2009年11月 2日 (月)

007/消されたライセンス

Licence

007/消されたライセンス 1989年 米英合作
(原題 License to Kill)シリーズ第16作

監督 : ジョン・グレン
音楽 : マイケル・ケイメン、主題歌 : グラディス・ナイト
出演 : ティモシー・ダルトン、キャリー・ローウェル、ロバート・ダヴィ、タリサ・ソト、ロバート・ブラウン、デスモンド・リュウェリン、ペドロ・アルメンダリス Jr. 他

ロジャー・ムーアの後を引き継いだ四代目ジェイムズ・ボンド、ティモシー・ダルトンの007映画。しかしこの作品後、ダルトンはボンド役を下りてしまうわけで、結局前作「リビング・デイライツ」との2本を演じただけ。本国イギリスで評判がイマイチだったらしいのですが、当時存命中のダイアナ妃が「シリーズ最低のボンド」と言ったとか言わなかったとか、これが原因で僅か2本でダルトンは下ろされた、などと漏れ伝わっていましたが、実際のところは分かりません。

しかし私はダルトンのボンド、結構好きなんですよね。ロジャー・ムーアこそシリーズ最低のボンド役と思っている私としては、ショーン・コネリー的男臭さが溢れたボンド役だと思います。ただコネリーほどのスマートさはないですが。その代わりコネリー時代のような緊張感が映画に出ていたように感じています。

ストーリーの方はイアン・フレミングの原作を一通り映画化し終わったため、この作品からはまったくのオリジナル・ストーリー。しかしながら以前映画化した「死ぬのは奴らだ」の原作でカットされたエピソードを使ったり、短編「珍魚ヒルデブラント」から登場人物を持って来たりと、ところどころフレミングの原作を挿入しています。

長年の親友、フェリックス・レイターと共に麻薬王サンチェスを捕えたものの、麻薬捜査官キリファーの裏切りでサンチェスは護送車から逃げてしまう。そのサンチェスは報復として挙式を挙げたばかりのレイター夫妻を襲い、妻デラを殺害し、レイターには鮫に襲わせて瀕死の重傷を負わせる。

帰国の途についていたボンドは空港でこの事を知り、レイターの家に急行するが、そこで見たものはすでに死亡している新妻デラと、足を鮫に食いちぎられたレイターだった。ボンドは上司Mから別件任務を命ぜられるものの、命令に背いてレイターの復讐に走る。よってボンドはMから「殺しのライセンス」を剥奪され、英国情報部員としての資格も失ってしまう。

しかしながらMの秘書マネーペニーや秘密兵器係Qの協力を得てサンチェスの本拠、中南米へと潜入し、サンチェスの足下に潜り込む事に成功する。そこで見たサンチェスの麻薬密輸方法とは? 更には香港の麻薬取締官も入り込んでおり、果たしてボンドはレイターの復讐を遂げる事が出来るのか?

とまぁ、大筋はこういったところですが、前述した原作「死ぬのは奴らだ」からのエピソードとは、レイターが鮫の生贄にされるシーンなんです。で、この映画が撮影された頃は南米コロンビアからの麻薬密輸(米国などに)が世界のニュースとして話題になっていた時代で、サンチェスもコロンビア辺りの麻薬王という設定です。

また、この映画で中南米の某国大統領を演じていた俳優さんはペドロ・アルメンダリス Jr.という人なんですが、この名前を聞いて「アッ!」と思った人は相当な007マニアですね。(笑)
そうです、「ロシアより愛をこめて」でボンドに協力するトルコ支局の局長、ケリム・ベイを演じたペドロ・アルメンダリスの息子さんなのです。お父上は「ロシアより愛をこめて」を撮影中、すでに癌に冒されていて、撮影終了後拳銃自殺しています。

さてこの映画のクレジットタイトル、カメラファンは大注目ですよ。冒頭でオリンパス OM-4がどアップで写されますので。恐らく当時、大変な宣伝効果だったのではないかと思います。

僅か2本で下ろされてしまったダルトンのボンド役、前作「リビング・デイライツ」もストーリーはなかなかの出来でしたので、勿体なかったですね。常に冷静に動き回るボンドを演じており、そういう意味ではコネリーのボンドに共通するものがあると思います。ロジャー・ムーアのボンドはただコミカルなだけで、全然緊張感を感じるキャラクターではなかったですから。また脚本も漫画的ストーリーで駄作の繰り返しだったですね。ちょっと手厳しいかな?(笑)

2009年10月23日 (金)

映画「サウンド・オブ・ミュージック」

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サウンド・オブ・ミュージック
アメリカ映画 1965年公開 20世紀フォックス配給

出演 : ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー、エリノア・パーカー、リチャード・ヘイドン、他
脚本 : アーネスト・レーマン
音楽 : リチャード・ロジャース、オスカー・ハマースタイン二世、アーウィン・コスタル
監督 : ロバート・ワイズ

この有名な映画、実は私、劇場で見た事がないのです。 恥ずかしながら十数年前、テレビ放送で初めて見まして、大いなる感動を受けました。早速ビデオソフトを買いまして、益々この映画が好きになり、もう何度となく見ております。

最近、と申しましても何ヶ月も経ちましたがWOWOWでハイビジョン放送がありまして、当然の事ながらブルーレイ・レコーダーに録画し、より高画質でこの映画を楽しめる事となり、感激しております。

ストーリ自体は実話を元にしたもので、映画の主役となるマリア・フォン・トラップが書いた自叙伝を映画化しております。

第二次大戦が勃発した頃のオーストリア、ザルツブルグ、尼僧として修行中の身だったマリア(ジュリー・アンドリュース)は、妻を亡くしながらも男手ひとつで7人の子供を育てているフォン・トラップ大佐(クリストファー・プラマー)の家へ家庭教師として派遣される。非常に厳格な父トラップと子供たちの教育に関して意見が食い違いながらも、子供たちとは心の結び付きが強くなる。

しかしトラップ家に忘れられていた音楽をマリアが子供たちに教えて行く姿を見て、トラップ大佐も子供たちへの自分の教育が間違いだった事に気づき、マリアとトラップ大佐はいつしかお互いに心惹かれるようになるのですが、或る日トラップ大佐の元へ召集令状が。オーストリアを併合したナチスを嫌うトラップ大佐はさて・・・。

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誰でも知っている「ドレミの歌」が歌われるアルプスのシーンです。子供たちに音楽はドレミファソラシドから始まる事を教えるマリア。ジュリー・アンドリュース、美人で声が綺麗で歌も上手い、天はジュリーに二物も三物も与えましたね。(笑)

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私の好きな曲、「ひとりぽっちの羊飼い/Lonely Goatherd」が歌われる操り人形劇のシーンです。この映画の挿入歌はどれもみな楽しい曲ばかりで嫌いな曲などありませんが、「私のお気に入り/My Favorite Things」はジャズ界の巨人、テナーのジョン・コルトレーンがコンサートで良く採り上げた曲で、録音も幾つか残っています。

映画の冒頭、マリアがタイトルソングをアルプスの雄大な景色をバックに歌うところが良いですね。上空からカメラがずっとアルプスを流して行くと、遠くにいたマリアがどんどん近付いて来てアップになった瞬間「The Sound of Music」を歌うのですが、素晴らしいイントロダクションだと思います。

その他「もうすぐ17歳/Sixteen Going on Seventeen」を歌うリーズル(シャーメイン・カー)、子供と大人の端境期を繊細な気持ちで表現する歌が見事ですし、トラップ家のパーティで子供たちが歌う「さようなら、ごきげんよう/So Long, Farewell」も楽しいです。

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そしてなんと言っても私が一番好きな曲が「エーデルワイス/Edelweiss」です。ナチスの憲兵たちに見張られながらザルツブルグ音楽祭でエーデルワイスを歌うトラップ・ファミリー合唱団。

トラップ大佐がソロで歌い始めるのですが、自分の祖国オーストリアを捨てて脱出する計画を立てているため、途中で胸がいっぱいになり声が出なくなると、舞台袖からマリアが歌いながらトラップ大佐に寄り添い、子供たちも廻りを囲みます。観客席の人たちも思わずエーデルワイスを一緒に合唱するこのシーン、何度見ても胸が熱くなっちゃいます。

私はこの夏、立山で初めてエーデルワイスを見たわけですが、白く小さな可憐な花で、思わずこの映画を思い出してしまいました。
ホントに何度見ても感動するミュージカル映画の大傑作だと思います。

2009年7月16日 (木)

007/ロシアより愛をこめて

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「007/ロシアより愛をこめて」 1963年 イオン・プロ製作

原作 : イアン・フレミング
監督 : テレンス・ヤング
音楽 : ジョン・バリー、主題歌 : マット・モンロー
出演 : ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ、ロバート・ショウ、ロッテ・レーニャ、ペドロ・アルメンダリス 他

イオン・プロ製作による映画は22本になりますが、シリーズ第2作の本作品がもっともスパイ映画らしさが出ていると思います。ちなみに原作である小説を書いている作家、イアン・フレミングは英国海外秘密情報部(現MI6)で実際にスパイ活動をしていた人で、引退後、自身の経験などをもとに007シリーズとなったスパイ小説を書き残したのです。それがハリー・サルツマンとアルバート・R・ブロッコリの目に留まり、一本(カジノ・ロワイヤル)を除いて二人が映画化の権利を得たわけです。

小説の冒頭でフレミングは以下の事を記しています。

この小説の事件はともかく、背景の大部分は正確な事実にのっとっている。スメルシュは今日も実在しているし、ソ連政府でいちばん秘密にされている部だ。この本が書かれた1956年はじめ、本国ならびに海外におけるスメルシュの勢力は四万人ぐらいで、グルボザボイシコフ将軍がその長になっている。この将軍の人相その他についてのわたしの描写は正確だ。
現在スメルシュの本部は、この本の第四章に書いたとおり、モスクワのシレテンカ通り13番地にある。会議室のようすも事実に忠実に描写したし、そのテーブルを囲んだ各情報機関の長たちも、この物語の場合と同じような目的で、ちょくちょくその部屋に召集される実在の官僚たちである。 1956年3月 イアン・フレミング

と、あります。スメルシュとはスマイエルチ・シュピオナム(スパイ死すべし)を詰めた言葉で、フルシチョフ首相によって解体され、改めて「KGB」が組織されたそうです。スメルシュはソ連にとって敵対する人物を抹殺する機関だそうで、映画だけの作られた話しではなかったのです。イアン・フレミングの小説はCIAの長官その他の人たちも、当時の実在の人物名を使っているので、実にリアルなスパイ小説となっています。私も小説を読んで、初めて各国のスパイ機関が実在しているのだと知ったくらいです。怖~・・・。

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間単に本作のストーリーを述べますと、犯罪組織「スペクター」はノオ博士(第1作)を抹殺したボンドに復讐するため、スメルシュからスペクターに寝返っているローザ・クレッブ大佐に、ボンドを辱しめて抹殺する事を命じる。イスタンブールのロシア領事館に勤務しているタチアナ・ロマノヴァが、資料の写真を見てボンドに一目惚れ。自分をロンドンに亡命させてくれるなら、手土産に最新暗号解読機「レクター」を持参するとの事。罠と分かりつつ、暗号解読機が喉から手が出るほど欲しい英国情報部は、ボンドをイスタンブールに派遣する。果たしてボンドは無事にレクターを手にする事が出来るのか・・・。

久しぶりに原作を読み直したのですが、映画は実に忠実に原作を映画化していますね。原作と映画が大きく違うところを挙げておきますと、原作はボンドを辱しめて抹殺しようとしているのはスメルシュですが、映画では犯罪組織「スペクター」がスメルシュとの間に入ってボンドを辱しめて抹殺しようとしているところですね。
それと映画ではオリエント急行から脱出したボンドとロマノヴァがモーターボートを使ってベニスに逃れようとしますが、原作ではこのシーンはまったくありません。映画的効果を考えた脚本家の勝利ですね。

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映画を初めて日本公開しようとした時、原題の「ロシアより愛をこめて」ではスパイ映画らしくないという事で、当時のユナイト映画日本支社に勤務していた故水野晴郎(後の映画評論家)さんらが考えた邦題が「007/危機一発」だったそうです。「一発」は本来なら「一髪」ですが、これも「一発」の方がスパイ映画らしいという事でわざと変えたそうですが、水野さんの後日談によると教育委員会から漢字が間違っているとクレームがあったそうな。(笑)
1972年、リバイバル公開された時にタイトルを原題「From Russia, With Love」に戻しております。

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この映画でボンドが原作通りアタッシェケースを携行していますが、この映画が公開されるや、ビジネスマンにあっという間にアタッシェケースが広まったそうです。そうそう、オリエント急行が有名になったのもこの映画のお陰ですね。

そのオリエント急行の中でスペクター(原作はスメルシュ)が送り込んだ殺し屋、レッド・グラントとボンドとの格闘シーンは凄いリアルですね。テレンス・ヤング監督最高の演出だと思います。カメラワークも素晴らしい! 私はこのシーンこそ自分が観て来たあらゆる映画の格闘シーンの中でも、最高のシーンだと思っております。ショーン・コネリーとロバート・ショウは本当に素晴らしい演技でした。賞賛に値します。

もうひとつ原作と映画の違う箇所、ボンドとトルコ支局のケリムが映画の看板から脱出しようとするブルガリア人の殺し屋クリレンコを射殺するシーン、原作ではマリリン・モンローの映画「ナイアガラ」の看板ですが、映画ではサルツマンとブロッコリが同時製作していた映画「腰抜けアフリカ博士」の看板に変わっており、ヒロインのアニタ・エグバーグの口からクリレンコが出て来ます。

また原作、映画とも最後にボンドとローザ・クレッブ大佐おばちゃんとの格闘がありますが、映画では毒刃を仕込んだ革靴に難渋するボンドをロマノヴァが救ってくれますが、原作では毒刃に足を刺され、ボンドは気を失って倒れるところで終わっています。その時助けに来ていたのがフランス支局の旧友ルネ・マチス。このルネ・マチスはダニエル・クレイグの「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」に登場していましたね。

ご参考までに小説の発表順は、

「カジノロワイヤル」1953
「死ぬのはやつらだ」1954
「ムーンレイカー」1955
「ダイヤモンドは永遠に」1956
「ロシアより愛をこめて」1957
「ドクター・ノオ」1958
「ゴールドフィンガー」1959
「007の冒険(短編集)」1960
「サンダーボール作戦」1961
「私を愛したスパイ」1962
「女王陛下の007」1963
「007は二度死ぬ」1964
「黄金銃を持つ男」1965

映画化は原作の順番とは随分違いますね。映画的効果の上がる作品から映画化したのでしょう。ちなみに映画で登場する組織、スペクターは原作では「サンダーボール作戦」から登場します。日本が舞台の「007は二度死ぬ」でスペクターのボス、ブロフェルドが最期を遂げますが、映画では「ダイヤモンドは永遠に」でしたね。

007を観るなら今日の「ロシアより愛をこめて」は絶対観なければいけませんよ。(笑)
ローザ・クレッブ大佐を演じているロッテ・レーニャ、もう・・・素晴らしい女優さんですね。原作のキャラクターを見事に演じております。もう、この人以外クレッブを演じられる人はいなかったのでは、と思わせる名演技です。プライベートのご主人は作曲家のクルト・ワイル。

殺し屋レッド・グラントを演じているロバート・ショウも原作通りの冷たいキャラクターで、これまた最高の演技でした。ロバート・ショウは後年、パニック映画の元祖「ジョーズ」に出演していましたから、どなたもご存知だと思います。主役のロイ・シャイダーとホオジロザメ狩りに行く際、船を出したあの人物。最後にホオジロザメに食われてしまうシャーク・ハンターを演じていた人です。レッド・グラント役とは全然違うキャラクターでしたが。

長くなりましたが、音楽を担当しているジョン・バリーがこれまた素晴らしいスコアを書いています。以後、007シリーズの音楽には欠かせない人になってしまいました。最後の作品は「リビング・デイライツ」です。007がヒットした一因にジョン・バリーの音楽があったからと言っても過言ではないでしょう。 ブルーレイディスクの画質、最近の映画かと見間違えるくらい見事な画質です。

余談ですが、この映画はソビエト連邦では上映禁止になった作品だそうです。それはそうでしょうね、スメルシュの実在の人間がそのままの名前で登場しているわけですから。

2009年6月29日 (月)

松竹映画「十五才 学校IV」 山田洋次監督作品

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松竹映画「十五才 学校IV」2000年製作

監督 : 山田洋次
脚本 : 山田洋次、朝間義隆、平松恵美子
音楽 : 冨田勲
出演 : 金井勇太、麻実れい、小林稔侍、赤井英和、秋野暢子、高田聖子、丹波哲郎、前田吟 他

学校はやだ! 制服を着て教室にいるだけでやだ! 型にハマった先生の喋り方もやだ! 何で学校に行かなきゃいけないんだ! 大人になって役に立ちそうにもない事を、何で勉強しなくちゃいけないんだ! お父さんにそう言ったら、いきなり殴られた!

主人公である中学生、川島大介(金井勇太君)のモノローグで始まるこの映画、山田洋次監督の「学校シリーズ」四部作最後の作品。シリーズとは言っても話しに繋がりはなく、第一作は以前ご紹介したように夜間中学が舞台、第二作は北海道の養護学校、第三作は職業訓練校、そして第四作のこの作品は、中学を半年も登校拒否をしている中学生がヒッチハイクで屋久島の縄文杉を見に行くストーリー。

小学校の時、教科書で見た屋久島の樹齢7千年と言われる縄文杉を見たくて家を飛び出した大介。大阪に向かう長距離トラックの運転手、佐々木(赤井英和さん)の車に乗せてもらい、道中荷物の積み下ろしなどを手伝い、更に佐々木の少年時代の話しを聞きながら、ようやく大阪に着く。

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大阪では佐々木の口利きで九州に戻る中年の女性運転手、大庭すみれ(麻実れいさん)のトラックに乗せてもらい、一路九州へ。すみれはどうして学校に行かないのか尋ねると、学校へ行く苦しみをポツリポツリと話し始める大介。九州宮崎に到着すると、大介が心配なすみれは自分の家に泊める事に。

すみれには可愛い娘が居るものの、自閉症気味の息子、認知症の母を抱えていた。自分の部屋に閉じこもっている息子を心配するすみれだが、息子は何故か大介とは心の触れ合いがあり、一緒になってジグソーパズルに熱中する。

私はこの映画の中ではすみれの家族との触れ合いのシーンが一番印象に残っています。山田洋次監督らしいタッチで「家族」を淡々と描いています。「家族愛」・・・、人が生きて行く上で、これが如何に大事かを教えてくれます。

翌日、すみれが大介をフェリー乗り場まで車で送ろうとすると、何と部屋に引きこもっていた息子が車を追い駆けて来て、大介にプレゼントを贈るのです。そのプレゼントの裏には自作の詩が書いてある。すみれは運転しながら「声に出して読んでくれん?」と言うと、大介は読み始める。その詩を聞きながらすみれは涙が止め処もなく溢れて来、車を止めて外で泣いてしまう。このシーンには観ていた私も思わず熱くなりました。

フェリー乗り場で切符を買ってあげたすみれは思わず大介を抱きしめ、「あんたに来てもらって良かったわ! ありがとネ! ホントにありがとう! 行きな!」と言って涙ながらに手を振るすみれ。

この後の大介のナレーションには笑えます。十五才の少年らしい一端を覗かせます。

ようやく目指す屋久島に到着した大介。同じく縄文杉に向かう金井真知子(高田聖子さん)と知り合い、縄文杉まで案内してもらう事に。

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屋久島の縄文杉、話しには聞いていましたが、ここまで辿り着くには大変な時間の掛かる登山なんですね。映画のストーリーを追いながら観ていて、果たして自分が行ったら縄文杉まで行けるかなぁ~・・・なんて思っちゃいました。

しかし苦労しながらようやく見る事が出来た縄文杉。山小屋で一泊し、翌朝更に先へ行く真知子と分かれ、一人下山する大介。しかし雨に祟られ、道に迷った大介は死を覚悟する事に。果たして大介は・・・? 結果は・・・笑えます。

ようやく下山した大介はふとした事から地元の老人、畑鉄男(丹波哲郎さん)の家に泊めてもらう事に。しかしこの老人の家で思わず熱くなって、博多から来た老人の息子に大介は激しく憤る。

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それがこのシーン。あまり事細かに書いてしまいますと、これからもし観てみようと思う方に失礼なので書きませんが、ここでも私は込み上げて来るものがありました。 老人の悲しみが誰にも分かると思います。

学校の授業では得る事が出来ない貴重な人生経験をした大介、今度は学校という新しい冒険の旅が始まる。

先月、この学校四部作がNHK-BSハイビジョンで放送されました。DVDで持っていましたが、ハイビジョン放送という事で喜び勇んで四本とも録画致しました。山田洋次さんの作品、観て損はないと思いますよ。私はこの作品、今回で四回目だと思います。(笑)

2009年6月20日 (土)

「007/慰めの報酬」ブルーレイ版

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「007/慰めの報酬」 ブルーレイ版
2008年 米英合作

原作 : イアン・フレミング
監督 : マーク・フォースター
音楽 : デヴィッド・アーノルド
出演 : ダニエル・クレイグ、オルガ・キュリレンコ、マチュー・アマルリック、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト 他

1月にロードショー公開された007シリーズ最新作のブルーレイ・ディスクが早くも発売されました。今回はDVD版に先駆けての発売。当然私は発売と同時に入手し、早速昨晩観ちゃいました。(笑)

で、画質なんですが、拙宅のスクリーンで観る方が劇場より高画質に感じたのですよね・・・。今回もソニーさんは相当クオリティには拘ったようですね。劇場で使われているフィルムの世代が「子」なのか「孫」なのか、はたまた「曾孫」くらいか。当然オリジナルフィルムからのコピーですから、コピーの世代で微妙に画質に違いは出ると思いますが、この辺の知識は持ち合わせておりません。

音声の方も実にリアルな音質で、狭い私の部屋が大音響に包まれ、自分がその場にいるような錯覚を覚えます。音声の方はブルーレイが登場してからの新規格、5.1ch DTS HD マスター・オーディオ(ロスレス)での収録。非常に切れの良い音です。

この映画は劇場で二回観ている事は前回のブログで書いております。したがって今回ブルーレイで観た事によって実に三回も観た事になります。(笑)
劇場で観た印象記で私はあまり評価していませんでしたが、改めて自宅で観たら、「案外良いじゃん・・・」と思ってしまいました。オープニングからエンドタイトルまで、まったく弛緩する事なく観る事が出来ました。

ただ、最初から最後までアクションの連続で、少々やり過ぎじゃないの? という気持ちは変わりません。しかしそういう中で私が一番印象に残った場面はオーストリア、ブレゲンツでのオペラのシーン。

クラシック音楽ファンなら誰でもご存知の湖上の舞台で上演される、夏のブレゲンツ音楽祭。映画ではプッチーニの歌劇「トスカ」が上演されており、演目上演中の観客席でイヤホンマイクを使って目指す相手、ドミニク・グリーンが取引をしている最中。そこへボンドがその中に割って入り、取引を中止させてしまうのですが、カメラがボンドのアクションと歌劇の舞台とを同時進行で映し出し、非常に効果があります。

舞台ではトスカがスカルピアを刺し殺すシーン、そこにボンドのアクションをオーバーラップして行くところなどは視覚的効果が大きいです。丁度プッチーニの音楽がこの歌劇の中でも一番ドラマティックな瞬間で、トスカが好きな私としては拍手を送りたい演出でした。素晴らしい!

ところで敵方ドミニク・グリーンが劇中何度も「我々」とか「組織」という言葉を発していますが、その組織の実態は今回の作品でも明らかにされていません。前作から新シリーズとなったダニエル・クレイグ版007シリーズ、もしかして原作で登場していた犯罪組織「スペクター」が再び出てくるのでしょうかねぇ・・・? スペクターというのはショーン・コネリー時代に常に登場していた組織ですが、第7作「ダイヤモンドは永遠に」が最後でした。

そうそう、先日自宅近くのレンタルショップ「TSUTAYA」さんに行ったら、新作コーナーに今回のボンドガールを演じたオルガ・キュリレンコが主役をとった映画のDVDが置いてありました。しかしその日本語タイトルを見て笑ってしまいましたねぇ・・・。で、そのタイトルとは「慰めと報酬」でした。「の」と「と」の一字違い。(笑)

特典として収録されているメイキングを見ていたら、冒頭のカーチェイスシーンでアストンマーチンを14台壊したとスタッフが言っておりました。驚きますねぇ・・・。長くなりましたが、ご覧になっていらっしゃらない方は是非一度どうぞ。

2009年6月 5日 (金)

映画「幸せのレシピ」/2007年米

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幸せのレシピ/2007年 アメリカ映画

監督 : スコット・ヒックス
音楽 : フィリップ・グラス
出演 : キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、アーロン・エッカート、アビゲイル・ブレスリン、パトリシア・クラークソン 他

ドイツ映画「マーサの幸せレシピ」を米ハリウッドでリメイクした映画。ちなみに、その「マーサの幸せレシピ」は観ておりません。私がこの映画を観る気になったのは、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが主役だったからです。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、この英国出身の女優さんを初めて見たのはアントニオ・バンデラスの「マスク・オブ・ゾロ」でした。スーパーマンと同じく映画ファンなら誰でも知っている「怪傑ゾロ」のお話しですね。この映画で見たキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、世の中にこんな綺麗な女性がいるんだなぁ・・・と感動し、以来彼女が出演している映画を時々観るようになりました。(笑)

次に観たのがトム・ハンクスの「ターミナル」。この映画は面白かったですね。彼女はCAの役で登場するのですが、どこか一本切れているような不思議なキャラクターの女性を上手く演じておりました。

さて、この「幸せのレシピ」の簡単なあらすじを。マンハッタンの高級レストランでシェフを勤めるケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は自分の料理に自信が有り過ぎるあまり、時にはレストランのお客ともトラブルを起こしてしまう勝気な女性。或る日、姉を自動車事故で失い、姪のゾーン(アビゲイル・ブレスリン)を引き取って育てる事に。しかし母を失うという精神的ダメージを受けた姪と暮らして行く事は、ケイトにとってもいろいろと難しい面も出て来て悩んでしまう。

そんな或る日、レストランにケイトとは性格が違いすぎる陽気なニック(アーロン・エッカート)が雇われて入って来る。そのニックとはしばしばぶつかり合いながらも、いつしか姪のゾーンを交えた不思議な関係に・・・。

実はこの映画を観始めて最初にキャサリン・ゼタ=ジョーンズが登場した時、「あれ? ちょっと老けたかな?」という印象を失礼ながらも感じてしまいました。調べてみたら「マスク・オブ・ゾロ」の製作年度は1998年。1969年生まれの彼女は当時29歳。「幸せのレシピ」の製作年度が2007年ですから38歳になっていたのですね。で、今年で40歳に。でも、やはりお綺麗です。

ショーン・コネリーと共演した「エントラップメント」も面白かったですよ。ショーン・コネリー、ボンド役を降りてからの活躍は素晴らしいですね。とても良い俳優さんになったと思います。「エントラップメント」はこれです。

Entrap

さて、ほぼ一年に一本の映画出演をしているキャサリン・ゼタ=ジョーンズですが、今度はどんな役でスクリーンに登場するのか、楽しみにしたいと思います。今日はややミーハーな記事となってしまいましたね。(笑)

2009年5月31日 (日)

映画「スーパーマン」 1978年米

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スーパーマン/1978年アメリカ

監督 : リチャード・ドナー
音楽 : ジョン・ウィリアムズ
出演 : マーロン・ブランド、ジーン・ハックマン、クリストファー・リーヴ、マーゴット・キダー、テレンス・スタンプ 他

テレビでトヨタのハイブリッドカー「New プリウス」のCMを偶然見たら、バックに流れている音楽が映画「スーパーマン」のテーマ音楽。軽快な音楽を聴いていたら急に「スーパーマン」が見たくなってしまいました。単純・・・。(笑)

丁度ワーナーのブルーレイソフトがなんと40%割引キャンペーン中だったのでラッキーでした。テレビで何度も放映されていますからご覧になっている方は多いと思います。製作は1978年ですかぁ・・・、もう大分前の作品ですね。主演のクリストファー・リーヴ、プライベートで乗馬をしている際、落馬して瀕死の重症を負って車椅子の生活を余儀なくされてしまい、その後残念ながらお亡くなりになってしまいました。

この第一作、スーパーマンの生い立ちを前半50分も費やして描いており、ここら辺りは少々間延びしてしまうところも。スーパーマンとして最初の活躍はロイス・レーンを助けるところから。屋上から飛び立つロイスが乗ったヘリコプターが外れたワイヤーロープに引っ掛かり、今にもビルから落ちるところ。

ヘリから落ちたロイスをスーパーマンが下から救助。それを下で見ていた通行人からやんやの大喝采。メトロポリスの街にスーパーマンが初めて登場するシーンですね。ここからスーパーマンの活躍が始まるわけです。

レックス・ルーサー役のジーン・ハックマンが愛嬌のある悪役を見事に演じていますね。スーパーマンの父親役がマーロン・ブランド。この二人に払ったギャラで映画製作費の半分以上を使ったのではないかと思ってしまいますが、実際のところはどうだったのでしょうねぇ。

2006年に製作された「スーパーマン リターンズ」はクリストファー・リーヴのスーパーマン第二作から5年後のストーリーとの事ですが、久しぶりに帰って来たら愛するロイスはすでに結婚して子供までいるのでビックリでした。(笑)

その「スーパーマン リターンズ」でスーパーマンを演じたブランドン・ラウスという人、クリストファー・リーヴに雰囲気がとても良く似ていますね。敢えてそれを狙って選んだという事でしょう。その「スーパーマン リターンズ」の続編は作られるのでしょうかねぇ・・・?

2009年5月25日 (月)

映画「ハッピーフライト」

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「ハッピーフライト」2008年11月公開

監督 : 矢口史靖
出演 : 田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、吹石一恵、寺島しのぶ、田畑智子、岸部一徳 他

「ウォーターボーイズ」、「スウィングガールズ」に続く、矢口史靖監督作品「ハッピーフライト」のブルーレイディスクが22日に発売されたので、早速購入して自宅でも楽しみました。今回発売されたディスクは三種類あり、ファーストクラス・エディションが特典盤付きブルーレイ二枚組み、ビジネスクラス・エディションが特典盤付きDVD二枚組み、スタンダードクラス・エディションが本編DVDのみ。

昨秋ロードショー公開された時に劇場で観ているのですが、大変面白い映画で、ディスクが発売されるのを楽しみにしていたのです。ストーリーはホノルル行きのチャーター便の中で繰り広げられます。たった一機の飛行機を飛ばすために如何に多くのスタッフが携わっているかが映画をご覧になって頂くとお分かりになると思います。

さて、このホノルル行きANA 1980便、離陸時にバードストライク(飛行機と鳥の衝突)に遭い、ピトー管(スピード測定器)が破損するという思わぬアクシデントに見舞われ、エア・ターン・バック(出発空港へ戻る事)を余儀なくされる。しかし羽田周辺は台風が通過するところ。1980便は無事ランディング出来るのか・・・。

矢口監督は出演者のキャラクターを非常に上手く使い分けておりますね。キャプテン、原田機長役の時任三郎さんはベテランパイロットらしくどういった状況でも落ち着いたクールなキャラクター。機長昇格のOJT(実地訓練)を受けるコーパイ(副操縦士)、鈴木和博役の田辺誠一さんは若さ丸出し、試験に余裕などあるわけなく、緊張しまくりのコーパイらしさが良く出ておりました。

国際線初の勤務となったCA斉藤悦子役は、現在人気急上昇の綾瀬はるかさんですが、もう爆笑モノでした。脳天気なキャラクターですが、失敗を鬼のチーフパーサー山崎麗子(寺島しのぶさん)に厳しく叱られ洗面所で泣いてしまうシーンでは、やはり経験浅い若い女の子ですね。そのチーフパーサー役の寺島しのぶさん、プッツンした乗客を上手くなだめるシーンではベテランCAらしさをクールに、そしてやさしく演じており、観ているこちらをジーンとさせてくれます。印象に残ったシーンのひとつです。

そうそう、飛行機撮影で有名な羽田空港の対岸、城南島で飛行機マニアのおじさん二人が撮影しているシーンが出て来るのですが、このマニアの描き方がちょっとデフォルメし過ぎじゃな~い・・・矢口監督ぅ・・・(笑)、という感じです。でも、コメディ映画ですからね、笑えます。

飛行機が好きな人も、特に好きでない人も、この映画はお薦めです。空港で働く多くのグランドスタッフがどういう仕事をしているかが良く分かります。特に整備士のスパナ一本が行方不明になったシーンでは総動員でそのスパナを探します。点検したエンジンに万が一置き忘れていたら大事故に繋がりますからね。

最後に日本映画の画質について。ブルーレイですからDVDに比較すれば遥かに高画質なんですが、アメリカ映画の高品質ディスクには日本映画が平均的に画質面で及ばないのはどうしてなのか、いつも考えてしまいます。この「ハッピーフライト」も然り。テレシネに使う機械の問題なのか、それとも技術の問題なのか、どっちなんでしょうねぇ・・・?

2009年5月18日 (月)

映画「アース」

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映画「アース」2007年 ドイツ/イギリス

監督 : アラステア・フォザーギル

地球が主人公のドキュメンタリー映画。イギリスBBC提供で、素晴らしい作品です。「ディープ・ブルー」も同系統の作品ですが、同じく大変素晴らしい作品です。

この「アース」の冒頭、次のようなナレーションが・・・、

生命を育める星は1つだけ、太陽から程よい距離に位置し、気候は理想的。その星は”幸運な惑星”と呼ばれる。約50億年前、巨大な小惑星が地球に衝突し、地球の地軸は太陽に対し23.5度傾いてしまう。この天文学的事故はまさに奇跡だった。これがなければすべては変わっていただろう。地球の傾きは季節を、暑さ寒さという気候変化を生み、壮大な景観の美を作り出した。

このナレーションと共に素晴らしい映像が・・・。そして北極圏へと映像は続き、ホッキョクグマの母子の物語が始まります。と言いますとホッキョクグマの可愛らしいドキュメンタリー映画と捉えられてしまいそうですが、現在の地球温暖化現象がこういった動物たちにまで大きな影響を与えている事をこの映画は教えてくれます。

年々、気候は温暖になり、北極の氷は減る一方だそうです。それがホッキョクグマには死活問題。氷の溶けるのが早くなったため、ホッキョクグマの足場がなくなり、餌となるアザラシを狩るのもままならなくなってしまうのです。薄くなった氷は体重の重いホッキョクグマを支えきれずに割れてしまう。

映像はもちろんホッキョクグマだけではなく、様々な動物、植物を通して美しい地球環境から変化していく地球に警鐘を鳴らして行きます。飢えたライオンたちが夜、普通は狙わない小ゾウを追い駆けるシーンは圧巻でした。

他では何千羽ものアネハヅルがモンゴルの厳しい冬を避け、暖かいインドへと旅立って行く際、世界最高峰のヒマラヤ山脈を越えて行くシーンはこれまた感動モノです。そして地球を潤す水。水が生き物にとって必要な事は改めて言うまでもない事ですが、水と動物との関係も素晴らしい映像で見せてくれます。ゾウが水を求めて何百キロも旅するとの事ですが、正直ホントかなぁ・・・なんて思うシーンも出て来ます。

このドキュメンタリーは北から南へ、美しい映像と共に地球環境を考えさせてくれる素晴らしい作品です。ラストで体重が半分まで減ってしまったホッキョクグマが普段は襲う事のない大きなセイウチの子供を狙います。しかしセイウチの大人たちは子供を囲って防御。飢えに焦るホッキョクグマはやむなく自分より大きい母親のセイウチに噛み付く。セイウチたちは結局海に逃げてしまい、餓死寸前のホッキョクグマは最後の危険な挑戦にも破れ、歩くのもおぼつかなくなり、最後を迎える。餌にありつけなければ死ぬしかないわけです。

繰り返しますが、地球温暖化で北極の氷は年々溶けるのが早くなり、多くのホッキョクグマが同じ運命をたどっているそうで、暗澹たる気持ちになりました。

映画の最後に、「現在の割合で気温が上昇し続ければ、ホッキョクグマは2030年までに絶滅する」とありました。私は見ていて「え~・・・、たった21年先の事じゃないか・・・」と愕然としました。

また海水温の上昇により、ザトウクジラなどの海洋生物を支えるプランクトンも減少しているそうです。いろいろと考えさせられるドキュメンタリー映画でした。ハイビジョン映像は大変綺麗です。バックの音楽を演奏しているのはベルリン・フィル。

2009年5月14日 (木)

映画「クライマーズ・ハイ」

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日本映画「クライマーズ・ハイ」/2008年製作

原作 : 横山秀夫
監督 : 原田眞人
出演 : 堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、山崎努、遠藤憲一、小澤征悦、他

「午後6時、羽田発、大阪行き、日航123便が羽田を立って間もなく、レーダーから消えました」という共同通信の第一報により、乗員乗客524名という日本航空史上未曾有の大惨事を国民は知る事になるわけです。

この映画は今更申すまでもなく、1985年8月12日群馬県御巣鷹山山中に墜落した日本航空123便の悲劇に、群馬県の架空新聞社の記者たちが翻弄される一週間を描いた社会派、横山秀夫氏の小説を映画化したものです。

1985年8月12日夕刻、主人公の堤真一さん演じる悠木和雅が社の山岳会メンバーのひとり、安西(高嶋政宏さん)と谷川岳衝立山への登山に向かうため帰宅しようとしたところ、社内のテレビに共同通信の速報が流されるや社内は忽ち騒然となる。悠木は社長(山崎努さん)より日航ジャンボ機墜落の全権デスクを命じられてしまうのですが・・・。

映画はこの日航ジャンボ機墜落の悲劇と同時に主人公悠木のプライベートを同時進行させてストーリーは進んで行くのですが、脇役の多かった堤真一さんが今回は主人公、悠木のキャラクターをなかなかの演技で魅せてくれます。

墜落現場で堺雅人さん演じる佐山が、地元消防団の一員から聞いた言葉が私にはとても印象に残っています。それは、「もっと早く此処へ(墜落現場)来ていたら、もう二十人や三十人は助かっていたのに・・・」という警察や自衛隊に対する怒りの言葉。

要するに夜のうちに自衛隊は墜落現場を早くも特定していたにも拘わらず、公表しなかったという事。夜が明け、明るくなってから警察と自衛隊は墜落現場を発表し、救助隊を組織したため、生存者の救助が遅くなったという事。地元消防団員は「此処は俺たちの庭みたいなものなんだから」という言葉に、やり切れない憤りをぶちまけているのです。

しかしこの映画を観て思った事は、新聞記者が如何に他社に先駆けて特ダネを新聞一面に持って来るかに命を賭けて(少々オーバーですが)いるかが分かります。ジャンボ機墜落の一報から先ず最初は墜落地点の情報をどうしたら他社を出し抜いて逸早く知る事が出来るか。次は墜落原因をこれまた他社より早く記事にする事。

墜落の原因が圧力隔壁の破壊によるものらしい・・・という情報を政府筋から入手するも、確証が取れずに記事にするか悩む悠木。この辺は記者の心理描写が絡んでなかなかの見どころです。しかし新聞の読み手である我々は、案外何処の新聞が特ダネをモノにしているかなんて気にせずに読んでいるものですけどねぇ・・・。

私は飛行機(旅客機)が好きで日本各地の空港へ写真を撮りに出掛けたりしていますが、幾ら飛行機好きとはいえ、やはり飛行機は車に比べれば極めて安全な乗り物・・・とは思っているものの、行き先の空港にランディングし、逆噴射を開始した時点で、「あぁ・・・、今回も無事到着した・・・」と、ホッとする事を正直に打ち明けます。

クライマーズ・ハイとは、登山家が登山時に興奮状態が極限まで達すると、恐怖感が麻痺してしまうという意味だそうです。

最後にこの未曾有の大惨事になった日航ジャンボ機123便の乗客のひとりに、亡き父が元気だった頃にお世話になっていた勤務先社長のご次男(保険会社勤務)がおられたそうです。大阪出張のため、このジャンボ機に乗っていたとの事でした。合掌。

2009年4月 4日 (土)

007/ゴールドフィンガー

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「007/ゴールドフィンガー」 1964年、イオン・プロ製作

原作 : イアン・フレミング
監督 : ガイ・ハミルトン
音楽 : ジョン・バリー
主題歌 : シャーリー・バッシー
出演 : ショーン・コネリー、ゲルト・フレーベ、オナー・ブラックマン、ハロルド坂田、シャーリー・イートン、バーナード・リー 他

007シリーズ旧作品がフルハイビジョン収録によるブルーレイ・ディスクで順次発売されており、先月末に発売された3作を加えるとこれで計9作になった。「カジノロワイヤル」も含めると10作品をブルーレイで観る事が出来ます。

今回発売された3作の中に表題の「ゴールドフィンガー」が入っているのですが、ブルーレイで観るこの作品、およそ1964年製作とは思えないほどの高画質。いや~・・・驚きました。特に明るいシーンなどでは最近撮影された作品、といっても通用するような映像で、5.1ch DTS-HDにリミックス仕直された音声(公開時はモノラル)も良く、まったく弛緩する事なく全編を一気に観てしまいました。

私はシリーズ全作を観ていますが、この「ゴールドフィンガー」は全シリーズ中、三本指に入る傑作だと思っています。「野生のエルザ」でアカデミー作曲賞を受賞しているジョン・バリーによる音楽もまた最高に素晴らしい。主題歌を歌っている黒人歌手、シャーリー・バッシーのダイナミックな歌唱もこれまた作品にピッタリで、お馴染みモーリス・バインダーによる素敵なクレジット・タイトルシーンと合わせて文句ナシ。100点満点。(笑)

テレビでも何度か放送されていますので簡単にストーリーを紹介しますと、金の密輸をしていると思われるオーリック・ゴールドフィンガー氏を調査するよう命じられたボンドは、ゴールドフィンガーを追ってスイスへ。しかしゴールドフィンガーの冶金工場に潜入したものの捕らえられてしまう。その後、ゴールドフィンガーの牧場で知った情報とは、アメリカ政府が所有する金塊の保有庫「フォート・ノックス」を襲い、そこで核爆弾を爆発させ、アメリカ政府の金塊を核汚染させる事だった。それによって自分が所有する金の市場価格を上げる事が狙い。さてボンドは・・・。

この作品、ボンドガール役のオナー・ブラックマンもとても魅力的ですし、ゴールドフィンガーのボディガード役、ハロルド坂田のキャラクターも傑作です。そうそう、オナー・ブラックマンは映画出演時、調べたらなんと37歳! 「え~・・・!」という思いです。30歳くらいかな、と思っていたので。ですからショーン・コネリーより数歳も年上だったのですね。いやビックリ!

何よりゴールドフィンガー役のドイツの名優、ゲルト・フレーベも原作のキャラクターにピッタリです。ちなみにゲルト・フレーべはまったく英語を話せないそうで、セリフはすべて吹き替えだったそうです。これにはさすがに驚きました。映画を観ていてまったく違和感がないですから。この事を知ったのは数年前に入手したDVD版の特典映像の中で語られていたからです。教えられなければ吹き替えだった事は先ず分からないと思います。

そしてボンドカーとして初登場したアストンマーチン DB5が最高にカッコいいです。余談ですが今回解像度の高いブルーレイ・ディスクを観て初めて気が付いた事があります。それはこのDB5、スイス山中で駐車し、眼下にゴールドフィンガーを観察するシーンで気が付いたのですが、DB5の左ドアに車を擦った事による長い線傷がありました。更にゴールドフィンガーの冶金工場近くに車を止めたシーン、右フェンダーにこれまたぶつけたと思われる凹みが見えちゃいました。(笑)

今までLDやDVDで観ていた時にはこういった粗はまったく気が付きませんでしたので、改めてブルーレイ・ディスクの高解像度に驚かされます。狭い部屋で80インチのスクリーンにフルハイビジョン・プロジェクターを投射して観ていますが、もう大満足です。残りの作品も早く発売されないかなぁ・・・と鶴首して待っている状況です。でも、ロジャー・ムーアの作品はあまり観たいとは思わないです。(笑)

2009年2月22日 (日)

松竹映画「遥かなる山の呼び声」 山田洋次監督作品

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松竹映画「遥かなる山の呼び声」 1980年作品

監督 : 山田洋次
原作 : 山田洋次
脚本 : 山田洋次、朝間義隆
音楽 : 佐藤勝

出演 : 高倉健、倍賞千恵子、吉岡秀隆、ハナ肇、武田鉄矢、渥美清 他

え・・・、またまた山田洋次監督作品のご紹介。

先月、WOWOWで山田洋次さんの旧作品数本がハイビジョン放送されまして、私は狂喜してブルーレイ・レコーダーに録画しました。山田作品はまだ一本もブルーレイソフトで発売されておりませんので、今回の放送は大変嬉しかったです。

山田作品、初期の作品はリアルタイムで劇場鑑賞出来ませんでしたので、テレビ放送で観てDVDを買う、というパターンも何回かあります。この作品は日本アカデミー賞の各部門を総なめにした「幸せの黄色いハンカチ」に続く、高倉健さん、倍賞千恵子さん主演による作品。タイトルからお分かりのように西部劇映画の傑作「シェーン」を下敷きにした作品です。

ストーリーは北海道・中標津で亡き夫の残した酪農を風見民子(倍賞千恵子)と長男 武志(吉岡秀隆)は細々と営んでいた。風雨の激しい春の或る夜、一人の男が風雨をしのぐため、軒下で良いから一夜泊めて頂きたいと来る。丁度牛のお産にぶつかり、男はお産を手伝った翌朝、去って行く。

そして北海道の短い夏が来ると、民子のもとへ春のあの男が再び訪れる。男は田島耕作といい、給料は要らないから自分を此処で雇って欲しいというのである。民子には思いもよらない事を言われ、耕作に警戒しながらも人手が欲しいので渋々雇う事に。耕作は馬小屋で寝泊りしながら民子にちょっかいを出す虻田(ハナ肇)をあしらったりしながら、徐々に民子、武志と打ち解けて行く。

息子武志は民子が入院している間にすっかり耕作に懐いてしまうのですが、民子自身も実直な耕作に少しずつ惹かれてしまっている事に気が付く。しかし、草競馬大会に民子の馬で出場した或る日、ふたりの刑事が耕作のもとへ・・・。

多くの名作を撮っている山田さんの作品、私にとってのベストワンはこの作品です。「家族」も良いし、もちろん「幸せの黄色いハンカチ」も素晴らしい。学校シリーズも好きだし、最近の時代劇三部作も良かった。「なつかしい風来坊」も大好き。何より寅さんシリーズにも素晴らしい作品がありますが、多くの山田作品から一本を選びなさい、と言われたら迷う事なく私はこの「遥かなる山の呼び声」を挙げます。

「暗い過去のある男」を演じさせたら高倉健さんの右に出る役者さんはいないでしょうね。何か曰くのありそうな寡黙な男、こういうキャラクターは高倉健さんにピッタリ! 今回の作品は狂言回し的役を演じているハナ肇さんも上手いですね。そして武田鉄矢さん、役者としての素質を見出してくれたのが山田洋次監督ですが、前作「幸せの黄色いハンカチ」に引き続いての出演。民子の従弟役でチョイ出演していますが、明るいキャラクターが民子の心を和ませてくれるのです。

そうそう、寅さんシリーズの渥美清さんも本当にチョイ役で特別出演しております。

その寅さんシリーズで寅さんの甥っ子 満男役や、人気テレビドラマ「北の国から」の純君役ですっかり有名になってしまった吉岡秀隆さんも、民子の息子 武志を好演しています。倍賞千恵子さんは私の好きな女優さんで、今回の民子役も素敵ですね。この作品も何回となく観ていますが、何回観ても良い作品は飽きないです。

この映画のラストシーンは大変印象的ですが、後にテレビ放送で観た「なつかしい風来坊(ハナ肇主演)」のラストシーンが、「遥かなる山の呼び声」の原型だったんだぁ・・・と知る事になりました。

是非、多くの人に「遥かなる山の呼び声」をご覧頂きたいと思います。DVDでも発売されておりますので、レンタルでも観る事が出来ますよ。
来月9日にWOWOWで再放送されますが、今度は残念ながらハイビジョン放送ではありません。

2009年2月 2日 (月)

映画の日

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昨日の日曜日は「映画サービスデー」だった事をご存知でしたでしょうか? 毎月一日は映画館の入場料が1,000円の均一料金になるのですね。で、私は先週観た「007/慰めの報酬」に納得が行かなかったので、このサービスデーを利用して今一度観に行って来ました。「物好きなやつだなぁ・・・」と言われてしまいそうですが。(笑)

昨日は地元横浜で観たのですが、スクリーンサイズは先週入った「新宿ミラノ座」の半分くらい(多分、面積は半分以下)しかなく、「まぁ、1,000円だから仕方ないか・・・」と納得するように致しました。(笑) もちろん昨日は「新宿ミラノ座」も1,000円ですよ。

人生、知らない事が幸せな時もありますが、「新宿ミラノ座」のスクリーンサイズを知っている自分としては、横浜のサイズは物足りませんねぇ・・・。同じ料金を払うのだったら、やはり大きなスクリーンで観たいです。映画ですから。視野角だけだったら自宅で観ている方が広いのです。

さて、「映画の日」とは、神戸市に於いて日本で初めて映画が公開されたのを記念して設けられた日で、一応記念日は十二月一日になっているようですね。現在では毎月一日を「映画の日」、或いは「映画サービスデー」と称して一律1,000円で映画を観られるようにしてくれている、映画ファンには有難い日なんです。

しかしいくら1,000円と言えども、一日が皆さんそれぞれの休みに当たっていないとなかなか利用出来ないですよね。幸い来月も一日は日曜日です。お休みの方は是非利用してみて下さい。その他、劇場によっては「レディースデー」とか、「カップルの日」、「ご夫婦の日」などと称して、特定の曜日とか日付で1,000円サービスをやっているところもありますね。雨が降るとサービスデーになるところも。

これらのサービスは映画離れが叫ばれてから久しいですから、少しでも観客を呼ぶためのサービスなんでしょうね。
今日の写真は映画とは何の関係もありません。写真がないと寂しいかな、と思いましたので。

DATA : HASSELBLAD SWA + Biogon 38mm/f4.5, Kodak T-MAX 400

2009年1月27日 (火)

「007/慰めの報酬」 2008年 イオン・プロ製作

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「007/慰めの報酬」 2008年英・米合作

監督 : マーク・フォースター
音楽 : デヴィッド・アーノルド
原作 : イアン・フレミング

出演 : ダニエル・クレイグ、オルガ・キュリレンコ、マチュー・アマルリック、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト 他

先週末(24日)から全国一斉に007シリーズ最新第22作が公開されました。大の007ファンの私は公開と同時に直ぐ観に行って来ました。劇場はわざわざ「新宿ミラノ座」まで出掛けています。此処は現在日本一の劇場で、スクリーンサイズは20.2mx8.85mという大きなもの。シネラマ方式を思わせる大きなスクリーンは左右が手前に大きく湾曲しております。お金を払って観る以上、私は出来るだけ大きなスクリーンと音声の音質に拘ってしまうのです。(笑)

今回のストーリーは前作「007/カジノ・ロワイヤル」のエンディング一時間後から話はスタートします。ですから前作を観ないでこの作品を観ると、半分以上訳の分からない映画になってしまいますから、是非前作をご覧頂いてから劇場へと足を運んで下さい。

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ボンドとカミーユ(オルガ・キュリレンコ)

前作でボンドが初めて愛した女性、ヴェスパー・リンドが何故自分を裏切ったのか、何故自ら死を選んだのかを追求するため、彼女を操っていたミスター・ホワイトを捕らえるが、その後ろにいた南米の或る政府を転覆せんとする実業家、ドミニク・グリーンの陰謀と存在を知る事となる。そのグリーンには米CIAも絡んでいたのである。

ボンドはMから命じられた任務を遂行しながらも、復讐を果たすためグリーンに接近すると、同じく母と姉をレイプ後に惨殺された復讐のため、グリーンと取引をしようとしているボリビアの元独裁者、メドラーノ将軍を狙うカミーユ(オルガ・キュリレンコ)と知り合う。果たしてボンドの復讐相手はグリーンなのか、他にいるのか・・・?

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ボンドとM(ジュディ・デンチ)

さて、今回の上映時間はなんと 1時間46分という、シリーズでも珍しい短さです。前作「カジノ・ロワイヤル」が2時間20分ほどでしたから、ストーリー的にはかなり凝縮されており、ほとんどアクション・シーンばかりで映画はポンポンと進んで行く。カメラワークも大変忙しくカット割が変わるので、目も眩む速さ。(笑)

ハッキリ申しまして、「007映画」を観ているという感触は皆無です。まぁ、前作でそれ以前の20作とは決別しての新シリーズ、という事でスタートしたそうですから、あまり懐古趣味に走ってもいけないのかもしれない。保守的な私は007シリーズといえば冒頭、ジェイムズ・ボンドのテーマに乗って、例のガンバレル・シークエンスから始まってもらわないと・・・。しかし残念ながら今回もお馴染みの冒頭シーンはありません。さらに劇中でも同テーマが流れてくれませんとね・・・。007映画ですから。(笑)

本作も前作同様、ボンドが自身の肉体を使ったアクションの連続。しかしまるでボンドがスーパーマンになってしまったかのようで、強過ぎる。(笑) そして容赦なく次々と出会う相手を殺してしまうので、MI-6の殺し屋的キャラクターで、従来のイメージからすると少々戸惑ってしまう。余談ですが、今回ボンドが使う拳銃、久々に懐かしいワルサー PPKです。やはりボンドにはワルサー PPKですね。(笑)

いろいろと不満のあった本作ですが、唯一従来のボンドガールのイメージとは違うカミーユ役のオルガ・キュリレンコ、彼女の眼力の凄さが印象に残っています。ボリビアの元諜報員という設定ですから、申し分ないキャラクターでした。ウクライナ出身だそうですが、とても魅力的な女優さんでした。あははは。

南米の一国を転覆せしめんとする実業家、ドミニク・グリーンを演じているフランス出身のマチュー・アマルリック、この人は申し訳ないですがミスキャストに感じましたね。喜劇役者のような顔立ちは、どうしても設定されたキャラクターとは相反する三枚目に見えてしまいました。

五代目ボンド役、ピアース・ブロスナン時代からMI-6の最高責任者「M」を演じているジュディ・デンチですが、前作も含め、やたらとヒステリックに怒鳴りまくっているキャラクターでして、冷静沈着なキャラクターだったバーナード・リーのMが懐かしいです。またMの秘書、マネーペニーとボンドのウィットにとんだやりとりも見られませんので、これもファンとしては物足りないですね。

そうそう、或るワンシーン、大分前の作品ですが、「007/ゴールドフィンガー」とそっくり同じシーンが出て来ます。私は思わず内心「アッ!」と思いましたから。この辺はスタッフの悪戯心でしょうね。これは観てのお楽しみ。(笑)

最後に私が100点満点で採点を付けるとすれば・・・、
単なるアクション映画として捉えれば90点。
007シリーズとして捉えると・・・・20点です。(笑)

2009年1月24日 (土)

「ダークナイト」 2008年アメリカ映画

Batman

映画「ダークナイト」 アメリカ映画 2008年製作

監督 : クリストファー・ノーラン

出演 : クリスチャン・ベイル、ヒース・レジャー、マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、マギー・ギレンホール 他

収録音声 : ドルビーTrueHD5.1ch

ご存知、バットマン映画で前作「バットマン・ビギンズ」の続編だそうです。しかし「バットマン・ビギンズ」は見ていません。さらにこの「ダークナイト」も劇場では見ていないのです。で、ブルーレイ・ディスクで発売されたものを購入したのですが・・・、そもそも購入してみようと思ったのは映画そのものが面白い、と人づてに聞いたりとか映画雑誌の評論を読んで面白そうだから購入したのではないのです。

じゃぁ、何故ディスクを購入する気になったのか? 実は某雑誌の画質、音質レヴューを読んでみると、かなりの高画質、高音質らしい。その評価に興味を持ち、購入した次第。言ってみれば音楽CDを演奏の内容と関係なしに音が良いよ、と言われて購入するのと変わりがない実に不純な購入動機でした。(笑)

ところが映画冒頭から今後の展開に興味を持たせる実に上手いカメラワークと導入部。結局映画そのものもなかなか面白くて、一気に2時間半もの長さなのに見てしまった。雑誌の評価通り、画質は惚れ惚れするくらい高画質でした。そして何より感心したのが音楽と擬音が一体となったサラウンド音声の作りがお見事でした。計算され尽くした5.1チャンネルの音楽と音響によるHD音声が私の狭い部屋を包んでしまい、さながらミニシアターになってしまった。その音響に包まれているのが実に心地良かったです。サブウーファーが大活躍です。(笑)

さて、映画のストーリーは犯罪事件が後を経たないゴッサム・シティをバットマンがジム警部補、デント検事らの協力を得て悪を退治して行くものの、ジョーカーと名乗る狂気を帯びた犯罪者の登場で一気に地獄絵図になるゴッサム・シティ。このジョーカーを演じるヒース・レジャーは主役バットマンを食ってしまうほどの演技で、凄い迫力ですね。メーキャップも迫力充分!

映画の終盤には「スターウォーズ」を思い起こさせる人間の深層心理に棲む、「悪の世界、暗黒の世界」に言及し、ジョーカーによってその深層心理を引き出されてしまうデント検事。映画を見る前はバットマン映画ですから単なるヒーロー映画と思っていたのですが、なかなか深いテーマが出て来たりして、少々意外でした。

映画の最後、バットマンを「ダークナイト(暗黒の騎士)」と言うセリフが印象に残った映画でした。

2009年1月17日 (土)

松竹映画 「母べえ」 山田洋次監督作品

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松竹映画 「母べえ」 2008年1月公開

監督 : 山田洋次
原作 : 野上照代
脚本 : 山田洋次、平松恵美子

出演 : 吉永小百合、浅野忠信、坂東三津五郎、壇れい、志田未来、佐藤未来、笑福亭鶴瓶 他

現役の映画監督でもっとも尊敬する人が山田洋次さんだという事は、もう何度も本ブログで書いておりますのでご存知の事と思います。この「母(かあ)べえ」は黒澤明監督作品のスタッフの一人、野上照代さんの自伝を山田監督が映画化した作品です。劇場公開は昨年一月。すでにDVDでも発売されております。

昭和15年の東京、一家四人の野上家、夫・滋(坂東三津五郎)、妻・佳代(吉永小百合)、長女・初子(志田未来)、次女・照美(佐藤未来)はお互いに「父べえ」、「母べえ」、「初べえ」、「照べえ」と呼び合い、毎日地味ながらも幸せな日々を過ごしていた。ところが冬の或る日の早朝、ドイツ文学者の父べえが治安維持法違反により、土足で踏み込んで来た特高(特別高等警察)に検挙され、投獄されてしまう。二人の小さな子供たちの前で縄を掛けられ連行される父べえ。

翌昭和16年、初めて迎える父べえのいない母子三人の正月。しかし母べえは希望を持ち続けながら献身的に我が子二人を育てて行く。そんな中、広島(この出身地が後に悲劇を呼ぶ)から久子叔母さん(壇れい)が来、更には父べえの教え子、山崎(浅野忠信)も野上家に来て健気な母べえと二人の子供たちを支えてくれるのです。

昭和16年12月8日、日本は太平洋戦争へと突入し、いよいよ激動の日々を迎える。そして野上家は思わぬ悲劇へと向かう事に・・・。

山田洋次さんはこの作品で当時の間違った国策と戦争のために悲しくも分断されてしまった家族愛(これは山田さんいつものテーマ)を、そして在り来たりの事かもしれませんが醜い戦争が、如何に多くの悲劇を招いていたかを描いています。今回の作品、子供たちの叔母、久子を演じている壇れいさんと、父べえの教え子山崎を演じている浅野忠信さんが重要な役割ですね。

壇れいさんは山田さんのひとつ前の作品「武士の一分」で木村拓哉さんの妻役を演じていた人で、私は「武士の一分」で初めて知る女優さんでした。宝塚出身の女優さんなんですね。「武士の一分」が初めての映画出演。久子が山崎に愛を告白するシーンは山田監督らしい演出で、とても印象に残りました。その山崎役、浅野忠信さんの出身は何と私と一緒のところでビックリです。

父べえ役の坂東三津五郎さんは「武士の一分」で武士とは思えない卑劣な役を演じており、最後の果し合いで木村拓哉さんに片腕を切り落とされてしまう。しかし今回の作品では妻と愛娘二人をやさしく見守る父べえを見事に演じております。

さて、主役の母べえには吉永小百合さん。さすがの名演技ですね。しかし敢えて注文を付けさせて頂くと、小学生二人の母親役には年齢(映画製作時の実年齢、62歳)が行き過ぎているように思うのですが・・・。何でも原作の野上照代さんの希望で母べえ役に吉永小百合さんが抜擢されたそうな。でも、ホントお綺麗ですねぇ・・・。昔、サユリストという男性ファンを多く作ったようですね。

吉永小百合さんは「寅さんシリーズ」以来の山田洋次監督作品。「寅さんシリーズ」では二回出演しており、いずれも不器用で頑固な小説家の一人娘、歌子を演じていて、二本とも私は好きな作品です。母べえの娘役二人、野上初子の志田未来ちゃん、野上照美の佐藤未来ちゃん、二人も好演しています。

時代劇三部作(たそがれ清兵衛、隠し剣 鬼の爪、武士の一分)を製作した後、久々の現代劇、といっても時代は昭和の太平洋戦争時ですが、大傑作とは言わないまでも、佳作である事は間違いないと思います。今回の作品も淡々と物語が進んで行きますが、是非多くの人にご覧になって頂きたいと思います。

尚、山田組の重要な一人、倍賞千恵子さんが映画の最後に特別出演しています。

2009年1月15日 (木)

ブルーレイ(Blu-ray)元年

Bluray

写真は現在私が持っているブルーレイ(Blu-ray)ディスクです。ドキュメンタリーの一本を除いてアクション映画ばかりですね。お恥ずかしい・・・。昨年、次世代光ディスクとして派を競っていた東芝が、自社開発によるHDVからの撤退を表明した事によって、昨年後半から一気にブルーレイ・ディスクがシェアを伸ばして来ました。

あまり知識のない方にブルーレイとはどういうものか、説明させて頂きますと・・・、
2011年まで放送が継続されている現在の地上アナログ放送、これの解像度はパソコンでいうところのVGA、640x480(約30万画素)です。映画ソフトですっかりお馴染み DVDは横の解像度が少し上がり、720x480(約35万画素)です。

対するブルーレイ・ディスクはフルスペック・ハイビジョンと言われる 1920x1080(約207万画素)です。本ブログをご覧頂いているほとんどの方がデジタルカメラをお使いでしょうからお分かりのように、DVDの35万画素とBlu-rayの207万画素とを同じ画面サイズで比較した場合、キメの細かさで問題なくBlu-rayの方が勝っている事がご理解頂けると思います。

デジタルカメラに置き換えても35万画素と207万画素の写真をA4にプリントしたら、35万画素の写真は荒くて見られたものではないと思います。画素数で約6倍近い差があるのですから当然ですね。従来のブラウン管でDVDを見ている分にはブラウン管の解像度が640x480ですから、DVDで映画を見てもそれなりに綺麗には見る事が出来ます。何しろDVD自体が前述したように720x480の解像度しかありませんですから。

ところが地上デジタル放送に対応したフルハイビジョン(1920x1080)方式の液晶テレビ、或いはプラズマテレビでDVDを見た場合、テレビ自体が持っている解像度に到底及ばないわけですから、かなり荒い映像になってしまいます。そこで登場したのが次世代テレビと同じ解像度を持つブルーレイというわけです。量販店店頭で液晶テレビを二台並べ、同じ映画ソフトを一方はDVD、もう一方はブルーレイを再生していたりしますから、見比べて頂くと一目瞭然、画質の違いに驚かれると思います。

更には音声の方もブルーレイはHDオーディオと呼ばれる高音質なものになっています。これは通常の音楽CDに対し、SACD(スーパー・オーディオCD)という・・・より高音質の音楽CDがあるように、ブルーレイのHDオーディオ方式はDVDの音質を遥かに上回る、SACDと同等以上のクォリティを持っているのです。私は自宅で大好きな「007シリーズ」をDVDとブルーレイとで比較視聴してみたのですが、映像の違いは当然の事ながら、音声の違いにも愕然としました。もう、DVDには後戻り出来なくなりました。

Casino
007/カジノロワイヤル

Indiana
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

これら二本の映像の美しさには眼を見張るばかりです。「007/カジノロワイヤル」はソニー・ピクチャーズが画像品質に拘り、片面二層 50GB(※注)をほとんどフルに使い切るほどの高ビットレートで映像を刻んでいますので、拙宅のスクリーンで見る映像は下手な映画館より綺麗に見えるほどです。横浜の劇場で見る映画ってピントは甘いし、色は薄いしで不満だらけ。おまけにスクリーンサイズも平均的に小さいし。なので私は映画を見る際、わざわざ東京の一流館まで足を運んでいます。(笑)

ちなみに地上デジタルの解像度、実は 1920x1080ではなく 1440x1080なのです。放送でフルスペック 1920x1080を満たしているのは今のところBSデジタルだけです。ハイビジョンが本放送に入る前、日本の女優さんたちの中には放送に反対する人が多かったそうです。ハイビジョンで見る女優さんたちの顔、シミ、ソバカス、小じわ、こういったものまで鮮明に映ってしまいますので「老い」がハッキリ見て取れてしまうのです。或る意味、女優さんたちにとっては大変怖い解像度だと思います。

今年は恐らくかなりのペースでブルーレイが普及すると思い、「ブルーレイ元年」と敢えてタイトルを付けさせて頂きました。

とは申しましても、映像・・・特に映画などにご興味のない方々にとってはあまり関係ない話だと思います。

尚、現在NHKでは現フルスペック・ハイビジョンを数段上回る、スーパーハイビジョンを開発中です。解像度はなんと7680x4320(3300万画素)というもの凄いもので、2015年に試験放送を開始する予定だそうですが、本放送は2025年ですからまだまだです。

※注・・・現在普及しているDVDはご存知の通り片面一層 4.7GBですが、Blu-rayは片面一層で 25GBもあります。25GBで通常フルスペックBSデジタル・ハイビジョンは2時間10分ほど録画出来ます。

2008年12月31日 (水)

名画座

Cf80_15

今年最後の写真はフィルムで撮影したものを。撮影は映画ポスターの上映期間をご覧頂ければお分かりのように12月中旬です。北海道・美瑛でフィルムを装填したままトラブルで撮影出来なかったカメラで撮影しました。当然、旭川空港でX線検査を通ったフィルムです。問題なかったようですね。

Cf80_16

名画座。最近、こういった劇場で映画を観ていないなぁ・・・。大きな劇場でロードショー公開されるような一般的人気のある映画と違って、少々玄人好みといいますか、地味な映画を二本立てくらいで上映しているようなわりと小さな映画館。営業としてやっていけるのかな? と、余計な事を思っちゃいますね。でも、映画ファンは応援してあげないといけないですよね。

さて、2008年も今日で終わります。今年一年、お付き合い下さいまして有難う御座います。来年三月にはこのブログも満二年になります。なんとか今まで通り更新して行きたいと思っておりますので、引き続きお付き合い下さいますよう、よろしくお願い致します。
どうぞ皆様、良いお年をお迎え下さいませ。

DATA : HASSELBLAD 503CW + Planar T* CF 80mm/f2.8, Kodak E100VS

2008年11月10日 (月)

二人の椿三十郎

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東宝映画「椿三十郎」2007年製作
監督 森田芳光
出演 織田裕二、豊川悦司、中村玉緒、藤田まこと、小林稔侍、松山ケンイチ、西岡徳馬 他

映画「椿三十郎」といえば、映画ファンなら知らぬ者はいないと言っても過言ではない、巨匠 故黒澤明監督の娯楽時代劇としてあまりにも有名な作品ですね。昨年秋、その黒澤作品のうち三本がテレビと映画で当時使われた脚本を使い、カット割り迄黒澤作品に忠実にリメイクされました。その三本とは「天国と地獄」「生きる」「椿三十郎」です。

さて、映画として本格的に製作されたのが「椿三十郎」。主役 椿三十郎にはなんと織田裕二さんが演じていますが、昨秋、本ブログで私は「ちょっとイメージが違うなぁ・・・」と書いております。結局劇場に観に行く事はなかったのですが、幸い最近CSデジタルハイビジョン放送で放映されましたので観てみました。オリジナルの黒澤作品は1962年1月1日公開されているようで、モノクロ作品。私は何度目かのリバイバル上映の時にようやく観る事が出来た。

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これがオリジナル、三船敏郎さん演じる椿三十郎。この作品の前に大傑作「用心棒」が作られており、椿三十郎のキャラクターはその「用心棒」でのキャラクターを引き継いでいますが、話しとしてはまったく繋がりはありません。私がこれらの作品をリバイバル上映で観たのは十数年くらい前だったか。鮮烈な感動を覚えました。

「用心棒」は昨秋、CSデジタルハイビジョン放送されたモノを録画し、大切に保管してあります。録画したモノをすでに二回観ておりますが、繰り返し観ても素晴らしい作品です。で、今日の「椿三十郎」ですが、ともに演じているお二人、三船敏郎さんと織田裕二さんは映画製作時はほぼ同世代との事ですが、申し訳ないですが貫禄が違い過ぎますね。

如何にも武家社会から外れたアウトロー的浪人を完璧に演じている三船敏郎さんに対し、織田裕二さんは家を継ぐ事が出来ない次男坊三男坊で、我がまま言って家を出た坊ちゃん侍、というキャラクターに感じてしまうのですね。森田芳光監督がメガフォンを取った「椿三十郎」もオリジナル脚本(黒澤明、菊島隆三、小国英雄)を忠実に映画化しているので、セリフもほとんど一緒。しかしどうも織田裕二さんのセリフは軽く聞こえちゃうのです。私自身はやはりミスキャストだと思うのですが。

リメイクするにあたって、何も三船敏郎さんのキャラクターまで真似する必要はない、と言われれば確かにそうなのですが・・・。では今、「用心棒」と「椿三十郎」を演じられる役者さんは誰だ? と訊かれても、思い浮かばないですねぇ。三船敏郎さんのキャラクターを超えられる役者さんはいないでしょう・・・。

もう一人大事な役柄が敵方に仕えている剣の使い手、室戸半兵衛。椿三十郎と映画のラストで壮絶な果たし合いをするのですが、オリジナルはこれまた黒澤作品に欠かせない名優、仲代達矢さん。リメイク作品の方は豊川悦司さんです。豊川悦司さんも好演しているのですが、仲代達矢さんの演技を知っている後ではやはり物足りなさが残ってしまいます。

で、オリジナルの果たし合いシーンは黒澤演出の見事さを味わえるこの映画最大の見せ場なんですが、森田芳光監督はこのシーンだけ黒澤作品とは違う演出を取っています。それは観てのお楽しみとして此処では書きませんが、私としては「ちょっと森田監督、考え過ぎだったのではないですか?」という感想を抱きました。

そうそう映画のラスト、「用心棒」では世話になっためし屋の親爺(東野英治郎さん)に、「椿三十郎」では若侍たち(加山雄三さん、田中邦衛さん他)に「あばよ!」と振り向き様に言って颯爽と去って行くのですが、この名ゼリフも織田裕二さんは軽過ぎました。やはり過去の名作をリメイクする事の難しさを痛感した次第です。

2008年10月24日 (金)

007/慰めの報酬

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ソニー提供「007/慰めの報酬」(シリーズ第22作)

英イオン・プロ 2008年製作 2009年1月日本公開

出演 : ダニエル・クレイグ、オルガ・キュリレンコ、マチュー・アマルリック、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト 他
音楽 : デヴィッド・アーノルド
監督 : マーク・フォースター

007シリーズの最新作、「007/慰めの報酬」が完成し、本国イギリスでは今月31日、全米では11月7から公開される。肝心の日本では正月映画第2弾として、2009年1月に公開が予定されています。タイトルに日本語が使われるのは「007/消されたライセンス」以来、久しぶりで、今回は原題を直訳したようです。わけの分からないカタカナタイトルよりマシですね。

原作はイアン・フレミングの短編集「007/薔薇と拳銃」からの「ナッソーの夜」が使われていますが、いずれもタイトルは日本語訳の時のもの。長編モノの原作は「ムーンレイカー」ですべて映画化が終わっており、以後はいずれも短編集からタイトルだけを借りたり、或いはオリジナルタイトル、オリジナル脚本で映画化されている。

しかしその中で、ティモシー・ダルトンがボンドを演じた「リビング・デイライツ」は短編のストーリーをプロットにし、そこから話しを大きく展開して盛り上げて行った傑作の一本と私は思っています。原作の短編はまだまだ東西冷戦中の時代で、東側の重要機密を盗んだ英国情報員が東西ベルリンの壁を乗り越えて来るところを、ボンドが敵の狙撃手から守って仲間を無事西側に保護するというお話し。映画はこれをチェコに舞台を置き換えて、ロシアの高官が重要機密を持って英国に亡命するのをボンドが敵の狙撃手から守り、英国へと逃亡させるわけです。そこからストーリーは展開するわけですが、なかなか面白い作品でした。

イオン・プロダクションはハリー・サルツマンとアルバート・R・ブロッコリという二人のプロデューサーが、フレミングの小説を映画化する事だけを目的として作られたプロダクションだという事は有名な話し。フレミングの全作品の映画化権を獲得しようとしたものの、「カジノ・ロワイヤル」だけはすでに米コロンビア映画が権利を獲得していて、本家イオン・プロは「カジノ・ロワイヤル」だけ映画化する事が出来ないでいた。

ところが米コロンビア映画を買収していたソニーさんが、嘗てドタバタのパロディ映画としてコロンビア映画が製作していた「カジノ・ロワイヤル」を、正統的007映画としてリメイクすると発表。更にそれを機に本家イオン・プロとは別の007シリーズを製作して行くと言ったから大変、本家イオン・プロがソニーさん相手に訴訟を起こし、和解するまでに三、四年も掛かり、結局本家イオン・プロもその間は映画を製作出来ないでいた。

そこは世界に名だたるソニーさん、「カジノ・ロワイヤル」を再映画化する権利を本家イオン・プロに譲渡する事で手打ち。で、本家イオン・プロ製作による本格的007シリーズとして初お目見えしたのがシリーズ第21作の「007/カジノ・ロワイヤル」でした。その代わり、全世界への興行権はちゃっかりソニーさんが仕切る事に。(笑)

その「007/カジノ・ロワイヤル」は過去の20作品とは決別して、新シリーズとして製作。原作通り「ダブルオー・・・殺人許可証」を取得したばかりの新米エージェントとしてボンドを描いておりました。

今回の「007/慰めの報酬」はその「007/カジノ・ロワイヤル」の続編。前作で初めて愛した女性、ヴェスパー・リンドを失ったボンドは、その復讐の為、関係していたミスター・ホワイトを追って来たところで映画は終わっていました。あれあれ〜・・・此処で終わり? と、なんとも消化不良の映画でしたが、その後に次回作に続く事を知って納得。そうそう、今回はいつも通り「ジェイムズ・ボンドのテーマ」から映画が始まって欲しいですね。(笑)

公式サイトも少し前からオープンしており、例によって予告編が iPod用にダウンロード出来ます。私はご覧の通り、早速自分の iPod touchに入れております。(笑)

007_01

12月には旧作品がブルーレイ化されて、先ずは6作品が発売されます。年が明けて、映画公開と同時に残り作品もブルーレイ化されるのでしょう。ファンとしてはとても楽しみです。予告編を見ると今回もアクションは派手ですね。ニュースによると、湖畔でのカーチェイスシーンの撮影中、ハンドル操作を誤ってアストンマーチン DBSが湖に落ちて大破してしまったそうです。運転していたスタントマンは重傷。アクションが派手になるのは時代の流れでしょうか・・・。ストーリーの面白さで見せて欲しいと思うのは私だけ?

2008年10月22日 (水)

東宝映画「ハッピー・フライト」

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映画「ハッピー・フライト」 矢口史靖監督作品
東宝映画 2008年作品
11月15日(土) 全国東宝系で公開

出演 : 綾瀬はるか、時任三郎、寺島しのぶ、吹石一恵、田辺誠一、岸部一徳、田畑智子、笹野高史 他
主題歌「カム・フライ・ウィズ・ミー」フランク・シナトラ

矢口史靖監督と言えば「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」でヒットを飛ばした若手の映画監督。私が最初に矢口監督の作品を知ったのは「スウィングガールズ」でした。それもオーディオ&ビジュアルの専門雑誌「HiVi」で、竹中直人さん宅で矢口監督と二人で「スウィングガールズ」のDVDを見ながらの対談が載っていたのです。その内容に興味を持ってレンタルDVDで「スウィングガールズ」を借りて来て見たのが最初。

映画は落ちこぼれの女子高校生たちがひょんな事からジャズバンドをやる事になるストーリーなのですが、とにかく面白くてレンタルで借りた後、わざわざDVDを買ってしまった。普通この手の映画、演奏シーンは吹き替えで録音するものですが、矢口監督はなんとオーディションで選んだ出演者たちにプロの指導で楽器を練習させたのですね。その練習模様がDVDに特典として収録されていますが、凄まじいですね。もちろん触った事の無いトランペット、トロンボーン、テナーサックス等々を一から覚えるわけですから。

映画の収録と同時進行で半年間練習に励み、映画のクライマックスである舞台演奏で「シング・シング・シング」をノリノリで演奏するシーンは感動しましたね。その時に凄い事をやる監督だなぁ、と感心し、「ウォーターボーイズ」のDVDも買って来て見たら、これまたユニーク。男子高校生にシンクロナイズドスイミングをやらせるわけですから。

で、今回製作された「ハッピー・フライト」ですが、すでに公式サイトがオープンされており、iPod用に予告編やその他のムービーが自由にダウンロード出来るようになっています。映画の内容をこのサイトから引用させて頂くと、

パイロット・CA・グランドスタッフ・整備士・ディスパッチャー・管制塔、バードパトロール・・・etc。
フライトを支える様々な"空のプロフェッショナル"たち! 愛すべきヒコーキ野郎たちの爽やかな青春群像を笑いと感動をたっぷり盛り込んで描きます。矢口ワールドの集大成!「飛んでもスゴイ!」映画が誕生しました!!

と、あります。何しろもともと飛行機好きの私です、矢口監督が飛行機を題材に映画を作ってくれたわけですから、これは絶対に見逃せません。(笑)
ANAが全面的に協力したようで、撮影のため「ボーイング 747-400」一機をそっくり貸し出したそうです。機内シーンは普通、映画撮影でしたらセットを作って撮影したりするものですが、この映画は本物を使って撮影しているらしいです。如何にも矢口監督らしいですね。

ANAが全面協力と言えば、数年前テレビドラマで木村拓哉さんがパイロット役を演じた「Good Luck!!」がありました。あれも飛行機好きの私は操縦席が頻繁に出て来るので興味深く見ていました。そして今回もANA協力による飛行機を題材にした映画。おまけに矢口監督作品ですから、大いに期待して映画公開を待つ事に致します。

先日、CSの日本映画専門チャンネルで、この映画に出演している女優さんたちが日本各地の空港を紹介する番組がハイビジョンで放送され、私は漏れなく録画して見ております。(笑)
タイトルは「FLY! FLY! FLY! ハッピーエアポート」。北は新千歳空港から南は福岡空港まで、いろいろな角度から各空港を紹介しておりました。

2008年9月26日 (金)

学校 / 山田洋次監督作品

Gakkoh

松竹映画「学校」
監督 山田洋次
出演 西田敏行(黒井先生)、竹下景子(田島先生)、イノさん(田中邦衛)、えり子(中江有里)、みどり(裕木奈江)、カズ(萩原聖人)、オモニ(新屋英子)他

今週NHK-BSで私が尊敬する山田洋次監督の名作、「学校」シリーズ全四作が放映された。恐らく山田さんとしては「学校」を製作した際、年月を経ているとはいえ、まさか四本も作るとは思っていなかったのではないかと思う。

今日紹介する第一作「学校」は平成5年公開されたもので、夜間中学校(高校ではない)を舞台としている。この映画が製作された当時、北海道、九州、四国、沖縄を除く日本全国には35校の夜間中学校が在ったそうです。義務教育を何らかの事情で受けられなかった人たちが、中学だけは卒業したいと一生懸命勉強している人たちが、全国に数多く居たのですね。

映画はざっくばらんな性格の黒井先生の生徒(男女年齢は様々)たちの、挫折や苦境などから這い上がろうとしている姿を山田洋次さんらしい視点で描いている。焼肉店を経営している在日韓国人のオモニのひたむきに勉強する姿、シンナー遊びや恐喝などで鑑別所に入っていたみどり、昼間働きながら夜間中学に通うカズ、登校拒否に陥ったえり子、中国と日本の混血で日本の社会に馴染めないチャンなど、それぞれの過去を振り返りながら映画は進行して行きます。

中年になるまで読み書きが出来ないイノさんが何と言っても映画の主役ではないかと思う。肉体労働者のイノさんは街で見掛けた青年医学生にいきなり自分でも入れる学校はないかと持ちかけ、紹介された今回の夜間中学に入学する。プライベートでは大変な競馬好きで、授業ではなかなかカタカナすら書けないのに、競走馬の馬名になると黒板に「オグリキャップ」と書いてしまう。(笑)

授業中、黒井先生や同級生の前でオグリキャップのラストランとなった有馬記念の勇姿を実に感動的に実況中継するシーンは笑えます。というより、ホントに田中邦衛さんは演技が上手いです。「北の国から」のような実直な父親役も素晴らしいですけど、こういう労務者風の男を演じさせると彼の右に出るものは居ないのでは、と思ってしまう。

何とかやさしい字や計算が出来るようになった或る日、黒井先生は自分に手紙を出す練習をさせるのですが、イノさんは恋い焦がれていた田島先生にハガキで「結婚して下さい」と書いてしまうのです。困った田島先生は黒井先生に相談をし、黒井先生からそれとなくイノさんに断りを言うわけです。酒の勢いでオモニの焼肉店で暴れてしまい、黒井先生を罵るイノさんをオモニが「大恩ある先生になんて事言うの!」と叩いて店の人に外へ連れ出させてしまう。

しかしその時すでにイノさんの体は病魔に冒されており、故郷に帰ってから間もなく亡くなってしまうのです。故郷の伯母さんから連絡を受けた黒井先生は愕然としてしまう。田島先生の授業であったのをお願いして、急遽イノさんの思い出を語るホームルームに変更した黒井先生。黒井先生はイノさんの生い立ちを話して行くのですが、このシーンで私は思わず目頭が熱くなってしまいました。生徒たちと問答をしているうちに人生とは何か、人間にとって「幸福」とは何かを問い掛ける。

この人間にとっての「幸福」とは何であるかが、この映画のテーマだったのではないかと思う。黒井先生はオモニに「オモニにとっての幸福って何だい?」という問い掛けから始まり、此処で生徒たちは時に言い合いをしながらも自分の考えをぶちまける。

このブログを読んで頂いた皆さんにとっての「幸福」とは、どういったものでしょうか?

山田洋次さんは庶民の生活を淡々と描く作品が多いのですが、特に今回のイノさんのような労務者風の人を主人公に据えて人間の生き様や、家族とはどういうものか、恋愛とはどういうものかを非常に上手く描く人で、いつも見終わった後に「あぁ、今回も見て良かったなぁ」という熱いものが残るのです。

映画の最後に黒井先生が「学校」というものはどういうものかを語るのですが、「あぁ、これが山田洋次さんが望んでいる学校の姿なんだな・・・」という感想を抱いてこの映画を見終わりました。

是非、多くの方にご覧頂きたい作品です。DVDとしても発売されています。


2008年9月 7日 (日)

サウンドトラック

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3月11日付けの本ブログで紹介させて頂いたテレビドラマ「薔薇のない花屋」がDVD化されたので、レンタル屋さんで在庫の有ったVol.1を借りて来た。ブログで書きましたが珍しくこのテレビドラマに嵌りまして、毎週楽しみにしていました。と言いながら2、3回見ていませんので、改めてDVDを借りて来た次第。残念ながら在庫がVol.1しかなくて。放送中、最初から毎週録画していれば良かったのですけどね。

久しぶりに見ましたが、やはり良いですねぇ。雫ちゃんを演じている子役の八木優希ちゃん、演技も上手いし可愛いですね。ビデオ映像でしか登場しない本仮屋ユイカさんも映画「スウィングガールズ」に出演以来、あちこちのドラマに引っ張りだこになりました。NHKの朝ドラでも主役を演じましたしね。

映画やドラマに付きものが音楽。音楽がなかったら映画、ドラマの面白さは半減でしょうね。サウンドトラック、というと映画音楽のレコード、CDを指す言葉として当たり前に使われています。略して「サントラ」とも言い、そのレコード、CDをサントラ盤などと言っています。

本来は撮影されたフィルムのコマ横にズラーッと磁気、或いは光学記録された音声用トラックの事を言うわけですが、一般にはやはり映画音楽の音源で通っています。映画好きの私は気に入った映画のサントラ盤は大体買っていたのですが、最近は007シリーズ以外はほとんど買わなくなっています。

映画音楽、いえテレビドラマでも一緒ですが、音楽が良いとストーリーの面白さも倍増しますね。「薔薇のない花屋」もテーマ音楽が実に素敵な曲で、何度聴いても飽きないです。エンドタイトルに流れる主題歌は山下達郎さんの「ずっと一緒さ」という曲で、これも素敵な曲ですが、私が気に入っているのはメインタイトルに流れる方のテーマ音楽。オーケストラだけで演奏される曲ですが、ロマンティックなメロディで、ドラマの内容を彷彿とさせてくれます。

同じくブログで紹介した「ノッティングヒルの恋人」のテーマソングも良かったですね。あの曲も何度聴いても飽きません。ヒットした映画音楽はそれこそ無数に有ります。娯楽ものではスターウォーズ、スーパーマン、インディ・ジョーンズなどは誰でも自然と口ずさむくらい有名ですね。

そうそう、私はミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」が大好きなんです。この映画、実は劇場で見た事はなく、テレビ放送で見てからすっかり気に入ってしまい、ビデオを買い、その後はDVDを買い、今はBSデジタルで放送されたハイビジョン放送を録画したもので楽しんでいます。
誰でも知っている「ドレミの歌」のシーンは実に楽しいですし、名曲「エーデルワイス」にはちょっとホロリとさせられるしで、とにかく沢山の素敵な曲が散りばめられた素晴らしく感動的な映画です。

007

サウンドトラックといえば私にとって絶対欠かせないのが「007シリーズ」。中でも誰もが耳にした事のあるジェイムズ・ボンドのテーマはそれこそ何千回と聴いていますが(ちとオーバーですね)、およそ飽きる事がないです。というより、このテーマを聴くと体中のアドレナリンが一気に分泌されて来る気さえします。(笑)

テレビで放送されたものを見た中では年代はやや古めですが、ヘンリー・マンシーニが音楽を担当した映画「ひまわり」のテーマ音楽も強く印象に残っています。ラストシーンは今でも眼に焼き付いて忘れられません。クラシック音楽の中で今は結構ポピュラーになっているラフマニノフのピアノ協奏曲第2番なんかは、映画「逢いびき」に使われて以来一般に広まったのですから、映画の影響は大きいですね。
さて「薔薇のない花屋」、Vol.2以降を借りて来るのが楽しみです。(笑)

2008年7月14日 (月)

ダーティハリー

Harry

昨晩、というか実際は今日(午前零時過ぎ)帰って来たのですが、仕事上お世話になった方と久しぶりに居酒屋に行きまして、私は例の如くウーロン茶で談話して来ました。(笑) 気の合う人と話すのは楽しくていいですね。

さて、珍しく二日続いて映画の話しです。昨日のラブ・ストーリーとは打って変わり、今日ははみ出し刑事(デカ)を主役とした、ご存知クリント・イーストウッドの「ダーティハリー」シリーズ。ブルーレイ・ディスクで全五作のBOXセットが発売されたので、早速購入しておいた。上の写真がそのBOXセットの中身。クリント・イーストウッドは大好きな俳優さんで、作品はかなり観ております。

俳優として知名度の低かったクリント・イーストウッドが大ブレイクしたのはイタリアで作られた西部劇に出演してからの事。日本では「マカロニウエスタン」としてブームになった事もあるくらいで、黒澤明監督の人気作「用心棒」を完全にパクった「荒野の用心棒」が大ヒットして一躍有名になったようである。更に「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」と立て続けに製作されていますね。

お陰で本国アメリカでもすっかり有名になったイーストウッドはドン・シーゲル監督と名コンビで映画を製作し続けた後、この「ダーティハリー」でイーストウッドと言えばダーティハリー、というくらい強烈なイメージを作りました。主人公ハリー・キャラハンはサンフランシスコ警察の刑事。この映画で彼が使う拳銃、マグナム弾を使用するスミス&ウェッソンがすっかり有名になり、その後に作られたアクション映画に大きな影響を与えたようですね。

イーストウッド作品は恥ずかしながらテレビ放送で観た作品が多く、実を言いますと劇場で観ているのはそれほど数多くありません。ご贔屓俳優になってからは市販ディスクで初めて観る、というものも多く、あまり自慢げに紹介文などは書けた義理ではありません。(笑)

近年は俳優としてより監督として有名ですね。日本語吹き替えのテレビ放送では必ずといってもよいほど山田康雄さんが担当していましたが、山田康雄さんほどイーストウッドのキャラクターにピッタリの声優さんは他にいませんね。もちろんオリジナルのイーストウッドの肉声で聞く方がいいですが、山田康雄さんの吹き替えで聞く映画もまったく違和感を感じません。

ダーティハリーの第一作で本編のストーリーとは関係ないエピソードに、ハリー・キャラハンのキャラクターを知らしめる有名なアクションシーンがある。町でホットドッグを頬張っていると銀行強盗に直面。犯人が乗る車がハリーに向かって突っ込んで来ると、愛用のマグナムで車の運転手を狙い撃ち。車は消火栓にぶつかって横転。犯人の一人に銃口を向け、あと弾は何発残っているか考えさせるシーンが笑えます。そばに落ちている拳銃に手を掛けようとするも、諦める犯人。ハリーが引き金を引くと弾は残っていなかった。悔し紛れに暴言を吐く犯人。このシーン、最高です。人を食ったようなキャラクターが見事に描かれていますが、実はこのやり取りがラストへの大事な伏線になっているのです。

またハリーが犯人に銃口を向けながら吐く言葉としてすっかり有名になったのが後の作品ですが、「Go ahead. Make my day.」でしょうね。なんたってカッコいいのです。(笑)

全五作、過去に繰り返し観ている作品ですが、画質向上品が出ると買いたくなってしまうのです。今回はハイビジョン仕様のブルーレイ・ディスク。音声も5.1chにリミックス仕直しておりますので(オリジナルはモノラル)、更に楽しむ事が出来る。映画ファンには嬉しい仕様です。第一作から順に楽しみたいと思います。

2008年7月13日 (日)

ノッティングヒルの恋人

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ジュリア・ロバーツという女優さんをご存知でしょうか? 映画ファンなら先ず知らない方はいらっしゃらないと思いますが、私の好きな女優さんのひとりで、何本か映画を観ています。初めて彼女の映画を観たのはもう大分前、大ヒット作「プリティウーマン」でした。「エリン・ブロコビッチ」でアカデミー主演女優賞を受賞。笑顔の可愛い女優さんですね。今日は久しぶりに映画の紹介。この映画の主題歌も素敵ですよ。

「ノッティングヒルの恋人」は1999年製作で、ヒュー・グラントと共演したラブ・ストーリー。ロンドンの西の街、ノッティングヒルで旅行書専門の売れない本屋を営んでいる少々頼りない普通の男がヒュー・グラント演じるウィリアム。もう、ピッタリの役所ですね。その本屋にジュリア・ロバーツ演じるハリウッドの大女優アナ・スコットが訪れるところから物語は始まる。

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まさか自分の店に大女優が来店するとは思っていなかったウィリアムは動揺しながらも一冊の本を販売する。信じられない思いのウィリアム。その後ウィリアムは街で買ったジュースのカップを持ちながら余所見をして歩いていると若い女性とぶつかり、持っていたジュースがその女性の体に掛かってしまう。大慌てで相手の女性に謝ると、なんとその女性がアナ・スコット。普通は考えられない出来事ですが、そこは映画です。こうしないとストーリーは進みません。(笑)

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雑誌社の記者と偽ったウィリアムはホテルでアナ・スコットにインタビュー。そこで思いも掛けない事に彼女は自分の妹の誕生パーティに来てくれるとの事。そうして繰り返し会う度にお互いは少しずつ惹かれ合う。

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大女優も悩みはあるもの。傷心のアナ・スコットはウィリアムの家で過ごすが、ウィリアムの同居人のポカからマスコミに知れる事になり、興奮したアナ・スコットは切れまくってウィリアムを責め、家を飛び出して行ってしまう。気の弱いウィリアムは意気消沈し、失恋の痛手を被りながらまた以前のように売れない本屋を営む普通の生活に戻る事になる。

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ウィリアムの周りの友人の励ましをを受けながら時は流れて行くが、その友人の一人からアナ・スコットがまたロンドンへ映画のロケの為来ている事を教えられる。勇気を出してその撮影現場へ行ってみると、なんとアナ・スコットから話したい事があるから待ってて、という思いもかけない言葉。離れたところでヘッドホンを借りてアナと共演者の会話を聞いていると、共演者がアナに「さっき話してた男は誰なんだ?」との問い掛けに、プレイボーイとして名高い共演者に本音を悟られない為「過去の人よ。何しに来たのか分からないわ」と答える。しかしそのままの意味で解釈し、愕然とするウィリアム。またまた意気消沈してその場を立ち去ってしまう。

ところがところが、その後ウィリアムの店へ極普通の洋服を着たアナが訪れ、「帰っちゃったのね」と話し掛けて来る。なんと彼女はウィリアムに精一杯のプレゼントを持って自分の気持ちを打ち明けに来たのである。「私は今日帰国するけど、もし英国に残るなら・・・私と付き合ってくれるかしら? 出来れば本気で・・・」

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と、演技ではなく、本心から訴え掛けるアナ。しかし気の弱いウィリアムは本気になっては何度も傷つけられ、すっかり後ろ向きになり、「ノー」と答えてしまう。無理して作り笑いをしながらアナは、「分かったわ。でも私もひとりの女よ。好きな人の前に立ち、愛してほしいと願ってるの・・・さよなら」と言いおき、後ろ髪惹かれる思いで店を立ち去るアナ。

しかし周りの友人たちの励ましと力を借り、アナの帰国前に開かれているホテルでの記者会見場にウィリアムは飛んで行く。会場に着いてみると記者インタビューの真っ最中。或る記者が「アナ、英国滞在はいつまで?」と質問するとアナは、「今夜、発ちます」と。上手く紛れ込んだウィリアムが手を挙げる。ウィリアムを見て動揺するアナ。

ウィリアム「噂になった英国人と友達以上になる可能性は?」
アナ「そうなる事を望みましたが・・・ムリです」
ウィリアム「でも、もし・・・」
アナ「でも、もし?」
ウィリアム「よく考えた末、その人物が・・・やっと気づいたら? 自分はトンマで大バカと。そしてひざまづいて・・・

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・・・やり直しますか?」・・・しばしの沈黙の後・・・

Notting_8

アナは隣に居るマネージャーに耳打ちし、先ほどの記者に今一度同じ質問をするように促す。

マネージャー「ドミニク、さっきの質問をもう一度」
記者「アナ、英国滞在はいつまで?」

ウィリアムを見ながらアナは微笑んで・・・「永遠に・・・」

2008年6月 7日 (土)

インディ・ジョーンズ

Indiana
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」

映画ファンなら「インディ・ジョーンズ」シリーズは良くご存知でしょう。冒険活劇映画として大ヒットした映画で、ジョージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグが手を組んだ作品。なんと19年ぶりにこの「インディ・ジョーンズ」シリーズが製作され、その最新作が今月21日から公開されます。5日の木曜日、主演のハリソン・フォードやジョージ・ルーカス、その他各界から招待客を招いてジャパン・プレミアが開催されたようですね。ちなみに過去の作品は以下の三本。

「レイダース/失われたアーク」1981年
「魔宮の伝説」1984年
「最後の聖戦」1989年

そして最新作のタイトルは「クリスタル・スカルの王国」。本来は前三作で完結していたはずなのに、よもやまた製作されるとは思っていなかったですね。このところハリウッド作品は過去のヒットしたシリーズものを再製作するのがブームみたいになっていて、「スーパーマン」「ロッキー」「ダイハード」と続けざまに公開されている。ネタ切れなんですかねぇ・・・。

私が初めてこの作品を見たのは「レイダース/失われたアーク」でした。ただし劇場で見たのではなく、ビデオディスクの「VHD」でした。「VHD」がどういうビデオディスクだったかご存知でしょうか? レーザーディスクに対抗してビクターが開発したビデオディスクで、レコードと同じくダイヤモンド針を使う方式。しかしレーザーディスクより画質は若干劣り、針を使うため再生を繰り返すと画面にノイズが出たりで、短命に終わりました。

閑話休題 そのVHDで見た第一作の息つく暇も無い冒険活劇映画としての面白さに魅了され、すっかりファンになってしまった。続く第二作、第三作とも公開と同時に劇場で堪能しました。ルーカスは「007シリーズ」の大ファンだそうで、007シリーズのような活劇モノを作りたいという事でスピルバーグに協力を求めた、という事を当時雑誌インタビューで読んだ事があります。「最後の聖戦」にはインディの父親が登場しますが、007ファンのルーカスはインディの父親役にはショーン・コネリー以外いないと考え、出演依頼をしたとの事。飄々とした父親役をコネリーは見事に演じていましたね。完全にハリソン・フォードを喰っていました。

「ダイハード 4」は正直やり過ぎだろう・・・という感じを持ち、前三作ほどの出来栄えになかったですね。CGの使い過ぎでリアル感に欠けていましたし。さて、最新作のインディ・ジョーンズの出来はどうなんでしょうね。しかしハリソン・フォードもすでに65歳ですって!

2008年5月15日 (木)

歓喜の歌

「歓喜の歌」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか? そうです、普通はベートーヴェンの第九交響曲「合唱」の終楽章、或いは学校の音楽の時間、日本語の歌詞を付けられた「喜びの歌」若しくは「歓喜の歌」を歌わされた、あの歌です。しかし今日はいつものように私が第九交響曲の好きなCDを採り上げるわけではありません。今日採り上げる「歓喜の歌」は今年公開されたばかりの日本映画「歓喜の歌」であり、立川志の輔師匠の創作落語「歓喜の歌」でもあるのです。

私が映画「歓喜の歌」を知った(観た)のは先月27日、北九州へ向かう飛行機の中。スターフライヤー A320は全席、背もたれの後ろに液晶が据えられてあり、映画を観たりテレビを観たり出来るようになっていて、当日はこの映画が流されていた。シートに添えられているしおりを見ると落語家 立川志の輔師匠の原作となっているので、最初は「え? 志の輔師匠が映画の脚本を書いたわけ?」と思ったのですが、解説を良く読むと志の輔師匠の創作落語を映画化したもの、となっていた。「へぇ〜・・・」と思った私は早速映画のチャンネルにして、北九州空港へランディングするまでずっと映画を観ていた。

ストーリーを簡単にご紹介しますと、二組のママさんコーラスが大晦日にコンサートを開くため公民館に会場の予約を入れていたわけですが、公民館の方ではうっかりダブルブッキングをしてしまうのです。気が付いたのは本番前日。原因は二組のコーラスの名前が似ていたからで、「みたま町コーラスガールズ」と「みたまレディースコーラス」の二組。しかし当初はダブルブッキングにまったく気が付かない脳天気な公民館のダメ主任。映画はこのダメ主任(小林薫さん)が主役。「みたま町コーラスガールス」のリーダーに安田成美さん、「みたまレディースコーラス」のリーダーには由紀さおりさんが演じています。二組のリーダーに責められるダメ主任。果たして大晦日にコンサートを開けるのか?

北九州に到着するまでに映画は終わり切らなかったため、帰りの飛行機で続きを観た。しかし窓から眼下の景色を見たり、それを写真に撮ったりと、それほど真剣には映画を観ていなかったのです。ところが二日後の29日、WOWOWで志の輔師匠がパルコで演じている「志の輔らくご」から、この「歓喜の歌 2008」のライヴ収録がノーカットで放送される事を番組表で知り、取り敢えずタイマー録画しておいた。何という偶然でしょう。

実は私、二十代の頃、古典落語に大変凝ってしまい、あちこちのホール落語を聞きに行ったり、横浜関内駅前に在るホールの落語会会員になって毎月落語を聞いていたのです。ラジオやテレビ放送をカセットテープやビデオに録ったりと、随分夢中になっていました。(笑) しかしもっぱら聞くのは古典ばかりで、新作落語にはあまり興味はありませんでした。ですから志の輔師匠の落語も師匠創作の新作落語という事でそれほど興味を持つ事なく、ずるずると録画したものの直ぐに見る事はしませんで、ようやく見たのは一昨日の休みの日。

ところがライヴ収録された志の輔師匠の新作落語、「歓喜の歌 2008」には大爆笑させられ、かつまたしんみりとさせられてと、大変感動したと言っても言い過ぎではないくらいこの「歓喜の歌」は素晴らしい新作落語でした。前半は大爆笑の連続(観客も私も)でしたが、途中から古典の人情話のように実にしんみりとさせられてしまい、志の輔師匠の話術の虜になってしまう。とにかく聞いている内容、その情景(映画とは別の)が思い浮かんでしまうのです。テレビで他愛もないバラエティに出ていたり、ペヤング・ソース焼きそばのCMでの志の輔師匠しか知らなかった私、こんなに落語の上手い人だとは正直思っていませんでした。パルコでの「志の輔らくご」はチケットが発売されると即日完売になってしまうそうで、老若男女大変な盛況だそうである。恥ずかしながら知りませんでした。余談ですが、師匠の話しが終わった途端、観衆の拍手と共に私も二、三回拍手してしまった。そのくらい夢中にさせてくれたのです。テレビで観ているだけだったのに・・・。

この新作落語「歓喜の歌」は一時間に渡る大作ですが、一瞬たりとも間延びする時間がなく、もう一度言いますが大変素晴らしいです。大傑作です。一般の評価も志の輔師匠の新作落語中、最高傑作と言われているようです。映画の方は飛行機の中だったせいか、観るにあたってイマイチ真剣度が足りませんでしたので、改めて観直したいと思っています。是非、機会がありましたら志の輔師匠の「歓喜の歌」を聞いて(観て)頂きたいと思います。尚、志の輔師匠の「歓喜の歌 2007」がDVD(他に二枚)で発売されています。

そういえば前回搭乗した時は韓流映画「私の頭の中の消しゴム」を上映していたのですが、途中までしか観る事が出来なかったので、帰宅後レンタルでDVDを借りて来て全編観直してしまいました。映画好きは途中までしか観られないと気になるのです。(笑)

2008年4月25日 (金)

007のカメラ

映画の中にカメラが登場するシーンは数限りなくあります。カメラファンとしては「おっ!」と、ついつい注目してしまう。しかし撮影シーンで聞こえるシャッター音は大抵そのカメラのシャッター音ではない事が多い。映画ですから効果を考えての事でしょう。

さて、娯楽映画としての傑作スパイ映画「007シリーズ」でもカメラが何度か登場しています。先ずは「ロシアより愛をこめて」でのシーン。ロシアの最新暗号解読機「レクター」の特徴をこのカメラに向かって話すよう亡命希望のロシア人女性に語りかけるところです。ボンドが手にしているカメラはローライフレックス。

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このローライフレックス、実は外装だけで中身はテープレコーダー。如何にも007シリーズらしい、なかなか洒落た小道具ですね。

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次は「サンダーボール作戦」に使われた水中カメラ。ニコノスでしょうね。NATOの原爆搭載機が行方不明になり、原爆の行方を追っていたボンドがエミリオ・ラルゴなる謎の人物が所有する大型クルーザー「ディスコボランテ号」の船底を海中から撮影するシーンに登場。

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秘密兵器係「Q」から手渡される時、「赤外線フィルムが入っているから暗闇でも撮れる」と言われるのですが、う〜ん・・・ですね。(笑)

そしてこれこそがスパイカメラ、ミノックスをボンドが使うシーンが登場する「女王陛下の007」です。

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人類を滅ぼす「細菌」を手にした女性たちが放たれた行き先をボンドが撮影するワンシーンですが、右手で「カシャ! カシャ!」とシャッターを切るところが印象的でした。
この他にも「消されたライセンス」ではメインタイトルにオリンパス OM-4Tiが大写しで登場します。宣伝効果は高いでしょうねぇ・・・。

しかしこれから映画で使われるカメラはほとんどデジタルカメラになってしまうのでしょう。もう最初に手にするカメラはデジタルカメラであって、フィルムを見ても「これ、何ですか?」って、質問されるような時代になるのでしょうか。(笑)

2008年3月11日 (火)

薔薇のない花屋

このブログで初めてテレビドラマの事を書かせて頂きます。私は続き物のテレビドラマをあまり観ないのですが、最近嵌っているドラマが毎週月曜日午後九時、フジテレビで放送されている「薔薇のない花屋」です。実は私、このドラマでヒロインを演じている竹内結子さんの隠れファンであります。(笑)

たまたま新聞のテレビ番組ページで竹内結子さんが出演するドラマの紹介欄を見て、その日の第一回から観ております。第九回まで話は進んで来ているのですが、途中二回観るのを忘れています。第一回を観た時、「あぁ、普通のラヴロマンスのストーリーだな」という感想を持ったのですが、いやいやこちらの予想を覆してくれるなかなか面白いドラマです。

ドラマや映画って、最初から最後までこちらの予想通りに話が進んで終わってしまうというものもあれば、ことごとくこちらの予想とは違う展開になるものとがあります。例えば先日WOWOWで放送されたものを観たのですが、キャメロン・ディアス主演の「ホリデー」という映画は予想通りに展開して終わるという案外面白みのない映画でした。ところが「薔薇のない花屋」はストーリーが思わぬ展開になってついつい毎週観てしまいます。

小さな花屋を営み、男手一つで小学生の娘を育てている主人公が香取慎吾さん演じる汐見英治。或る雨の日、その汐見の花屋の軒下で盲目の女性、白戸美桜(竹内結子さん)が傘もなく雨宿りをしているところから物語は始まる。この第一回を観ていたら、恐らくこの盲目の女性といずれは恋に落ちてハッピーエンド、なんて考えていたのですが、実はこの女性は盲目を装って汐見英治に近づいて来たのである。盲目の女性白戸美桜、実は病院勤務の看護士で、その病院の院長安西輝夫(三浦友和さん)から汐見英治を破滅に追い込むよう命令されて花屋に近づいて来たのです。何故安西は汐見に恨みを抱いているのか・・・。

という事でいい歳をしてこのドラマに嵌っております。お恥ずかしい。しかし話の展開が思わぬ方向へと進むので、結構面白いです。脚本は野島伸司さんで、実はこの方の脚本で数年前「プライド」というドラマを観ています。「プライド」は木村拓哉さんと竹内結子さんが主演したドラマで、このドラマをみて竹内結子さんファンになりました。結構ミーハーですね、私。(笑)

残りあと二話。大詰めを迎えて来週が待ち遠しくなるドラマなんて久しぶりであります。ま、たまにはこういったテレビでも観て息抜きをしなければ・・・ね。(笑)

2008年3月 9日 (日)

6人のジェイムズ・ボンド

今日、WOWOWさんで映画「007シリーズ」の面白い企画が放送される。歴代6人の俳優が演じたジェイムズ・ボンドこと007を一気に放送する。あ、別に私はWOWOWさんの宣伝マンでもありませんし、一切のリベートを頂いておりません。(笑)

ちなみに今日の放送は以下の通り。
初代: ショーン・コネリー 「007/ロシアより愛をこめて」第2作 1963
二代目: ジョージ・レーゼンビー 「女王陛下の007」第6作 1969
三代目 : ロジャー・ムーア 「007/ユア・アイズ・オンリー」第12作 1981
四代目 : ティモシー・ダルトン 「007/リビング・デイライツ」第15作 1987
五代目 : ピアース・ブロスナン 「007/ゴールデンアイ」第17作 1995
六代目 : ダニエル・クレイグ 「007/カジノロワイヤル」第21作 2006

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ショーン・コネリーの作品は「007/ロシアより愛をこめて」が選ばれている。全シリーズ中、一番スパイ映画らしく描かれているのが本作で、東西冷戦中の最中、イアン・フレミング原作の仮想敵国「ロシア」を映画ではやんわりと流し、第1作に引き続き国際犯罪組織「スペクター」を相手としている。尚、日本での初公開時のタイトルは「007/危機一発」で、「007/ロシアより愛をこめて」は1972年にリバイバル公開された時に原題に戻したもの。公開当時「危機一発」は漢字が違うと教育委員会からクレームが入ったそうな。もちろん正確には「危機一髪」ですが、それではスパイ映画らしくないという観点から、当時配給先ユナイト映画日本支社に居た水野晴郎(現映画評論家)さんらが考えたタイトルだそうです。第1作「007は殺しの番号(原題 ドクター・ノー)」も同様の経緯です。

スペクターに寝返っているロシア国家保安省「スメルシュ(KGBの前身)」のローザ・クレップ大佐(ロッテ・レーニア)は、部下であるトルコ・イスタンブール大使館事務員タチアナ・ロマノヴァ(ダニエラ・ビアンキ)に暗号解読機「レクター」を土産にイギリスに亡命するように命じる。ただしその際、自分の亡命にはボンドの手助けを要求させる。当然の事ながらこの要求に対して英国情報部はロシアの「罠」を感じながらも暗号解読機「レクター」への魅力から要求通りジェイムズ・ボンドをイスタンブールに派遣させる。スペクターは亡命途中でボンドを暗殺して暗号解読機「レクター」を奪い、ロシアに返す代わりに大金をせしめようとしているわけである。ボンドはロマノヴァを連れてオリエント急行を使って西側へ逃げ込もうとするが・・・。以上が映画の簡単なストーリーです。

スメルシュの資料で見たボンドに一目惚れしてイギリスへ亡命したいというロシア女性を演じるダニエラ・ビアンキという女優さん、滅茶苦茶美人ですねぇ。シリーズ中、私が最もご贔屓にしているボンド・ガールです。(笑) この映画の見どころはいっぱいありますが、中でもオリエント急行の中のシーンは素晴らしいです。スペクターがボンド暗殺に派遣したレッド・グラント(ロバート・ショー)と列車内で格闘するシーンは迫力があります。この映画最高の見せ場ではないでしょうか。ちなみにオリエント急行とアタッシュケースはこの映画で有名になりました。この映画以降、サラリーマンはボンドが劇中で携帯しているアタッシュケースを真似て持つようになりましたね。

私は007シリーズの事を書き始めると止まりませんので(笑)、私の能書きは読まなくても結構ですから是非映画をご覧になって下さい。007シリーズの面白さが充満している映画です、「007/ロシアより愛をこめて」は・・・。「女王陛下の007」はあまり評価されない作品ですが、私は大好きです。スイス・アルプスが舞台ですが、景色も素晴らしいです。漫画的荒唐無稽な作品が多かったロジャー・ムーアの一連の作品の中では「007/ユア・アイズ・オンリー」は初期の作品のようにストーリーを重視した作品で、ムーアのボンド作品の中ではまぁまぁ良い方の作品です。

ティモシー・ダルトンの「007/リビング・デイライツ」は短編集を集めた原作の一編をプロットに使い、それをもとにストーリーを大変上手く展開して行った脚本の素晴らしさが光る作品です。ダルトンのボンドも野性味溢れるボンドでそれほど悪くないと思うのですが、本国イギリスでは不評だったとか。ピアース・ブロスナンのボンドはスマートさを押し出したボンドで、私自身はショーン・コネリー以外ではもっとも好きなボンドです。

今回の放送はすべてフルハイビジョンで放送されます。まだ「カジノロワイヤル」以外はブルーレイ・ディスクで発売されていないので、拙宅のブルーレイ・レコーダーには全放送をタイマー予約してあります。WOWOWさんと契約されている方は是非ご覧になって下さいませ。007宣伝マンより(笑)


2008年2月12日 (火)

007/クォンタム・オブ・ソラス

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007シリーズの最新第22作が現在撮影中だそうです。原題は「007/Quntum of Solace」に決まったようで、原作者イアン・フレミングの短編集「For Your Eyes Only(邦題 薔薇と拳銃)」の中からの一編「Quntum of Solace(邦題 ナッソーの夜)」からタイトルを取ったようです。ストーリーは前作「007/カジノ・ロワイヤル」の続きで、ボンド役は引き続きダニエル・クレイグが演じる。注目のボンドガールにオルガ・キュレリンコ(ウクライナ出身)とジェマ・アータートン(英国出身)という二人だそうですが、私はまったく知らない女優さんです。米英では11月、日本では来年1月公開との事。

前作のエンディング・シーンからストーリーが始まるらしく、こういう続き方は長いシリーズでも初めての事ですね。初代ボンド役、ショーン・コネリー時代は第1作から第7作(第3作は除く)まで国際的犯罪組織スペクターが相手なので、大局的な意味で続きもの・・・と言えば続きものかもしれませんが、ストーリーそのものは各作で完結していた。そういう意味で二作品にまたがる続きものは初めてになるわけですね。前作「カジノ・ロワイヤル」の終わり方が「え?・・・え?・・・」と、何か消化不良というか、中途半端な終わり方をしたので疑問を感じてしまったのですが、その後の情報で次回作に話しが続く事を知り、納得した次第。

保守的007・ファンの私としては、007シリーズと言えば・・・ボンド=ショーン・コネリー、M=バーナード・リー、Mの秘書 マネー・ペニー=ロイス・マックスウェル、Q=デスモンド・リュウェリン、脚本=リチャード・メイボーム、メインタイトル・デザイン=モーリス・ビンダー、音楽=ジョン・バリーというイメージが出来ており、このイメージから現在まで脱却出来ないので、その後の007シリーズはどうしても若干物足りなさが残ってしまう。

誤解のないよう申し添えておきますが、ショーン・コネリー以降の007シリーズが面白くない、と言っているのではないのです。今でも娯楽映画として最高峰の作品と思っているのですが、007シリーズに入れあげている私としてはより高いレベルの作品作りを期待してしまうのですねぇ。

映画の冒頭はジェイムズ・ボンドのテーマに乗って例のガンバレル・シークエンスから始まってもらわないと困るのですが(笑)、前作「カジノ・ロワイヤル」では冒頭、初めてガンバレル・シークエンスがカットされていたので著しく物足りなかった。もっとも凝った作りと言えば凝った作りで、メインタイトル前にそのガンバレル・シークエンスが登場する。しかしデザインはすっかり変わってしまった。映画に必要不可欠の音楽もジョン・バリーが退いてから担当している方々も健闘していますが、ジョン・バリーの作り出す音楽が余りにも映画の各シーンを盛り上げるスコアを書いていましたから、その後のシリーズはその点でちょっぴり寂しいですね。

最新作が見られるのは日本ではほぼ一年後になるわけですが、どういう作品になるのでしょうか。今回の製作発表の席でのプロデューサーによるとアクションは前作の二倍などと申しているそうですが、それだけに余計普通のアクション映画に変貌しつつあるのを感じて、がっかりしているのは私だけなのでしょうか・・・?
さて日本公開時の邦題ですが、原題のタイトルをただカタカナ表記しているだけという、極めて策のないタイトルに終始している最近の007シリーズですが、もう少し洒落た邦題を考えられないものでしょうかねぇ・・・。以上、クレイジーな 007ファンより

2007年10月28日 (日)

山田洋次の世界 「隠し剣 鬼の爪」

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私が最も尊敬する映画監督が「男はつらいよ」シリーズで有名な山田洋次さんである。山田さんの作品はほとんどすべて観ている。山田さんは最初の作品からジャンルに関係なく、一貫して庶民の生活を描いている。そこに家族愛、兄弟愛、男女の愛とはどういうものか、またそれらを描きながらその時代時代の世相を巧みに風刺した作品・・・、名作を作っているのです。今日はその山田さんの傑作の数々の中から「隠し剣 鬼の爪」を、ストーリーを簡単に追いながら紹介させて頂きます。

2004年製作のこの「隠し剣 鬼の爪」は山田さんには珍しい時代劇で、藤沢周平さんの原作を映画化した時代劇三部作の第2弾である。日本アカデミー賞最優秀賞を総なめにした「たそがれ清兵衛」に続く作品。「たそがれ清兵衛」の真田広之さんに代わって今回の主役には永瀬正敏さん。実直で思いやりのある下級武士を非常に上手く演じている。また、松たか子さんも、けなげに主人に仕える心優しい女中、「きえ」を好演しています。

ストーリーは日本が揺れ動いている幕末の東北地方・海坂藩が舞台。下級武士、片桐宗蔵の家族と、急変する藩の様子を描いた作品である。前述したように主人公の宗蔵に永瀬正敏さん、女中のきえに松たか子さん、山田組の倍賞千恵子さん、吉岡秀隆さんの他に、ベテラン緒形拳さん、小林稔侍さんなど、そうそうたる面々が出演している。

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毎日笑みが絶えない主人公、宗蔵の家も時代の波と共に少しずつ変化が起こり、母(倍賞千恵子さん)が亡くなり、女中のきえも商家に嫁いで行き、宗蔵の家は下僕とばあやの三人となり、寂しい毎日が続くようになる。時代は刻々と動いていく中、或る日宗蔵は偶然きえと出会う。嫁いだ先で幸せな日々を送っているものと思っていた宗蔵だが、やつれて寂しそうなきえに対し、自分が何も出来なかった事を悔やむ。

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その後妹からきえが嫁ぎ先で酷い仕打ちを受けて病に伏せている事を知った宗蔵は、商家に押し入り、病の床に伏せているきえを強引に連れて来てしまう。大騒ぎする商家の母に対し、「役人に届けたければそうせばええ! きえはこの俺が刀さ掛けても守る!」と自分の家に置いて、妹の助けを借りて養生させる。

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宗蔵はきえを商家と正式に離縁させ、自分のところで養生させる。きえも次第に元気を取り戻し、宗蔵宅は再び笑みが聞こえる毎日となる。しかしその間に海坂藩・江戸屋敷で謀反が発覚し、幕府に知られるのを恐れ、関係者を隠密裏に処分するという出来事が起きる。その内の重罪人は切腹を認めず「郷入り」という極刑に処し、国元に護送されて来る。ところが処刑人は脱走してしまった。

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楽しい日々が続く或る日、宗蔵はきえに幸せを掴んでもらいたい為、心を鬼にして実家に帰るよう命令する。
宗蔵「もう、体もすっかり元気になった事だし、そろそろ実家さ帰った方がええ・・・」
きえ「わたし・・・、旦那はんのおそばさえ居てお世話する事は、ちっとも嫌ではあるますねぇ。このままではだめなのでがんすか?」
宗蔵「だめだ!」
きえ「どうしてだめでがんすか?」
宗蔵「おめえにはおめえの人生があるではねえか! 俺の女中で一生終わるなんてとんでもねぇ! 実家さけえれ!」
きえ「・・・旦那はんの・・・お言いつけでがんすか・・・それは・・・?」
宗蔵「んだ・・・、俺の命令だ!」
きえ「・・・分かりました。ご命令だば、仕方ありますねぇ・・・」と、寂しく涙を流すきえ。

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脱走した処刑人の親友であった宗蔵に謀反人を抹殺するよう藩命が下る。果し合いで親友を斬った宗蔵はご家老(緒形拳さん)の元に報告に行くが、罪を減じるよう願いに来た親友の妻を騙して手篭めにした家老を許せず、「隠し剣 鬼の爪」で家老を斬る。緒形拳さんがさすがベテランの味で、憎たらしい事この上ないくらいの家老を演じている。さぁ・・・、この鬼の爪とは・・・なんでしょう? これは是非映画を観て確認して下さい。(笑)

つくづく武士の生活が嫌になった宗蔵は藩を捨て、蝦夷に行く事を決める。そして妹夫婦とも生涯の別れを告げる。当時としては蝦夷(北海道)に行く事は事実上、生涯の別れだったのでしょうね。その蝦夷に向かう前に、実家に帰っているきえを尋ねるのである。そこで宗蔵は初めて本心を吐露する。

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宗蔵「きえは・・・もう・・・、嫁入り先は決まったのか?」
きえ「父親がなんぼか話は持って来ましたども・・・」
宗蔵「んだか・・・、まだ決まってはいねえだか。俺は侍が嫌になったので侍を捨てて、蝦夷の地で商売でも始めようかと思っての・・・」
きえ「せば・・・、もう・・・一生お会い出来ないのでがんすか?」
宗蔵「きえ・・、俺と一緒に行ってはくれねえか? どんだ・・・俺と夫婦なってくれねえが?」
きえ「あたす・・・、そげな事急に訊かれても・・・」
宗蔵「俺はお前を好きだ! 初めて会った時から・・・ずっと好きだ! きえ・・・、お前はどんだ・・・?」
きえ「そげな事・・・、わたす考えた事もありますねぇ・・・」
宗蔵「だば・・・、今考えてくれねえが・・・? ・・・どんだ・・・考えてぐれだか・・・?」
きえ「それは・・・、旦那はんのご命令でがんすか・・・?」
宗蔵「・・・んだ・・・、俺の命令だ!」
はにかみながら・・・、きえ「・・・ご命令だば、仕方ありますねぇ・・・」

2007年10月20日 (土)

黒澤明の世界 「用心棒」

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今やアカデミー監督として有名なクリント・イーストウッドをご存知だと思いますが、彼の出世作として挙げられるのは先ず第一にマカロニウエスタン(もう死語ですね)の「荒野の用心棒」だと思います。マカロニウエスタンをご存じない方の為に説明致しますと、西部劇映画は言うまでもなくアメリカで作られた映画であるわけですが、なんとその西部劇をイタリア映画が作って一時ブームになった事があるのです。イタリア製西部劇をマカロニウエスタンと日本では名付けられ、クリント・イーストウッドはこのマカロニウエスタンで大ブレークしたアメリカの俳優であったわけです。

さて、そのマカロニウエスタン「荒野の用心棒」は日本の名匠、黒澤明監督の「用心棒」をそっくりパクッた映画であることは私が今更言うまでもなく有名な話しですね。本家「用心棒」は 1961年製作で、黒澤作品の娯楽作として筆頭に挙げられる傑作映画だと思う。出演は三船敏郎、東野英治郎、山田五十鈴、仲代達矢、加東大介と、日本映画を代表する方たちによる時代劇としての大傑作。

たまたま通りすがりに入った宿場には二組のやくざ連中が派を競っていた。三船さん扮する浪人がこのやくざをけしかけて喧嘩させ、双方とも潰してしまおうと画策するわけですが、ストーリーがなかなか良く考えられている。

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このシーンはこの映画の中でも大変印象深い名セリフが聞けるところ。ジェリー藤尾さんら、宿場のやくざが三船さんを取り囲んで脅すと、三船浪人が「斬られりゃ痛ぇぞ! まったく馬鹿に付ける薬はねえな!」と捨てぜりふを言った途端、居合い切りで数人のやくざを切ってしまいます。左腕を切り落とされたジェリー藤尾さんが「痛ぇよ~! 痛ぇよ~!」とのた打ち回るシーンは本来なら残酷なシーンなんですが、何故か滑稽に見えてしまうんですよね。「斬られりゃ痛ぇぞ!」と言われた直後だけに可笑しいので、黒澤演出の上手さだと思う。

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「七人の侍」では農民を守る侍たちのリーダー、志村喬さんの右腕役を好演していた加東大介さん(左)がここでは少し頭の足りないやくざを演じていて、これがまた上手い演技なんですね。また、その「七人の侍」で重厚な演技を見せていた志村喬さん、「用心棒」では好色な商人の役で登場するのですが、皆さんキャラクターを上手く使い分けるものと感心してしまいます。さすが黒澤演出と、改めて感心してしまう。

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黒澤作品は良くこういったロングショットのカメラワークが見られる。シネマスコープの画角を考えたアングルだと思う。山田洋次監督の話題作、「武士の一分」での果し合いシーンが、この「用心棒」の影響を受けている事が分かってしまいますね。さて、ここからいよいよクライマックス。「天国と地獄」で警部役を好演した仲代達矢さんらのやくざ連中との果し合い。

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仲代達矢さんの扮装が興味深い。首にはなんとマフラーが巻かれている。そして時代考証では有り得ないはずの連発銃を持っているのです。完全に西部劇の真似ですね。こういうところは黒澤監督、娯楽映画に徹したのでしょうね。しかしお陰で仲代達矢さんが初登場するシーンではとても印象が強く残るのである。

映画では大事な音楽も、佐藤勝さんが書いたスコアが映画にとてもマッチしており、ラストシーンで三船浪人が世話になった「めし屋」の親爺(東野英治郎さん)に、「これでこの宿場も静かになるだろう。」と言ってパッと背中を見せて、「あばよ!」と言いながら立ち去って行くところで流れてくるテーマ音楽が画面にマッチしていて、とても印象強く映画が終わる。全盛期の黒澤明監督の娯楽傑作映画である。

尚、この三船浪人のキャラクターは「椿三十郎」へと引き続き、「用心棒」の続編的意味合いで作られている。「用心棒」の中で名前を訊かれると、目の前に広がる桑畑を見て、「名前は・・・桑畑三十郎。まもなく四十郎だがな・・・」というシーンは笑えます。

※ 各写真は、最近ハイビジョン放送されたもので、拙宅のスクリーンをデジカメで撮影したものです。

2007年10月 6日 (土)

黒澤明の世界 「天国と地獄」

Kurosawa_01_2黒澤明監督、それほど映画を好きでない方もご存知だと思う、日本映画界の巨匠。実は私が初めて黒澤作品を観たのはもう大分前で、二十歳過ぎくらいだったと思う。モノクロの古い作品をリアルタイムで観たわけではなく、東宝が黒澤明監督の作品を集中的にリバイバル上映した時が初めてでした。当時リバイバル上映で観た映画は「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」「天国と地獄」「赤ひげ」「生きる」の六本だったと思う。

中でも衝撃だったというか、ラストシーンが未だに忘れられない作品として「天国と地獄」を挙げる。自分としては黒澤作品として第一に挙げられる「七人の侍」や、娯楽作品として大傑作の「用心棒」より、「天国と地獄」を黒澤作品一番の傑作として挙げたい。1963年製作、エド・マクベインの小説を映画化したもので、営利誘拐を扱ったストーリー。この映画を真似た誘拐事件が実際に起こり、以後営利誘拐は重罪として刑法が改正されたくらい影響の大きかった映画なのです。

とにかく全編緊張しっぱなしで眼が離せない映画であり、全盛期の黒澤明監督が如何に優れた映画監督であったかを如実に知る事になる。「用心棒」で非道な殺し屋役を演じていた仲代達矢さんが捜査本部の総指揮を執る警部役で好演しています。誘拐の標的にされ、会社トップを狙って画策している重役の権藤を演じているのが黒澤作品には欠かせない三船敏郎さんが演じている。子供が誘拐され、身代金を要求されるものの、犯人が誤って権藤の子供ではなく、権藤のお抱え運転手の子供を誘拐してしまった。しかし容赦なく犯人は身代金を権藤に要求するものの、権藤にとって今持っている大金は社長の椅子を狙って株買占めの為の大金。

運転手の子供の命を取るか、自分が狙っている社長の椅子を取るか・・・。子供は自分の子ではない・・・、だから社長の椅子を・・・、権藤の心の中で葛藤が続く。この辺の心理描写が見ものです。これから観てみようと思われる方の為にこれ以上の詳しいストーリーは言いませんが、ストーリーも面白いし演じている役者さんも素晴らしい人ばかりで、「天国と地獄」は大傑作だと思う。誘拐犯の役を演じているのが現在では貫禄のある俳優さんになっている、山崎努さん。この映画がデビュー作品だと思う。ネットで山崎努さんを検索してみたら、この映画の撮影当時 26歳であった。

この映画、時代的にはカラーで撮られていて不思議ないのですが、モノクロで撮影されています。実はこの映画、「或るワンシーン」だけカラーになるのです。そうか・・・、このシーンの為にモノクロで撮っているのか・・・と、改めて黒澤明監督の天才振りを知る事になる。劇場で観た時はショッキングでした。やられた~・・・と思いましたね。

身代金を犯人側に渡す時のシーンも「おお、なるほど・・・」と感心させられます。犯人がお金を入れるカバンの厚みを限定して来るのですが、これが大きな伏線となっているわけです。当時最速の国鉄「こだま号」が身代金受け渡しに大きな意味を持つのですねぇ。とにかくひとつひとつのカットが皆大きな意味を持っている映画で、カメラワークも素晴らしいです。

さて、ラスト。拘置所で三船敏郎さん演じる権藤と、誘拐犯役の山崎努さんとの面会のシーン。私は山崎努さんの演技にショック(素晴らしいという事)を受け、映画が終ってもしばし席を立てなかった事を今でも覚えている。

先月、この「天国と地獄」と「生きる」がテレビでリメイクされました。TV 版「天国と地獄」では捜査本部の警部役を阿部寛さんが演じていたが、なかなか良かったですね。ただオリジナルの映画版の方があまりにも素晴らし過ぎるので、リメイク版は頑張っていたもののオリジナルと比べると・・・。そうそう、暮れにはこれまたリメイクされた映画版「椿三十郎」が公開されるとの事。主役、椿三十郎には織田裕二さんだそうで・・・。う~ん・・・、ちょっとイメージが違うなぁ・・・。

「天国と地獄」、是非ご覧になって下さい。
素晴らしい映画ですよ~・・・。
ご覧になったら感想を是非聞かせて下さいね。

2007年9月 8日 (土)

男はつらいよ 「知床慕情」 1987年作品

Torasan神奈川県に台風が上陸する事は滅多にないのですが、勤務している会社もいろいろと被害があった。天災は忘れた頃にやって来る・・・・でしょうか。

さて、カメラの話しが続いたので今日は映画の話しを。
私がもっとも尊敬する映画監督、山田洋次さんの作品としてあまりにも有名なシリーズですから、先ず知らない方はいらっしゃらないと思う「男はつらいよ」シリーズ中の一本で、第38作になります。

丁度ほぼ一ヶ月前に映画の舞台になった北海道・知床に行ったばかりで、「そうだ、寅さんに知床を舞台にした作品が有った・・・」と思い出し、久しぶりにこの作品を DVD で見た。今回のストーリーは知床に来た寅さんが、三船敏郎扮する風采の上がらない獣医師の家にやっかいになる。そこへ親の反対を押し切って東京で結婚した娘、りん子(竹下景子)が帰って来る。しかしりん子は結婚に失敗して里帰りして来たのです。当然寅さんは一目惚れ・・・。ここから本筋が始まるのです。

すでに故人となってしまった三船敏郎さんは言うまでもなく日本を代表する大スター。個性的な演技で黒沢明監督の作品には欠かせない人でした。今、NHK の大河ドラマは「風林火山」ですが、大分前の映画版「風林火山」では主役「山本勘助」を三船敏郎さんが演じていた。先月末だったか、この映画が BS 放送で再放送されまして、久しぶりに見たら山本勘助役の三船敏郎さんと大河ドラマの山本勘助役、内田聖陽さんとでは、申し訳ないですがあまりにも貫禄が違う事を感じてしまった。他、武田信玄役に中村(萬屋)錦之助さん、上杉謙信役に石原裕次郎さんと映画版は豪華配役だった。

閑話休題。知床慕情に話しを戻すと、映画のワンシーン、ワンシーンに自分が先月見て来たばかりの景色が出て来るので、懐かしくなってしまった。竹下景子さん扮するりん子が斜里駅からタクシーに乗って帰って来るシーンで、タクシーの運転手が「オシンコシンの滝」を紹介すると、「運転手さん、私、知床の人間なんです」と答えるところが出て来るのですが、映画のカットは滝の上からのカメラアングル。

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先月、この滝を下から見上げたのでした。懐かしいです。そして実家に帰ったりん子と寅さんが知床半島を船から見物するシーンが出て来ます。

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雄大な知床半島の景色。船上で談笑する寅さんとりん子。三枚目は「カムイワッカの滝」を見物する二人。う~ん・・・、映画を見ながら懐かしくて懐かしくて・・・。(笑)
その他、羅臼岳を背景に直線道路を車が走るシーン、ウトロ港で談笑する寅さんと知床の仲間たち、自分の目に焼きついている風景が次々出て来るのでホント懐かしいです。

竹下景子さんは寅さんのマドンナ役を三回も演じている。この「知床慕情」も良い作品ですが、岡山県高梁市のお寺の娘役を演じた「口笛を吹く寅次郎」も大傑作でした。ご覧になった事のない方は是非、レンタルで DVD かテープを借りてご覧下さい。

山田洋次さんの作品に駄作はないです。最近の作品「武士の一分」も良かったです。

2007年5月26日 (土)

007/カジノ・ロワイヤル

昨年末から今年に掛けて劇場公開された 007 シリーズの最新第 21作「007/カジノ・ロワイヤル」のブルーレイ・ディスクと DVD ソフトが発売された。私は発売日にブルーレイ・ディスクを早速購入した。
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ブルーレイ・ディスクの下は映画のパンフレットです。ブルーレイ・ディスクは私が改めて申すまでもなく、次世代 DVD と言われているハイビジョン記録されたディスクです。今回発売されたブルーレイ・ディスクは発売元のソニーが画質に拘り、転送レートを高く取る為、片面二層 50GB  を使った高画質ソフトである。拙宅の 80インチスクリーンで観る限り、劇場の画質と変わらないのではないかと思わせるほどの高品質ソフト。ここに収録されているのは画面比 2.40 : 1 のワイドスクリーンで、フルハイビジョン 1920 x 1080p である。

映画の方はイアン・フレミングの原作、 007 シリーズ第一作にあたり、ジェイムズ・ボンドが殺しの番号「007」を取得するところからのお話し。秘密兵器係「Q」も M の秘書「マネー・ペニー」も登場しません。このシリーズを製作して来たイオン・プロダクションは本作のみ映画化の権利を持っておらず、権利を持っていたソニーピクチャーズと訴訟問題等いろいろあった後、映画化の権利を取得する事が出来た。原作第一作のオリジナル・ストーリーを尊重する為、過去 20作とは別ストーリーとし、後にボンドの親友となる CIA のフェリックス・ライターもボンドとは初対面で登場します。そして今回から六代目ボンド役を務めることになったダニエル・クレイグですが、従来のボンドとはかなりイメージが違い、本作ではまるで 007版「ランボー」の様相で、肉体を駆使したアクションの繰り返し。
本シリーズの冒頭は誰でも知っているようにボンドがスクリーン右から登場し、正面に向かって拳銃を撃つと上から血が垂れて来るシーンから始まるのが常でしたが、本作はそのシーンから始まらないのです。「え~・・・」と私はガックリしたのですが、思わぬところでそのシーンが出てまいります。
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奇抜と言えば奇抜なアイデアでした。更にデザインもご覧のように一新されました。今回の愛車はアストンマーチン DBS。アストンマーチン社の最新型だそうで、本年発売。発売に先駆けて映画でお目見えというわけです。今回のブルーレイ・ディスク、DVD ソフトの発売を記念して銀座ソニービルでアストンマーチン DB9 を期間限定で展示していたので撮影させて頂いた。
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LEICA M8 + Summicron-M 28mm/f2 ASPH. で撮影。

DB9 もなかなかカッコいいですが、映画では更に新しい DBS。どうせならこちらを展示して欲しかったなぁ・・・。アストンマーチンが初めて登場したのは第三作「ゴールドフィンガー 1964年製作」。この時が DB5 ですから、モデルチェンジ・サイクルは平均 10年という事でしょうか。
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映画は、「My name is Bond. James Bond.」と言うお馴染みのセリフで終ります(上の写真)。そしてエンド・タイトルでようやく「ジェイムズ・ボンドのテーマ」が流れて来る始末。やはりこのテーマから映画が始まらないとなぁ・・・(笑)。
聞くところによると次回作は来年秋公開との事ですが、シリーズ初めて前作(カジノ・ロワイヤルですね)の続きになるらしいです。確かに今回のお話しは事件解決にはなっていないので、劇場で観た時には「う~ん・・・おかしい・・・」と、何か消化不良で満足出来なかった。話しが続くのなら納得。
ところで映画には欠かせない音楽ですが、やはり 007 シリーズはジョン・バリーの音楽が一番でしたね・・・。ジョン・バリーのスコアが鳴らないと 007 シリーズを観ている気がしないのは私だけであろうか?
さて、このソフトの画質、音質はソニーが力を入れていただけあって、なかなかの高画質を堪能する事が出来た。是非、皆さんもご覧になって下さい。

2007年3月18日 (日)

ブルーレイ・ディスク

Bluray 映画ファンが自宅で映画を楽しむにあたって、最初に広まったのがビデオテープによるソフトでした。VHS、β の二方式。その前にフィルムでも出ていたようですが、一般的には前二方式によるビデオソフトでしょう。私が自宅にビデオデッキを導入した時はまだ音声ハイファイ方式によるデッキが出る前でした。それでもステレオ音声によるビクターの VHS ビデオデッキを購入した。当時 27万円くらいで、現在のビデオデッキの価格から比べれば嘘みたいに高価な家電製品でした。生テープも一本 4千円前後していました。そのデッキでテレビ初放送された 007 シリーズを録画出来た時は大変感動したものである(笑)。その後、秋葉原を歩いていた時に偶然或るお店の店頭に 007 シリーズのビデオソフトが売られているのを発見し、驚いた。輸入版のその VHS ビデオソフトは一本 2万5千円ほどしており、手持ちが無かったので後日改めて秋葉原まで出向いて購入した。確か最初に購入したのは「007/ロシアより愛をこめて」だったと思う。当時、まだビデオレンタル店など無い時代で、映画好きはこういうソフトを買うしかなかった。もちろんまだ国内発売されていない時代です。

その後認定のビデオレンタル店がぼちぼち出始めましたが、一泊二日で 1,500円もしていた。映画を劇場で観るのとレンタルで観るのとが同じ価格でした。しばらくしてパイオニアから「映像の出るレコード」としてレーザーディスクが登場。新しいものに目が無い私は割りと早い時期に第二世代のレーザーディスク・プレイヤーを購入した。なんと言ってもレーザーディスクが市民権を得たのは「スターウォーズ」のディスクが発売されてからでした。この頃から映画ソフトを綺麗な映像で観るのはレーザーディスクとなり、しばらく続いた後に出て来たのが DVD。DVD が一気に普及したのはプレイステーションにドライヴとして内蔵されてからですね。

その DVD もそろそろ終焉を迎えようとしていますが、代わりに登場して来たのがブルーレイ・ディスク(Blu-ray Disc)と HD DVD。所謂フルハイビジョンで記録されたディスクである。ブルーレイと HD DVD に互換性は無く、VHS と β みたいにユーザー不在の企業間競争が影響している。ただ HD DVD 陣営は東芝一社であり、非常に形勢は悪い。DVD の画素数が 720 x 480 ドットであるのに対して、ブルーレイは 1920 x 1080 ドット。このフルハイビジョンによる映画ソフトを観てしまうと、もう DVD には戻れなくなるほど画質の違いは大きい。昨秋からブルーレイ・ディスクによる映画ソフトが少しずつ発売されているが、今年こそブルーレイ元年になりそうである。ソニー・ピクチャーズから 5月には「007/カジノ・ロワイヤル」のブルーレイ・ソフトの発売予告が出ましたし、007 ファンとしてはそれまでの全 20作を早くブルーレイで発売して欲しいものだ。写真のソフトは左上から「ブラックレイン」「M:i:III」「沈黙の戦艦」「ディープ・ブルー」「リーサル・ウェポン」。

2007年3月15日 (木)

007

私はスパイ映画、最近は普通のアクション映画になり下がってしまったが、 007 シリーズが大好きで、劇場で観るのはもちろん、自宅でも同じ作品を何度も観ている 007 バカである(笑)。 007 と言えばなんといってもショーン・コネリー。ショーン・コネリーというよりジェイムズ・ボンドそのもの・・・・という感じですね。本人もそう見られるのが嫌で人気絶頂期に役を降りてしまった。以後、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアーズ・ブロスナンと来て最新作のダニエル・クレイグ。私の好みからはロジャー・ムーア時代がシリーズとしては一番面白くなかった。イアン・フレミング原作の緊張感に一番欠けているキャラクターだったからである。それと格闘シーンの演技が下手でした。第2作「007/ロシアより愛を込めて」でオリエント急行内で敵の殺し屋レッド・グラント役のロバート・ショーとショーン・コネリーの格闘シーンは映画史上に残ると言っても過言ではない見事な演技でした。アクション映画を得意としたテレンス・ヤング監督の面目躍如というところです。それに比べるとロジャー・ムーアは体が動かないですね。ひたすら彼特有のユーモアだけを全面に出していたジェイムズ・ボンドでした。ボンド役はスマートさ、カッコ良さ、男臭さ、緊張感を感じさせる役者でなければならない。これは原作から私がイメージするジェイムズ・ボンドなのですが、これにピッタリなのがショーン・コネリーです。ティモシー・ダルトンはスマートさには欠けていましたが、わりと好きなボンドでした。ただ本国イギリスでの人気がイマイチだったそうで二本で役を降ろされてしまった。その後四本に出演したピアーズ・ブロスナンもなかなか良かったです。新しいボンド像を作ったと思います。ショーン・コネリー以降では私の好きなボンドでしたが、第20作「007/ダイ・アナザー・デイ」を最後に降りてしまったのが残念である。
で、最新第21作「007/カジノ・ロワイヤル」で初登場の金髪、ブルーアイのダニエル・クレイグ。スマートさ、カッコよさ、にはほど遠いキャラクターで、まさかイオン・プロがああいうボンド役を設定するとは思わなかった。今回は久しぶりのイアン・フレミング原作ものでしたが、次回作以降はまたオリジナル脚本で製作しなければならないので、果たしてどういう風に作って来るのか乞うご期待というところ。写真は第3作「007/ゴールドフィンガー」のソフト。上左が初回発売のレーザーディスク、上右が再発売のデラックス版。音声はデジタルサウンド。下左は初回の DVD。下右が最近発売されたデジタル修復処理された再発売版DVD。このデジタル修復版は初回発売の DVD とは別物のように映像が奇麗になっており、音声も 5.1CH サラウンドに生まれ変わっています。ハイビジョン・ディスクであるブルーレイ・ディスク・ソフトとしての発売を目的としてデジタル修復されたものと思うが、今から発売を楽しみにしている。007