようで、私からすると女性ヴォーカルが最高。欧米のスピーカー、近年は製造を中国に移しているメーカーが多く(米JBLでさえ)、DALIも製品によってはmade in Chinaですが、このMENUETはmade in Denmarkでした。

余談ですが、このスピーカーは出会い頭の衝突みたいな入手経緯があります。少し前の事ですが、某量販店の某メーカーブースの前を歩いていたら、良い音が流れていたのでどのスピーカーだろうと近づいてみたら実に小さなスピーカーにビックリ。それがこのMENUETだったのです。メーカー派遣(輸入代理店)の販売員さんが私の隣に来まして、「如何ですか? 良い音でしょう?」と。

こんな小さなウーファーなのに、サイズ以上の低音が出ているし、綺麗な高音にも惹かれました。今、家のテレビ用に最適なスピーカーが欲しいと思っているのですが・・・と私が言うと、「この場で決めて頂ければ、絶対ご満足のいく金額にしますけど? 今日は平日(夕方でした)でご覧のようにお客さんもサッパリです。会社に0を報告するのと1を報告するのとでは全然違いますので」と。

金額次第で、と私が言うと、「では会社と交渉して来ますので、こちらにお座りになって少々お待ちください」という事でしばし待ちました。戻って来て私に提示した金額に驚きました。内心「マジ!?」と、本当にビックリする金額を提示されたので即決しました。「ただし、絶対この金額は他で言わないと約束してください」と釘を刺されました。

まぁ、もしかしたら上手い販売手法に乗せられたのかもしれませんが(笑)、しかし金額は超破格値でした。レジで派遣社員は量販店の店員さんに「これで、この金額にしてください」と、指差しながらメモを渡しました。そのメモを見ると、数桁の数字の下に金額が書いてありました。多分、輸入代理店の承認番号でしょう、数字の羅列は。え? 価格コムの最安値店より安いのか?・・・って、価格コムなんてまったく問題になりません。派遣社員との約束通り言えませんが、とにかくのビックリ価格でした。おまけにポイント還元もありますし。(^o^)

話しが脱線しましたm(_ _)m、現在テレビ音声はこういう接続になっています。

Blu-ray → NR1609 → FX202A → MENUET

NR1609にはサラウンド用スピーカーも繋いであり、映画鑑賞時には6.1ch(Center SPはなし)で音声を楽しんでいます。NR1609は単体でも2chの音が思いのほか良いので満足しています。しかし、パワーアンプ FX202Aを通してCD(リッピング音源含む)やハイレゾ音源を聴くと更にもう一段グレードが上がり、サブシステムとしての役割も十二分に果たしてくれています。

純粋に2chステレオでダイアナ・クラールその他をオーディオ的に聴いていると、FX202Aで鳴らすMENUETの音でもう普通は充分なのでは、と思ってしまいます。実はMENUETって鳴らしにくいスピーカーなのです。何故なら能率(出力音圧レベル 4Ω 86dB)が低いので、ある程度アンプのパワーを必要とします。近年の小型スピーカーは高性能ですが各社一様に能率が低いので、アンプに負担が掛かります。

ところが僅か 3,980円の格安デジタルアンプ、価格を遥かに超えた音を出します。本当に恐るべし、中華製格安オーディオ製品という感じです。

NR1609は後継のNR1710が出た時にヨドバシカメラさんが在庫処分として投げ売り(39,800円で10%ポイント)した時に入手しているのですが、音が良い(Pure Directモード)のでテレビ音声用としてだけ使うには勿体無いと、中華製デジアンとのコンビで純粋に音楽をも楽しんでいるわけです。MENUETも購入当初と違い、ほぼエージング(メーカーは100時間鳴らし込めと)が済んでいる今はFX202Aとのコンビで本当に良い音を出してくれています。スピーカーの間に液晶テレビがあるという悪条件にも関わらず。

さあ・・・聴くぞ!っという時はアキュフェーズで組んでいるメインシステムで聴きますが、肩肘張らず気軽に聴きたい時はこれらのシステムで楽しんでいます。

中華製デジタルアンプ、そして中華製USB-DAC、私にとっては強烈なディープインパクトでした!(^。^)

2019年8月 7日 (水)

アキュフェーズ AD-50

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Accuphase AD-50

これはフォノイコライザーを搭載していないアキュフェーズ製のプリアンプやプリメインアンプ(最近のアンプはすべて)などでアナログレコードを聴く際、アンプのオプションスロットに搭載(差し込み式)出来るフォノイコライザー・アンプです。パソコンにグラフィックボードなどを装着するような感じです。

私が以前使っていたアキュフェーズさんのプリアンプ C-200、プリメインアンプ E-306は古い製品だった事もあり、フォノイコライザーは搭載していたモデルだったのですが、それとは別に日本マランツ製の単体フォノイコライザーアンプも所有していました。そのマランツ製のフォノイコライザーアンプを今年購入したプリアンプ C-2150に繋いでアナログレコードの音を確認する程度聴くくらいで。

しかし、アキュフェーズ純正のフォノイコライザーでアナログレコードを聴いてみたい衝動に駆られ、C-2150入手後しばらくしてから上記ボードを購入してみたわけです。アキュフェーズさんには単体のフォノイコライザーアンプ C-37という製品があるのですが、高価過ぎるので現状では手が出ません。なので、こちらのボードで聴いてみる事に。

で、最初の一枚としてお気に入りのアナログレコードを再生してびっくり仰天! マランツ製フォノイコライザーアンプを通した音と違い過ぎるのです。情報量が増え、レンジが上にも下にも広がって同じアナログレコードとは思えない変化。マランツ製はさすがに今となっては古い製品ですが、購入価格はそれなりに(購入当時としては)高い製品だったのに・・・という思い。

この純正アナログ・ディスク入力ボードで聴くレコードの音に魅せられ、残しておいたアナログレコードをあれこれ引っ張り出しては聴いています。この数年で2,000枚以上のアナログレコードを手放しましたが、それでもまだ手元には500枚近く残っています。(笑)

処分する際、厳選に厳選を重ねて残したレコード群ですが、日頃聴く機会の多いのはやはりハイレゾやCDをリッピングしたファイル再生とSACDです。残したレコードもすべて手放すか・・・と逡巡していたのですが、入手したAD-50で聴いてみて考えが変わりました。(笑)

AD-50の音の良さに聴き惚れ、以前聴いたままほとんど死蔵していたアナログレコードが生き返りました。更には実に久しぶりと申して良いでしょう、何とアナログレコードを買ってしまったのです。(^^;

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wallflower/DIANA KRALL

夢のカリフォルニア
デスペラード
ウォールフラワー
言い出せなくて
オペレーター
他 全12曲

ダイアナ・クラール(ヴォーカルとピアノ)

米Verve 0602537905928(アナログレコード 2枚組 輸入盤)

それがこれ。ジャズヴォーカル界の女王、ダイアナ・クラールがポップス曲をカヴァーしたアルバムです。手持ちのCD(リッピングファイル)と被らないアナログレコードという事で購入してみました。

自宅で開封してレコードを出してみたら、180g相当の重量盤でした。元の録音は多分デジタルでの収録かとは思いますが、初めてアナログレコードで聴くダイアナ・クラールもなかなか良いものです。

何よりCDの小さなサイズと違い、大きなジャケット(写真)とズシリと来るアナログレコードの良さを再び味わっています。(^^)

そうそう、AD-50を通して聴くスーパー・アナログ・ディスク・シリーズ(キングレコード)がまた素晴らしいので、いずれご紹介したいと思います。

より以前の記事一覧