2020年3月30日 (月)

007/トゥモロー・ネバー・ダイ

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007/トゥモロー・ネバー・ダイ(Tomorrow Never Dies)

 007シリーズ第18作 1998年3月公開(日本)

出演 : ピアース・ブロスナン(ボンド)、ジョナサン・プライス、ミシェル・ヨー、リッキー・ジェイ、ゲッツ・オットー、ジュディ・デンチ(M)、デスモンド・リュウェリン(Q)、サマンサ・ボンド(マネーペニー)

主題歌 : シェリル・クロウ
音楽 : デヴィッド・アーノルド
脚本 : ブルース・フィアスティン
監督 : ロジャー・スポティスウッド

満開の桜に思わぬ雪風景。生きている間に一度か二度くらいの絶好の機会! しかし、外出自粛要請。諦めました。

なので昨日は、自宅で映画でも見て過ごすのが良いと。で、久しぶりにピアース・ブロスナンがボンドを演じた作品を見ました。過去、何回か見てはいるのですが。(^^;

ところが、ブロスナンがボンドを演じた作品を拙ブログで採り上げるのは初めてでした。ブロスナンにとっては前作「ゴールデンアイ」に引き続いて自身、二度目のボンド役。ブロスナンのボンド像を確立した作品のように思います。

私、ロジャー・ムーアのボンドがあまり好みではありません。ファンの方、申し訳ありません。ムーアのボンドはコメディタッチで、シリアスなスパイ映画という感じをまったく受けなかったのです。もっとも脚本にも問題がありましたが。ムーアの後にボンド役を演じていたティモシー・ダルトンは結構好みだったのですが、人気がなくて二本で降板してしまいました。

さて、本作のストーリーですが、英国海軍のフリゲート艦が何者かによるGPSの撹乱により、中国領海で沈没。中国のミグ戦闘機による警告を受けたものの、沈没の原因はGPSを操った者による攻撃であった。

沈没の事は公式発表していないにも関わらず、メディア界を牛耳るカーヴァー(ジョナサン・プライス)発行の新聞「トゥモロー」がすっぱ抜きの記事を掲載。フリゲート艦沈没の前に不可思議なGPS電波をMI6のシンガポール支局が受信していたため、Mはボンドをカーヴァーの懐へ送る事に。

ボンド役2本目となったピアース・ブロスナン、コメディタッチ一本で突き進んでいたロジャー・ムーアと違い、ブロスナンは時にユーモアを交えながらも、シリアスな面も充分発揮しています。ショーン・コネリーのボンド像を引き継いでいる感じがします。

歴代のボンド役の中で、アクションシーンが一番下手だったムーアと違い、ブロスナンは身体の動きにも軽快さがあり、或る意味スマートなボンドを演じていますね。

ブロスナンの作品からMを演じる役者さんが女性(ジュディ・デンチ)に変わって面食らってしまったものですが、二本目となった本作品から違和感は大分なくなりました。しかし、Mの秘書、マネーペニー役は初代のロイス・マクスウェルが最高でした。秘書室でのボンドとのコミカルなやり取りは束の間の実に楽しいシーンだったです。^_^

ところで、ロジャー・ムーアの作品以降、敵役の俳優さんに毎回物足りなさを感じているのは私だけなのでしょうかねぇ?
どの俳優さんもある種の「凄み」を感じないのです。本作品のカーヴァーを演じているジョナサン・プライスはその最たる方ですね。ご本人には大変申し訳ないですが。

過去の作品を思い返してみれば、「ドクター・ノオ」のジョセフ・ワイズマン、「ロシアより愛をこめて」のロバート・ショウ、ロッテ・レーニア、「ゴールドフィンガー」のゲルト・フレーべ、「サンダーボール作戦」のアドルフォ・チェリ、「007は二度死ぬ」のドナルド・プレザンス、「女王陛下の007 」のテリー・サバラスと、皆さん個性的な敵役を演じていましたよね?

最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の敵役も観る前から「どうなんだろう?」と、疑問を感じる俳優さんですし。ハイ、しょうもない自分です。(笑)

本作品の音楽を担当しているデヴィッド・アーノルドですが、ジョン・バリーのスコアを踏襲していて、007シリーズらしさはまぁまぁ感じます(おお、生意気)。それと、シェリル・クロウの主題歌が良いです。

ブロスナンのボンド、未だご覧になっていらっしゃらないようであれば、是非ご覧ください。あ、最近はレンタル屋さんも市中に無くなっているようですね。であれば、ディスクをご購入して。^_^

2020年1月11日 (土)

松竹映画「男はつらいよ 50 お帰り寅さん」

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男はつらいよ 50 お帰り寅さん(劇場公開中)

山田洋次監督作品 2019年 松竹映画

出演 : 渥美清、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、浅丘ルリ子、池脇千鶴、夏木マリ、桜田ひより、美保純、佐藤蛾次郎 他
脚本 : 山田洋次、朝原雄三
音楽 : 山本直純、山本純ノ介

久々に「男はつらいよ」の新作を観る事が出来ました。上映中、私はところどころで不覚にも涙がこぼれてしまいました。山田洋次監督作品に駄作は無いですね。

前作で満男(吉岡秀隆さん)と初恋の相手、泉(後藤久美子さん)はめでたしめでたしになるものと思っていたのですが、紆余曲折あってそれぞれ別の相手と結婚していたのです。泉はフランス在住、満男は妻に先立たれ、愛娘(桜田ひよりさん)との二人住まい。

おいちゃん、おばちゃん、裏の朝日印刷社長である通称タコ社長も今は亡く、帝釈天の御前様も現在は二代目。それなりに時は経っているのです。そんな或る日、都内の書店で満男と仕事で帰国していた泉がひょんな事から再会。物語はここから進んで行きます。

満男の回想シーンで登場する寅さん、スクリーンで観る久しぶりの寅さんです。今更申すまでもなく、やはり渥美清さんは天才的名優ですね。抱腹絶倒のメロンのシーン(寅次郎相合い傘)、何回観ても爆笑ものです。^_^

ちなみに過去の全作品、4Kによるデジタル修復が行われ、その4Kデジタル映像を使って昨秋、数作品が劇場でリバイバル上映されました。同時にその4K映像の全作品がBlu-rayで発売されています。したがって回想シーンで観られる過去の作品、まるでつい最近撮影されたかと錯覚してしまうほど、鮮鋭な映像で観る事が出来ます。

満男の娘役を演じている桜田ひよりさん、可愛いですね。その他のレギュラー出演者さんも久々スクリーンで観る事が出来ましたし、リリー(浅丘ルリ子さん)も健在。神田神保町でスナックのママさんでした。

再会した満男と泉は果たしてどういう結果になるのか?

尚、泉は昔、家を出て行った父と養護施設で面会するのですが、父親役だけ過去の俳優さんと違う人が演じていました。誰が演じているかは劇場でご確認ください。以前の父親役は寺尾聰さんが演じています。

今回の作品、ひとつだけ不満があります。それはメインタイトルで流れて来る主題歌が渥美清さんではなかった事です。もしかしたらエンドタイトルを印象的にする為かもしれませんが。

一昨年に制作発表がありましたが、途中山田洋次監督が体調を崩したりと、完成が心配されたものの、無事正月映画として公開され、ファンとしてはホッとしました。監督の年齢と体調を考えると続編は難しいでしょうね。

私が思う日本の三大名優、それは三船敏郎さん、渥美清さん、高倉健さんです。今回の作品を観て、つくづく渥美清さんは天才的名優さんだったという事を再確認したものです。

是非、今回の作品をご覧頂きたいです。

「伯父さん、人間は何の為に生きてんのかなぁ?」
「あぁ・・・生まれて来て良かったなぁ・・・って思う事が何遍かあるじゃない。その為に人間生きてんじゃない?」

「困った事があったらな、風に向かって俺の名を呼べ」

※ 日曜日夜、NHK-BSで山田洋次さん原作・脚本による「贋作 男はつらいよ」が放送中で、なんと舞台を大阪に持って行っています。寅さんを落語家の桂雀々さん、さくら役を常盤貴子さんが演じています。

2019年8月 5日 (月)

ボンドカー、オークションに!

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007/ゴールドフィンガー(イオン・プロダクション制作)

出演 : ショーン・コネリー、ゲルト・フレーベ、オナー・ブラックマン、ハロルド・坂田 他
主題歌 : シャーリー・バッシー
音楽 : ジョン・バリー
監督 : ガイ・ハミルトン
製作 : アルバート・R・ブロッコリ、ハリー・サルツマン

日曜日(4日)の朝、テレビの報道で知ったのですが、「007/ゴールドフィンガー」の撮影で使われたボンドカー、アストンマーチン DB5が今月中旬に開催されるサザビーズのオークションに出品されるそうです。

テレビではジェイムズ・ボンドのテーマの音楽と共に映画で見られた車幅灯から出て来るマシンガンやクルクル回転するナンバープレート、飛び出すバンパーその他を見せていました。落札金額は6億円を超えるのではないかと予想されています。

使い道に困るほどお金を持っていたら、私が落札したいです。(^^)

ボンドカーの原点はやはりDB5ですね!

ちなみに改造されたDB5は映画を面白くするために制作会社であるイオン・プロが考えたものではなく、原作(イアン・フレミング著)に登場しています。ただ、原作である小説が書かれた時代のアストンマーチンはDB3だったようで、小説にはDB3の改造車が登場しています。余談ですが、私は原作を全作読んでいます。(笑)

映画はオープニングのシーンにシリーズのエッセンスがすべて織り込まれていましたね。ボンドが任務を終えてダイビングスーツを脱ぐと、その下は何と白のタキシード。で、どこから出したか手にした紅いバラ一輪を胸に挿すという。

アクションの後、メインタイトルで聴かれるシャーリー・バッシーの主題歌がまた強烈な印象を残します。主題歌の「ゴールドフィンガー」は数年前、トヨタ自動車のテレビCMでもまた使われていましたね。

ダニエル・クレイグ最後のボンド映画と言われている最新作は来年四月公開に向けて現在撮影中とか。MI6を退職したボンドは前作のボンドガール、マドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)とジャマイカで幸せな結婚生活を送っていた。そこへCIA在籍の親友であるフェリックス・レイターが依頼仕事を持って来るのですが、愛妻のマドレーヌ・スワンは敵に襲われ死に至るようで。ボンドは復讐のために立ち上がる、というようなストーリーらしいですが、もし本当にそうなら「女王陛下の007」から「ダイヤモンドは永遠に」へと続く作品のリメイクのよう。

しかし、最近のシリーズは間が空き過ぎのように感じています。前作を劇場で見た時、ダニエル・クレイグに対し「随分老けたなぁ・・・」と思ったものです。原作をすべて映画化し終わってからは、このシリーズも以前ほどの面白さを感じなくなっています。近年は007シリーズを真似て作られている「ミッション・インポッシブル」の方が映画としては面白いですね。

2019年7月 4日 (木)

さくら、元気でな!

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さくら、元気でな! 博と上手くやれよ。困った事があったらなぁ、風に向かって俺の名を呼べ! それから、おいちゃんにさっきはすまなかったと、さくら・・・代わりに謝っちゃくれねぇか? すまねぇな!じゃ、あばよ!

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多分、もう撮影は終了しているのではないかと思うのですが、記念すべきシリーズ最新・第50作「男はつらいよ/お帰り 寅さん」が今年12月27日から全国公開されます。もちろん主演は渥美清さんです。そうそう、後藤久美子さんが以前と同じ役で登場するらしいですよ。

公開が楽しみです!

※ フィルムシミュレーション ETERNAで撮影

FUJIFILM X-H1
XF 23mm F2 R WR

2017年6月14日 (水)

松竹大船撮影所跡

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大船・松竹通りにて

松竹大船撮影所跡を訪れてみました。しかし、撮影所の名残りは皆無で、通り名に「松竹通り」として僅かに残っているだけ。

調べてみると、松竹蒲田撮影所(東京都大田区)が大船に移転したのが1936年の事。町工場の多い蒲田では撮影中に工場の騒音が音声に入ってしまうという事が移転の理由だったようです。

その蒲田撮影所を舞台にした映画「キネマの天地」が山田洋次監督作品にありますね。当時新人だった有森也実さんの出世作と言って良いでしょう。山田洋次監督によって映画に引っ張られた女優さんはその後、皆大成していますね。この作品で、渥美清さんが有森也実さんの父親役を演じており、実に素晴らしい演技をしていました。

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撮影所が在った敷地には現在このようなショッピングセンターが。三越さんも入っていたようですが、2009年に閉店・撤退しております。隣の敷地も鎌倉女子大学が購入し、現在は同大学の大船キャンパスになっています。

渥美清さんの死により「男はつらいよ」シリーズが製作不能となり、松竹は一気に経営が悪化し、撮影所すら売却せざるを得なくなったわけです。

しかし、元々「男はつらいよ」シリーズと二年に一作程度製作されていた他の山田洋次監督作品(幸福の黄色いハンカチ等)で会社の屋台骨を支えていたわけですから、シリーズが続けられなくなれば、経営が悪化するのは必然だったのでしょう。

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山田洋次さんが脚本を書いていた「釣りバカ日誌」は東映東京撮影所(東京都練馬区)を借りて撮影されていたようです。

ちなみに「男はつらいよ」シリーズの「とらや(後にくるまやに改名)」は大船撮影所でのセット撮影だという事はご存知だと思いますが、念の為。

松竹大船撮影所は2000年6月30日、完全閉鎖。

ご高齢の山田洋次監督(現85歳)、後何本映画を製作してくれるのか、それが心配です。山田洋次さん以外、日本映画で見たいと思わせてくれる映画監督が現在居ませんのでねぇ・・・。

2017年5月29日 (月)

「家族はつらいよ2」山田洋次監督作品

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松竹映画「家族はつらいよ2」

出演 : 橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、小林稔侍、風吹ジュン、劇団ひとり 他
原作 : 山田洋次
脚本 : 山田洋次、平松恵美子
音楽 : 久石譲
監督 : 山田洋次

5月27日より、全国の劇場で公開中

私がもっとも敬愛する映画監督、山田洋次さんの新作が公開されました。今回の作品は昨年三月に公開された「家族はつらいよ」の続編で、出演者も役柄もまったく同じ。

前作は平田周造(橋爪功さん)と妻の富子(吉行和子さん)との離婚騒動がメインのお話しでした。今回は周造の運転免許証を家族が返上させようとするところから物語はスタートします。今の日本、高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が連日のようにテレビニュースで流れていますよね。

ところが頑固な周造は運転免許証を返上する気はさらさらありません。それどころか自分が通っている飲み屋さんの女将(風吹ジュンさん)を乗せて浮き浮き気分でドライヴする始末。(笑)

しかし、そのドライヴがこの映画のストーリーを大きく変えて行くのです。ドライヴ中、周造は思わぬ場所で故郷広島の同級生(高校)、丸田吟平(小林稔侍さん)と出会うのです。一緒に酒を酌み交わし、酔った勢いで丸田を自宅に泊めるのですが・・・。

この後、思いも掛けない大どんでん返しがありました。スクリーンを観ていて私、「え!?」と思ったものです。

詳しいストーリーはここで書き記す事は出来ませんので、是非ご覧になって頂きたいです。

さすが山田洋次監督作品、ただの「喜劇作品」では終わりません。現代日本が抱える大きな問題点、高齢者層が年々増えてしまっている状況、それに伴う福祉の立ち遅れ。選挙の度、立候補者が一様に口に出す「福祉の充実」というお題目。しかし、実際に当選するとそんな公約は忘れて自分の利益しか考えないのが日本の政治家たちの実態ですよね。

「死ぬまで働かなければいけないのか!」

という劇中のせりふが何とも心に残りました。

余談ですが、映画製作も現代はデジタル撮影が当たり前になりました。しかし、山田洋次監督は今もフィルム撮影に拘っておりまして、今回の作品もコダックのフィルムを使って映画を撮っています。残念ながら劇場での上映はオリジナルフィルムをデジタルスキャニングしたものによるデジタル映写です。

2017年5月16日 (火)

映画「阪急電車 -片道15分の奇跡-」

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東宝映画「阪急電車 -片道15分の奇跡-」2011年4月公開

出演 : 中谷美紀、宮本信子、戸田恵梨香、南果歩、勝地涼、谷村美月、有村架純、芦田愛菜、玉山鉄二、小柳友 他
原作 : 有川浩
音楽 : 吉俣良
監督 : 三宅喜重

>人はそれぞれ皆、いろんなやり切れない気持ちを抱えて生きている。
>死ぬほど辛いわけではないけれども、どうにもならない思いを抱えて生きている。

>泣くのはいい。でも、自分の意思で涙を止められる女なりなさい。

>綺麗な女は損するように出来ているのよ。

>嫌味なばあさんね・・・!
>嫌味なばあさんの方が、迷惑なおばさんより、よっぽどマシです。

今日は久々に映画のご紹介。上の言葉は映画の中で登場人物が言うセリフで、私が印象に残ったものを採り上げています。

この映画、私は三回も見ました。と申しましても劇場ではなく、拙宅で・・・という事ですが。

まるで山田洋次監督作品を思わせる、実にほのぼのとした良い作品だと思います。

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映画は高瀬翔子 32歳OL(中谷美紀さん)の身に起こった思いもよらない不幸な出来事から始まります。結婚式直前にフィアンセから別れ話しを持ち出されるという・・・。

この映画は片道僅か15分で始点終点を結ぶ阪急電鉄の「今津線」を利用する人たちの、オムニバスストーリーです。しかしながら、見ず知らず・・・全くの赤の他人である登場人物たちがどこかで接点を持つという、昔からある映画の手法が取られています。

阪急電鉄 今津線は兵庫県の宝塚駅と西宮北口駅間を結ぶ全長7.7キロの路線で、全8駅。

メインとなる登場人物は、8歳の少女から65歳のおばあちゃんまでという、幅広い年齢層の男女8人。そこに人への迷惑も顧みない、電車の中で大声で騒ぎまくる元気なおばちゃんたちが絡みます。(笑)

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阪急電鉄 宝塚線

登場人物の中でも一番の肝が、萩原時江 65歳(宮本信子さん)でしょう。電車の中で真っ白いドレスを来て涙を流している高瀬翔子に、時江が声を掛けます。

赤の他人からの優しい親切が、翔子の声を出して泣きたいほど悔しい思いが少しずつ晴れて行きます。その翔子が今度は同級生から仲間外れになっている8歳の女の子に施す親切が、女の子に元気を与えるという・・・。

見ていて、ああいいなぁ・・・と。^_^

そうそう、音楽が映像の雰囲気に実にマッチしていて、とても良いのです。「あれ? この音楽、どこかで聞いたような・・・」と感じ、記憶を呼び起こしてみると、『そうだ、香取慎吾さんのテレビドラマ「薔薇のない花屋」の音楽に似ている』と思い、調べてみたら同じ作曲家でした。^_^

いろいろな人生模様が見られるこの作品、是非ご覧になってみてください。

※ 阪急電鉄の2枚の写真は私が撮影したものです。

2017年1月27日 (金)

映画「武士の一分」山田洋次監督作品

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映画「武士の一分」2006年度 山田洋次監督作品

出演 : 木村拓哉、檀れい、笹野高史、坂東三津五郎、緒形拳、小林稔侍、桃井かおり、大地康雄、赤塚真人 他
原作 : 藤沢周平
脚本 : 山田洋次、平松恵美子、山本一郎
音楽 : 冨田勲
監督 : 山田洋次
製作 : 「武士の一分」製作委員会
配給 : 松竹

久しぶりに映画の記事です。しかし、あいも変わらず山田洋次監督作品です。(^^;

山田洋次監督の本格時代劇三部作のうち、「たそがれ清兵衛」と「隠し剣 鬼の爪」は大分前にご紹介済みですが、三部作最後の作品「武士の一分」を今日は。

昨秋、人気アイドルグループ「SMAP」の解散が話題になっていましたが、メンバーの一人、木村拓哉さんを山田洋次監督はこの映画の主役に抜擢しております。テレビのラブロマンス的ドラマで高視聴率を上げていた木村拓哉さん。しかし、製作が発表された時、正直・・・「え!?」と思ったものです。

どうも木村拓哉さんと時代劇が私には結び付かなかったのです。ですが、山田洋次さんの作品です。公開と同時に私は劇場に足を運びました。で、主役の木村拓哉さん、カツラがイマイチ合わないような。(^^;

ただし、映画作品としては第一級の素晴らしい出来上がりです。そもそも山田洋次監督作品に駄作はありませんから。何より、檀れいさんが素晴らしい妻役を演じております。私はこの作品を観て、檀れいさんのファンになりました。(笑)

宝塚の娘役としてのトップスターだった彼女は、この作品で銀幕デビュー。と同時に、この作品で日本アカデミー賞優秀主演女優賞と新人俳優賞のダブル受賞をしています。山田洋次監督作品に出演して、その後あちこちで引っ張り凧になった俳優、女優さんは枚挙にいとまがありません。檀れいさんも例外ではないですよね。余談ですが金麦のテレビCM、最高です。(^^)

時代劇とはいっても山田作品ですから、今回も「家族」を描いています。

現在の山形県と思われる海坂藩。藩主のお毒味役である三村新之丞(木村拓哉さん)は或る日、毒味で食べた貝の毒にあたり、失明してしまう。もし、失明が原因で家禄を解かれたら、と心配になった親戚縁者は、妻の加世(檀れいさん)に何とかしてもらうよう番頭の島田藤弥(坂東三津五郎さん)に頼んでみろ、と。気は進まないものの、仕方なしに加世は島田の屋敷へ向かう。

とまぁ、物語の発端はこういう感じです。

時代劇三部作、どれも感動する良い作品群ですが、この「武士の一分」も観終わった後には熱い感動が残りました。実はこの作品、私はすでに五回は観ています。(^^;

私、好きな作品は繰り返し何度も観る習性がありまして・・・(笑)
特に山田洋次監督作品と007シリーズは本当に繰り返し、自宅で観ています。「武士の一分」は音声が5.1chで収録されておりますので、臨場感たっぷり。雷鳴のシーンや雨のシーンでは自分がそこにいるような錯覚すら覚えます。

何より冨田勲さんの音楽が素晴らしく、映画をより一層盛り上げてくれます。やはり映画は音楽に魅力が感じられませんと楽しみが半減しますからね。

三村新之丞にとっての「一分(いちぶん)」とは何か。それはクライマックスに向けて重い意味が込められているのです。

熱い感動が残るこの作品、レンタルでも結構ですから是非ご覧になるようお勧め致します。

2016年8月29日 (月)

男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日

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松竹映画「男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日」1988年12月公開

出演 : 渥美清、三田佳子、倍賞千恵子、下條正巳、三崎千恵子、前田吟、三田寛子、吉岡秀隆、すまけい、尾美としのり、鈴木光枝、佐藤蛾次郎、笠智衆 他
脚本 : 山田洋次、朝間義隆
音楽 : 山本直純
監督 : 山田洋次

小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ(島崎藤村)

今年8月4日は、渥美清さんがお亡くなりになって20年になるそうです。NHK-BSでは特集番組が組まれ、寅さん映画も何本かまとめて放映されましたね。

そこで私も久し振りにディスクを取り出し、今日ご紹介の作品を見ました。もう何回か見ているのですが、シリーズの中でも叙情的で好きな作品です。

舞台は信州小諸。一人暮らしの老婆(鈴木光枝さん)と小諸駅前で知り合った寅さん。老婆のご好意で一晩泊めてもらうと、小諸病院の女医である真知子(三田佳子さん)が翌朝、入院させるため迎えに来ます。しかし老婆は「病院は嫌だ、家で死にたい」と言うも、寅さんのひと言で入院する事に。

病室で老婆が寅さんに、「寅さん、あの先生もな・・・旦那さんと死に別れて寂しく暮らしてるだ。あんた慰めてあげてくれや。おらにしてくれたようにな」と。

それを聞いた寅さん、途端に元気に・・・(^^)

この作品、抱腹絶倒、爆笑の合間合間に、命の尊厳、そして誰しもが年老いてから向き合わなければならない「死」という問題に対し、山田洋次監督が映画を見ている我々に問い掛けをしているように思います。

真知子が運転する車に乗り込むシーン、老婆はじっと我が家を見つめ、「これが家、見納めだ・・・」と、涙ぐむ。老婆は死ぬなら家で死にたいと言っていたのです。

老婆の処遇に悩んでいた真知子が病院長(すまけいさん)に自分の気持ちを吐露した言葉に重みがあります。

「人生の最後をどう迎えるかを選ぶのは、その人の権利じゃないでしょうか?」

このシーンは胸にジーンと来ました。私の父は生前、自分で自分の事を出来なくなったら、自分で自分の命を絶つものだ、と言ってました。或る意味、昔の武士道精神でしょうか。
結局、父は自宅ではなく、病室で最後を迎えてしまいましたが、私は未だに家で最後を迎えさせてあげたかったという思いが残っています。

閑話休題 作品のタイトルはベストセラーになった俵万智さんの歌集「サラダ記念日」から来ているわけですが、ストーリーの途中途中に俵万智さんがこの映画のために書いた短歌が字幕で出て来ます。

ひょんな事から早稲田大学の教室に紛れ込んでしまったシーン、ここはもう大爆笑です。三國一郎さん演じる大学教授がまた良い味を出しています。

寅さんが早稲田の杜にあらわれて
やさしくなった午後の教室

小諸病院(実在します)の女医さんを演じている三田佳子さんも素敵ですね。映画の最後、おいちゃんやおばちゃんたちはまた寅さんがふられたと思うわけですが、実際は三田佳子さん演じる真知子の方が寅さんに想いを寄せていたのではないか、私はそう思いました。(^^)

寅さんが老婆の葬儀を終えて真知子が留守にしている間に家を去る時、真知子の姪の由紀に残す言葉、「いいか由紀ちゃん(三田寛子さん)、叔母様は女だ。悲しい事や辛い事があった時に、ちゃあ〜んと筋道を立てて、どうしたらいいかな?と考えてくれる男(ひと)が必要なんだよ。由紀ちゃん、そういう人探してやんな」と。すると由紀が、

「でも・・・その人が寅さんじゃいけないの?」との言葉に、寅さんは由紀がこしらえたサラダをひと口食べて真知子宅を去ります。

寅さんが「この味いいね」と言ったから
師走六日は「サラダ記念日」

旅立ってゆくのはいつも男にて
カッコよすぎる背中見ている

劇中、大学受験で悩んでいる満男(吉岡秀隆さん)が寅さんに、「大学に行くのは何のためかな〜?」と問い掛けるところがあるのですが、ここで山田洋次監督はとても良い事を言ってますね。もちろんその問い掛けに対する答えを寅さんが言うわけですが、さすが山田洋次監督! という思いです。

この事が、由紀とのやり取りの伏線になっているわけですが。

そこで名言を残した寅さんが、「久し振りにきちんとした事考えたら、頭痛くなっちゃった・・・」と。笑いました。(^^)
でも、山田洋次監督の言葉に相応しい大学生、今・・・どのくらい居るのでしょうか?

爆笑の連続の中に重い問題を問い掛けた本作品、是非ご覧になって頂きたいです。ひなびた小諸の町も素敵です。山本直純さんの音楽がまた各シーンにピッタリで。

文中の短歌はもちろん映画に合わせて俵万智さんが詠まれたものです。

2016年3月26日 (土)

「家族はつらいよ」山田洋次監督作品

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松竹映画「家族はつらいよ」

出演 : 橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、小林稔侍、風吹ジュン、笹野高史、笑福亭鶴瓶 他
脚本 : 山田洋次、平松恵美子
音楽 : 久石讓
監督 : 山田洋次

現在、全国の劇場で公開中

悲劇と喜劇は背中合わせ。そういう事を改めて思わせてくれた作品です。久々に映画を観て笑わせて頂きました。「母と暮せば」で山田洋次監督は、戦争や原爆に触れたシリアスなドラマを作り上げたわけですが、その後に喜劇を持って来るという、何か山田洋次監督らしさを私は感じました。

一貫して「家族」を描き続けて来た山田洋次監督ですから、今回も変わらず「家族」がテーマです。極々平和な三世代家族と思われていた平田周造(橋爪功さん)一家。妻である富子(吉行和子さん)への誕生日プレゼントとして欲しいものを周造が尋ねると、富子は周造に「450円のプレゼントをお願い」と申し出ます。

「450円?」と訝しげに思う周造。すると富子は自分への誕生日プレゼントはこれをお願いしますと、すでに自分は署名捺印を済ませている「離婚届」を周造の前に突きつけるのです。びっくり仰天の周造!

おまけに長女・成子(中嶋朋子さん)が夫と別れたいと実家である平田家に泣きついてくる始末。(笑)
成子を追い掛けて来た夫の泰蔵(林家正蔵さん)が周造に執り成しを願い出るも、周造自身も妻から離婚を申し出られていると暴露し、平田家は大変な騒ぎに。(^^)

さて、世のご主人様。妻から誕生日プレゼントととして離婚届に判を押してくださいと言われたら、どうします?(^^)

笑えたのが富子のこの言葉。
「あなたと一緒にいる事が私のストレスなの!」

何十年も不満ひとつ言わず、健気に夫に尽くして来た、言わば古き良き時代の「日本の妻」を務めて来た富子だからこそ重みを感じるこの言葉。

しかし、最後は山田洋次監督らしい結末です。既婚者も未婚者も、男性も女性も、是非観て頂きたい問題作です。(笑)

ところどころ、寅さんシリーズを思い起こさせるシーン(例 : 周造が階段でこけたり)もありますし、何気なく背景に「東京家族」のポスターが貼られていたり。(^^;

その名作「東京家族」の出演者でコメディーを作ってしまうという・・・、山田洋次監督ならではの発想ですね。(^^)

そうそう、メインタイトルのアニメーションはイラストレーター横尾忠則さんの手によるものですが、その後の平田家の騒動を暗示させる面白い作りでした。

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