2021年10月24日 (日)

イ・ムジチ合奏団を楽しむ

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ヴィヴァルディ/フルート協奏曲集 作品10(全曲)

第1番 ヘ長調「海の嵐」
第2番 ト短調「夜」
第3番 ニ長調「ごしきひわ」
第4番 ト長調
第5番 ヘ長調
第6番 ト長調

セヴィリーノ・ガッゼローニ(フルート)
イ・ムジチ合奏団

蘭PHILIPS 839 726 LY

先月、NHK-BSでイ・ムジチ合奏団の演奏によるヴィヴァルディの「四季」が放送されました。2019年10月2日、サントリー・ホールでの来日公演で、ゲスト・コンサートマスターとしてイタリア出身のマッシモ・スパダーノというヴァイオリニストが独奏を担当していました。即興的で、なかなかユニークな独奏でした。

来日公演直前にコンサートマスターのアントニオ・アンセルミが急逝した為、急遽スパダーノがゲスト参加したと放送でナレーションされておりました。アンセルミもスパダーノも知らないヴァイオリニストですが、イ・ムジチ合奏団の「四季」を楽しんで聴く(視る)事が出来ました。

実は私、イ・ムジチ合奏団は既に解散していると思っていたものですから、ビックリして放送をタイマー録画しておきました。まさか映像で現在のイ・ムジチ合奏団の演奏が見られるとは思いませんでした。世代交代しながら演奏活動は継続していたのですね。無知識でお恥ずかしい限りです。(^^;

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ヴィヴァルディ/オーボエ協奏曲集(RV451、453、455、457、461)

ハインツ・ホリガー(オーボエ)
イ・ムジチ合奏団

蘭PHILIPS 9500 299

現在のイ・ムジチ合奏団を聴いていたら、急にレコードを引っ張り出して昔のイ・ムジチ合奏団を聴きたくなってしまったのです。

ですが、私が所持しているイ・ムジチ合奏団のアナログレコードは今日ご紹介する3枚だけでして、他には以前ご紹介したESOTERICさんから発売されたSACD(ヴィヴァルディ/四季)があるだけです。

冒頭のガッゼローニをソリストに迎えたフルート協奏曲集、実に素晴らしい演奏が聴けます。私はフルートが好きなので、繰り返し楽しんでいます。

勿論 ↑ こちらの名手、ハインツ・ホリガーのソロによるオーボエ協奏曲集も名演です。

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ヴィヴァルディ/ファゴット協奏曲集(PV137、70、305、382)

クラウス・トゥーネマン(ファゴット)
イ・ムジチ合奏団

蘭PHILIPS 6500 919

この盤は今春、グリュミオーが弾くモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を購入する時に一緒に見つけたもので、既にご紹介済みですね。

このレコードがすっかり気に入ってしまったものですから、冒頭からの2枚はその後に中古店で偶々見掛けた時に購入しております。オリジナル盤ではないと思いますが、最初のフルート協奏曲集が680円、オーボエ協奏曲集が780円で、ファゴット協奏曲集も780円。どれもジャケット、レコードとも新品同様です。アナログレコードは安いですね。蘭PHILIPS盤は盤質が良いので安心して聴く事が出来ます。

昨今はバロック音楽と言えば古楽器による演奏が人気のようですが、イ・ムジチ合奏団のようにモダン楽器を使う合奏団は或る意味貴重かもしれません。あ、私がモダン楽器を好むからですが。(^^;

日頃、ベートーヴェンやブラームス、ブルックナー、そしてオペラなどを聴いている合間にイ・ムジチ合奏団のヴィヴァルディ、カール・リヒターのバッハを聴くと、何やらホッとしたりします。

今日はイ・ムジチ合奏団の名演をご紹介させて頂きました。

2021年10月18日 (月)

フルトヴェングラー正規レコード用録音

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- フルトヴェングラー正規レコード用録音集大成(限定盤)-

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
フィルハーモニア管弦楽団
ルツェルン祝祭管弦楽団
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

Warner Classics 9029523240(CD 55枚組)

初出音源(1950年 ウィーン・フィル)を含む、商用リリース用として録音されたフルトヴェングラーの音源すべてを、2021年新規リマスターでCD収録された完全BOXが先月発売されました。

春先にワーナーからフルトヴェングラー全集が新規リマスターで今秋に発売されるというアナウンスがあった時、私はてっきり英EMIに残された音源の新規リマスターだと思っておりました。ですから2010、2011年にリマスターされた英EMIのBOXを持っていた事から、新規リマスター盤を購入する気持ちはありませんでした。

ところが、今回発売されたCD BOXは英EMIの音源のみならず、ユニバーサルの協力(オリジナルマスターの提供)もあって、独グラモフォン、英DECCA、独テレフンケンの正規録音をも含んだ完全BOXだったのです。

あくまでもレコード化目的の録音のみを集めておりますので、フルトヴェングラー死後に発掘、発売されたライヴ録音等は今回外されています。したがって、英EMIがフルトヴェングラー死後に発見し発売したライヴ録音、ベートーヴェンの交響曲第2番、第8番などは今回のBOXには含まれていませんのでご注意を。私は購入してから気が付きました。(^^;

ただし、バイロイト音楽祭でのベートーヴェン第9交響曲は当初から英EMIが発売を目的にライヴ録音しておりますので、こうした音源は含まれています。その他、前述した初出音源とフルトヴェングラー協会の音源も一部含まれています。

現在20枚ほど聴き終えていますが、楽しみながら聴いております。購入当初、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を2010年に英EMIがリマスター(96kHz/24bit)したCDと、今回ワーナーが新規リマスター(192kHz/24bit)したCDとで聴き比べてみました。

「英雄」に関しては一聴して劇的に感じるほどの違いはありませんが、やはりデジタル機器の進歩もあるのでしょう、今回のワーナー盤の方に若干の良さを感じます。

独グラモフォンや英DECCAの音源はCDではほとんど持っていないので、今回のBOXは英EMIのみならず他社の正規録音をも完全収録という事で、フルトヴェングラーファンとしてはひとつに纏められたという嬉しさがあります。

ゆっくり、のんびり楽しんで行きたいと思います。

※ 冒頭の製品写真はTOWER RECORDSさんのwebサイトから借用しております。

2021年10月15日 (金)

バッハのブランデンブルク協奏曲

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J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲(全曲)

ピエール・ティボー(トランペット)
ヘルマン・バウマン(ホルン)
ハンス=マルティン・リンデ(ブロックフレーテ)
オーレル・ニコレ(フルート)
ヘトヴィヒ・ビルグラム(チェンバロ)

カール・リヒター 指揮
ミュンヘン・バッハ管弦楽団

録音 : 1967年1月、ミュンヘン

独ARCHIV 198 438/9(初期盤)

SACDを楽しむ(18)で一度ご紹介済みの歴史的名録音です。実はこの初期盤はESOTERICさんから発売されたSACD(2020年6月10日発売)を購入後、暫くして某中古店で出遭ったレコードなのです。売価は驚きの僅か750円! 調べてみたら某通販サイトでは 13,200円もしていました。

お店で検盤させて頂いたら、布張りのカートンボックス、封入されている豪華な解説書、レコード、すべて状態が良く、購入時「この状態で750円は激安!」と、内心思いながら代金を支払ったものです。

当時、既に購入済みのESOTERIC盤SACDとつい聴き比べてしまいましたが、SACDもとても良い音だという事を確認出来ました。しかし、やはり鮮度の点でこちらの初期盤が上回ります。

状態の良い歴史的名盤を激安で入手出来たのは幸運でした。入手(今年春)以来、折に触れては取り出して聴いております。ESOTERIC盤SACDを聴く機会がなくなっているくらいです。

ちなみにARCHIV(アルヒーフ)レーベルは独グラモフォンのもうひとつのレーベルで、バロック音楽を研究する専門レーベルです。発足当時は古楽器奏者が現れる前で、演奏者は皆、現代楽器で録音しています。今日ご紹介のミュンヘン・バッハ管弦楽団も現代楽器を使うオケであります。

もっとも、古楽器演奏が広まってからは古楽器奏者の演奏も録音するようになりましたが、私はバロック音楽も現代楽器奏者の演奏を好みます。リヒターのバッハ、名演ですよ。

この演奏も一昨日のブレンデルの「ます」と同じく、是非お聴きになって頂きたいです。通常のCDで発売されておりますので。

2021年10月13日 (水)

シューベルト/ピアノ五重奏曲「ます」

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シューベルト/ピアノ五重奏曲 イ長調「ます」

アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)

クリーヴランド弦楽四重奏団員
ドナルド・ワイラーシュタイン(ヴァイオリン)
マーサ・ストロンギン・カッツ(ヴィオラ)
ポール・カッツ(チェロ)
ジェイムズ・ヴァン・デマーク(コントラバス)

録音 : 1977年8月、ロンドン

蘭PHILIPS 9500 442

以前、私の愛聴盤 第27回でご紹介したシューベルトのピアノ五重奏曲「ます」ですが、前回は一般的なCDでご案内させて頂きました。

しかし、私自身が愛聴しているメディアは今日ご紹介のアナログレコードの方なのです。CDも良いですが、音的に馴染めるのはこちらのアナログレコード、オランダPHILIPS盤です。レコードの両面にゆったりとカッティングされていて、録音からそれほど時間を経たずに発売されたレコードですから音も良いです。

つい最近、久々に取り出して聴いていたのですが、何回聴いても飽きない、超名盤だと改めて思いました。

クリーヴランド四重奏団の若手メンバーもブレンデルのピアノに寄り添って、実に素晴らしい演奏を繰り広げています。

クラシック音楽ファンの方、もしこの演奏をご存知ないようでしたら、是非一度お聴き頂きたいと思っております。

2021年10月 6日 (水)

令和のジャズ喫茶

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TOMMY'S BY THE PARK

少し前に訪れたジャズ喫茶です。

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暫くぶりに横浜市営地下鉄に乗って、仲町台駅で下車。

拙宅からは遠いです。都内に出て行くのと時間的には変わりありません。

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雑誌記事の紹介を見て興味を持ち、訪れたのですが・・・。

令和の時代のジャズ喫茶、こうした明るいデザインになるのでしょうか。

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無愛想なマスター、昔は珍しくなかったですが令和の時代、どうなのでしょうか?

客商売ですからね。

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私が一見の客と見られたのかな?

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コーヒー代を支払っても「ありがとうございます」の一言も無し。

逆に私の方が「ありがとうございました」と言ってお店を後にしました。(笑)

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出て来たコーヒーです。

38cmウーファーの大型JBLスピーカーに、超弩級マッキンのパワーアンプでCDが鳴らされていました。自分の定番、オスカー・ピーターソンの「プリーズ・リクエスト」をお願いしたのですが、音については正直に申しますと期待したほどではなかったです。

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横浜市営地下鉄「仲町台駅」です。

※ 店内写真はマスター了承の元に撮影しています。

2021年9月16日 (木)

マーラー/交響曲第9番

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マーラー/交響曲第9番 ニ長調

ジョン・バルビローリ 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

録音 : 1964年1月10-11、14、18日、イエス・キリスト教会(ベルリン)

ワーナークラシックス 0190295 004286(CD 5枚組中の1枚)

オリジナル・マスターテープより2020年 192kHz/24bit 新規リマスター

先日ご紹介したようにイギリス出身の名指揮者、ジョン・バルビローリが英EMIに残したマーラー作品が昨年新規にリマスターされ、CD5枚組で発売されまして、ようやくその全5枚を聴き終えました。

交響曲4曲の中では第5番と今日ご紹介する第9番が印象に残りました。特に第9番は素晴らしい演奏で、私は初めてマーラー作品で感動しました。苦手のマーラーで、まさか・・・です。(笑)

第9番だけはおよそ三ヶ月ぶりにSONYさんのフラッグシップヘッドフォン、MDR-Z1Rを使っての鑑賞でした。聴いた時間は夜です。このヘッドフォン、ご存知の方は形が思い浮かぶでしょうが準密閉型で通気性が良くないですし、ハウジングが大きいので暑がり屋の私は夏場使用する事はありません。昨年の暑い時期も三ヶ月以上使っていなかったかと。

エアコンを入れていても大きなハウジングが耳の周りに密着するため、汗ばんでしまうのです。昨年は今年より暑かったですから、使わない期間は今年より長かったですね。今年もようやく夜は多少涼しくなって来ましたので、確か六月以来ではないかと、MDR-Z1Rをアンプに繋げたのは。

大きなヘッドフォンですが、SONYさん自らフラッグシップモデルと謳うだけの事はあります。マーラーのような大編成の作品を聴くには最高のヘッドフォンです。グランカッサの一撃からハープのピアニッシモまで、とにかく音数の多いヘッドフォンで、各楽器の微妙なニュアンスまで聴き取れます。久しぶりにMDR-Z1Rの音に酔いしれました。

夏場使うのはヘッドフォンではなく、イヤフォンを使います。お気に入りはJVCのHA-FX750というイヤフォンでして、もう7年近く使っています。(^^)

閑話休題 さて、バルビローリが指揮したマーラーの第9番、本当に素晴らしい解釈で、前述したように私は初めてマーラー作品で感銘を受けました。

終楽章の最後、しっとりと消え入るように音楽が終わる瞬間、私は「死んで行く時はこういうふうに息を引き取るのかも」と、本当にそう思ってしまったのです。何しろマーラー作品って、常に死と向き合っている作品ばかりですからね。

ヘッドフォンで聴いていると振動板が耳の傍にありますから、ピアニッシモがまったく痩せる事なく聞こえて来ます。マーラーのような作品を聴くにはヘッドフォンが良いのではないかと思ってしまったほどで。

今回、バルビローリの第9番を聴いている間、一度として退屈に感じるところはありませんでした。バーンスタインの第9番も素晴らしいですが、私にとってはバルビローリの演奏がバーンスタイン以上の名演奏に感じています。バルビローリ、第5番も良かったですが、第9番はそれ以上です。

2021年9月15日 (水)

SACDって、そんなに音が良いの?

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ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」、第7番

カルロス・クライバー 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音
1974年3月、4月(5番)
1975年11月、1976年1月(7番)

ESOTERIC  ESSG-90190(SACD)

拙ブログ、「SACDを楽しむ」というコーナーで自分が日頃楽しんでいるSACD(スーパーオーディオCD)をご紹介していますが、「SACDって、通常のCDに比べて誰もが分かるほど音に違いがあるの?」と思われている方は沢山いらっしゃるのではないかと。

SACDで音楽をお聴きになっている方、かなり少ないのではないでしょうか? そもそもオーディオに関心がないとSACDの存在すらご存知ないと思います。

で、音の違いですが、正直私もSACDとCDには劇的な違いはないと思っています。(^^;

では、何故わざわざ価格の高いSACDを買うのですか?
・・・と尋ねられたら、「単なる自己満足です」

と、答えたら身も蓋もないですね。ではと、同じ音源を使ってSACDとCDとを聴き比べてみました。

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CD(独グラモフォン輸入盤)

使用した音源はカルロス・クライバーがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したベートーヴェンの交響曲です。SACDはESOTERICさんから発売されたディスクを、CDは独グラモフォンの輸入盤です。もう一枚、拙宅にはBlu-rayオーディオのディスクもありますので、これを加えて三種類のディスクで聴き比べてみました。

さらに拙宅には独グラモフォンのアナログレコードも有るのですが、今回レコードは対象にしていません。聴き比べはデジタルディスクのみという事であります。

延々と聴いて全曲を聴き比べるのはさすがに無理なので、「運命」は第一楽章、例のジャジャジャジャ〜ン!という有名な運命動機から提示部まで。第7番は第四楽章の提示部を聴きました。

- CD -
なかなか迫力のある冒頭です。ただ、ヴァイオリン群の高音域に僅かばかりのザラつきを感じます。この後にSACDを聴くわけですが、それで思ったのがCD化の際、少し高音域をイコライザーで持ち上げているのではないかと、そういう感じを持ちました。ホールの響きは良い感じです。CDだけで聴いている分には特に不満は感じないと思います。

- SACD -
「え!?」と感じるほど違いがあります。ただし、この違いはSACDとCDの音質差というより、マスタリングの違いによるものだと思います。

SACDにはCDで感じたヴァイオリン高音域のザラつきはありません。実にすっきりと伸びたヴァイオリンを聴く事が出来ます。さらに中低域(チェロ、コントラバス)もCDより若干伸びがあり、オーケストラを聴く醍醐味がSACDにはあります。

で、CDで聴かれた残響音は見事なものでしたが、SACDを聴いて分かったのはCDの方はマスタリング時に少しエコー成分を加えているな、という事。

この点は第7番の第四楽章を聴いた時に確信する事に。明らかにCDの方が残響音が長いです。実際には後付けのエコー成分でしょう。CDは結構音を弄っているのだという事を聴き比べてみて初めて知りました。思わぬ収穫です。(^^)

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- Blu-ray disc Audio(96kHz/24bit)-
こちらはBlu-rayオーディオですが、あまり需要がなく、事実上消え去るメディアだと思います。映像作品ではなく、ハイレゾ音源を収録しただけのBlu-rayディスクです。Amazonが 1,000円で投げ売りしていた時に購入しました。

こちらの音はCDともSACDとも違いますが、どちらかと言うとESOTERIC盤に近いです。ESOTERICさんがユニバーサルから借り受けたマスターは恐らくこの96kHz/24bitのハイレゾマスターだと思います。

このマスターを元にESOTERICさん独自のマスタリングを行い、DSD化されたのではと推測します。

今回、三種のディスクを聴き比べてみて、自分の好みはESOTERIC盤でした。こうなるとアナログレコードも久々に取り出して確認したくなりました。

さて、今日のテーマである「SACDはCDより音は良いのか?」に関してです。
新譜で発売されるSACDはほとんど無く、多くのSACDは妙な言い方ですが「SACDで再発売する事を目的に」オリジナル・マスターテープ(アナログ録音の場合)から新規にマスタリング仕直している事が多く、CDとはそもそもマスタリングデータが違っている事が通常です。

クライバー盤一枚だけの聴き比べで結論を出すのは早計ですが、元のマスターが違う音源を比べて「やはりSACDは音が良いなぁ」と思うのは大きな間違いという事ですね。

ではと、ESOTERIC盤はハイブリッド盤なので、そのESOTERIC盤のSACD層とCD層とで聴き比べてみました。

じっくり聴いてみました。ほんの僅かですが、SACD層の音に若干の柔らかさを感じるのと、ヴァイオリン群の高音域もSACD層の方が自然に感じます。ホールの消え行く響きもSACD層の方に天井の高さを感じます。

このようにじっくりと数回聴き比べてみて初めてSACD層とCD層に違いを感じた程度です。一聴して分かるくらい違いがあったとしたら、それはCDのマスタリングに問題があると言うべきでしょう。

ただ、SACDはシングルレイヤーに比べるとCD層のあるハイブリッド盤は音質がワンランク落ちますので、SACDとして発売するならシングルレイヤーで発売するべきです。

今日の結論。
若干の、それもほんのちょっとした違いを感じる程度ですから、「音楽」の印象を変えてしまうほどの大きな違いはありません。CDで充分です。僅かな違いを重要に思う方はSACDを購入されれば良いかと。

お前は?・・・と尋ねられたら、ディスクを厳選して・・・ですね。

2021年9月14日 (火)

フランスのモーツァルト

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モーツァルト
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 ※

アントニー・モルフ(クラリネット)

アルミン・ジョルダン 指揮
ローザンヌ室内管弦楽団
ヴィア・ノヴァ四重奏団 ※

録音 : 1979年10月 パリ、1981年10月 パリ ※

仏ERATO STU 71484(本国アナログレコード)

4月28日に「フランスのエスプリ」というタイトルでフランスの演奏者によるモーツァルトの名曲をご紹介しましたが、今日も同様にフランスで録音されたモーツァルト演奏です。指揮者、オケはスイス(フランス語圏)ですが。

前回ご紹介の盤、クラリネット協奏曲はクラリネットがジャック・ランスロでした。明るく煌びやかな音色と早目のテンポによる演奏は、イマイチ自分の好みには合わないものでした。

しかし、今日の演奏は同じフランスからのモーツァルトながら、なかなか味わい深いもので、私は気に入っています。五重奏曲の方はウィーン情緒たっぷりのウラッハ往年の名演とはまた違いますが、十二分にモーツァルトの名曲を楽しむ事が出来ます。

両曲とも緩徐楽章がしっとりとした解釈で、モルフのクラリネットも落ち着いていて好感が持てます。五重奏曲の終楽章はヴィア・ノヴァ四重奏団のリズミカルで爽やかな弦の響きに乗って、クラリネットも生き生きとした音色を奏でており、実に楽しい演奏です。それでいて歌わせるところは充分に歌わせていて、なかなかの名演だと私は思っています。

せっかくご紹介したのだからCDで発売されていないかタワーレコードさんのサイトで調べたのですが、残念ながら廃盤になっているのか、見つけられませんでした。或いはそもそもCD化されていないのか・・・。

今日は隠れ名盤という事で、フランスの演奏者(若しくはスイス・フランス語圏)によるモーツァルトの名演をご紹介させて頂きました。

2021年9月11日 (土)

ビル・エヴァンスの新譜

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BEHIND THE DIKES

ビル・エヴァンス(ピアノ)
エディ・ゴメス(ベース)
マーティ・モレル(ドラムス)

録音
1969年3月26日、VERA Studio
1969年11月28日、RAIアムステルダム
1969年3月25日、メトロポール・オーケストラ参加

Elemental Music 8435395503164(CD 2枚組)

久しぶりにジャズピアニスト、ビル・エヴァンスの新譜(7月発売)を購入しました。1969年オランダでの未発表ライヴ音源ですが、正規のルートを通っていますので海賊盤ではありません。

音源は放送局が所有していたオリジナル・オープンリールテープからCD化されていますので、音の方は問題ありません。曲目は省略していますが、お馴染みの「WALTZ FOR DEBEE」や「’ROUND MIDNIGHT」「AUTUMN LEAVES」など、スタンダードナンバーが多く演奏されています。

私がジャズに興味を持ったのはもう随分前になりますが、偶々FM放送から流れて来たピアノ・トリオに魅了され、調べてみたらバド・パウエルが晩年、パリのジャズクラブで行った演奏のライヴ録音でした。クラシック音楽ばかり聴いていた頃ですが、妙にその演奏が気に入って即購入したのです。

それからしばらくはジャズに関してはピアノ・トリオだけ聴いていたのですが、やがてトランペットやサックスの入った演奏も聴く事が出来るようになったわけです。

しかし、最近はまたピアノ・トリオに返り咲きですね。(笑)
御多分に洩れずBLUE NOTEのオリジナル盤蒐集にハマっていた時もありましたが、今はほとんど聴く事がないです。

ジャズを聴くならビル・エヴァンスを始めとするピアノ・トリオとか、女性ヴォーカルを聴く事が最近の定番です。

ビル・エヴァンスがお好きな方、今日ご紹介の新譜をオススメしておきます。

2021年9月 7日 (火)

マーラー/交響曲第5番

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マーラー/交響曲第1番、第5番、第6番、第9番、歌曲集

ジョン・バルビローリ 指揮
ハレ管弦楽団(第1番)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(第5番、第6番)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(第9番)
歌曲集 : ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)

録音 : 1957年〜1969年

ワーナークラシックス 0190295 004286(CD 5枚組)

オリジナル・マスターテープより2020年 192kHz/24bit 新規リマスター

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マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調

ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
録音 : 1969年7月16-18日、ワトフォード・タウンホール(英国)

英国出身の指揮者、バルビローリが英EMIに残したマーラー録音の新規リマスターCD BOXが先月発売されたので購入しました。価格は5枚組で僅か1,399円です。一枚当たり280円にも満たないのですから、現在のCD BOX価格は激安ですね。

マーラーが苦手なのに、何故購入したのか?
それは収録されている曲目が苦手なマーラーの中でも自分としては馴染みの交響曲であるのと、バルビローリの第5番と第9番は昔から名演としてマーラー好きの方々の人気を呼んでいるので、一度聴いてみたかったのです。

そうしたら、発売と同時にAmazon Music HDでハイレゾ音源がストリーミングされました。(^^;
でもまぁ、1,399円ですからがっかり感はないです。

先ずは第5番だけ聴いてみました。バーンスタインの攻撃的な演奏解釈と比べますと、バルビローリの演奏はどこかおっとりした感じを受けました。これは悪い意味で申しているのではなく、マーラー演奏としてはなかなか味わい深い解釈だと思います。マーラーの交響曲に対する印象が少し変わりました。

全体的にじっくりと進めて行く演奏ですが、第一楽章冒頭、トランペットが吹く葬送行進曲に早くも驚かされたものです。オーケストラがトゥッティで奏される直前、トランペットによる葬送行進曲がほんの一瞬、テンポを落としてリズムを刻むのです。今迄聴いたどの演奏もここはインテンポで進んで行くので、バルビローリの解釈がとても新鮮に感じました。

バルビローリの第5番、白眉は第四楽章のアダージェットです。弦楽器とハープだけで演奏される有名な楽章ですが、実に美しい! やや遅めのテンポで弦楽器をじっくりと歌わせています。

私が初めて聴いた第5番はバーンスタインの旧録音(米CBS)で、FM放送でした。マーラーの作品を全曲聴き通せたのはその時が初めてです。以来、第5番だけは退屈する事なく聴けるマーラーの交響曲となりました。

とは言え、そんなに数多く聴いているわけではないです。・・・が、バルビローリの第5番はマーラーが苦手の私でも、今後繰り返し聴く事の出来る名演です。第9番もマーラーとしては好きな交響曲なので、バルビローリで聴くのが楽しみになりました。

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