2019年6月 6日 (木)

100円CDの名盤

3023

モーツァルト/弦楽四重奏曲第17番「狩」& 第15番

スメタナ四重奏団
1972年4月24〜26日、東京・青山タワー・ホールにて録音

DENON COCO-70431(CD)

先日「CDリッピングのススメ」の記事で、最後に1枚100円で購入した中古CDを13点ご紹介しましたが、このスメタナ四重奏団のCDはそのうちの1枚です。思わぬ拾い物と言っては演奏者に失礼ですが、人気、実力ともに最高だった弦楽四重奏団の名演、これがたったの100円!(^^)

チェコの作曲家、スメタナの名を冠したスメタナ四重奏団は、途中メンバーの交代をしながらスメタナやヤナーチェク、ベートーヴェン等の弦楽四重奏曲で沢山の名演奏を残していますね。

CDの解説によると、このモーツァルトの演奏は、初のPCMデジタル録音の記念すべき演奏だそうです。ここから世界中のレコード会社がテープによるアナログ録音からパルス符号変調のデジタル録音へと徐々に切り替わって行ったのですね。まさに記念すべき録音を中古とはいえ、僅か100円で購入出来ました。そしてこの演奏が、飛び切りの名演でした。

私はモーツァルトの弦楽四重奏曲が好きで、アルバン・ベルク四重奏団の旧録音(独TELDEC)で楽しんでおりました。中でも「狩」と「不協和音」がお気に入りなのですが、今日ご紹介のスメタナ四重奏団の「狩」もアルバン・ベルク四重奏団と甲乙付け難い名演です。これを偶然とはいえ、100円で買えたのはラッキー!(^^)

100円で購入した13点のCDはすでにリッピングを終えてNASに入っておりますので、いつでも気軽に聴く事が出来ます。で、こちらのスメタナ四重奏団による「狩」はすでに五回は聴いているはず。とにかく録音が良いので聴いていて実に気持ちが良いのです。

購入価格を考慮すると、早くも今年購入一番の音源になるかも。(笑)

2019年4月27日 (土)

SACDを楽しむ(5)

2869

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調

マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)
ベルナルト・ハイティンク指揮/ロンドン交響楽団
ロンドン交響楽団自主制作 LSO 0745

珍しい、ピリスさんの協奏曲演奏です。ロンドン交響楽団の自主制作盤でして、最近はオケの自主制作盤というのが多くなりましたね。録音は少々乾いたような音で、響に少々乏しいところがあります。それと、録音は新しいのに、何故かヒスノイズ、或いは残留雑音のようなノイズが若干聞こえるのが残念。これに気付くかどうか、あなたのオーディオ装置のテスト用に如何? (^^)

しかし、ピリスさんのピアノは綺麗に収録されているので問題ありません。第2番はベートーヴェンのピアノ協奏曲としては比較的地味な曲ですが、ピリスさんの演奏が素晴らしいので、曲そのものも充分楽しむ事が出来ますよ。

2868

ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調「合唱」

グィネス・ジョーンズ(ソプラノ)
ハンナ・シュヴァルツ(アルト)
ルネ・コロ(テノール)
クルト・モル(バス)
レナード・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
ユニバーサル ミュージック UCGG-9524(SACD専用)

昨年の大晦日に聴いた演奏です。CDも持っているのですが、SACDシングルレイヤー盤という事で購入してみました。バーンスタインの音楽は、ニューヨーク・フィルと決別し、ヨーロッパに渡ってから変わりましたね。

2870

リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」

ワレリー・ゲルギエフ指揮/キーロフ歌劇場管弦楽団
PHILIPS UCGP-7007

今はもう消えてしまったレーベル、フィリップス盤です。ロシア音楽を本場の指揮者とオケが演奏していますが、キーロフ歌劇場は現在のマリインスキー歌劇場です。録音は2001年、さすがに音は良いので楽しめます。本来、SACDはこうした新しい録音にこそ向いているのかも。

2871

ベートーヴェン交響曲全集

朝比奈隆指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団
EXTON OVCL-00354

今日はベートーヴェンが多くなりましたが、朝比奈さんの全集です。2000年に行われたベートーヴェン交響曲チクルスのライヴ録音で、嘗て各曲とも演奏日の異なる二日分を2枚組のCDとして収録し、発売していた音源です。

全9曲、それぞれ演奏が良いと思われる日の方を選び、リマスタリングを施してから6枚組のSACDとして再発売されました。これこそベートーヴェンの交響曲演奏の見本みたいなものです。

2872

ショパン/ピアノ協奏曲第1番、第2番

アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ロンドン新交響楽団
アルフレッド・ウォーレンシュタイン指揮/シンフォニー・オブ・ジ・エアー
SONY BMG 82876 67902 2

ショパンのピアノ協奏曲第1番でもっとも好きな演奏です。最初はアナログレコードで、そして今はこのSACDの輸入盤で楽しんでいます。この盤は安かったなぁ・・・。

2873

サン=サーンス/交響曲第3番 ハ短調「オルガン付き」
ビゼー/交響曲 ハ長調

シャルル・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団
ESOTERIC ESSD-90188

ESOTERIC盤としては比較的新しい録音が選ばれていまして、まさに英デッカ・サウンドを堪能出来ます。オルガンが鳴ると、自分の部屋にその音響が満ち溢れて来ます。(^^)

2019年4月12日 (金)

SACDを楽しむ(4)

2799

プリーズ・リクエスト/オスカー・ピーターソン・トリオ

オスカー・ピーターソン(p)
レイ・ブラウン(b)
エド・シグペン(ds)
TOWER RECORDS PROZ-1115

2018年、本国のアナログ・マスターテープからダイレクトにDSD化されているSACDです。過去にDSD化されたマスターとは違い、昨年の新規マスタリングです。

この音源は大分前にハイレゾ音源(FLAC 96kHz/24bit)をダウンロード購入して聴いていたのですが、6曲目の「You Look Good To Me」はマスターテープがワカメ(方伸び)になっているため、冒頭のピアノの音揺れが顕著でして、録音年代を考えると仕方ないと思っていました。

ところが、拙ブログでもご紹介した某ショップでの「タワーレコード試聴会」で、この録音の試聴があったのです。タワーレコードさんの担当さんによりますと本国アメリカで、もっと状態の良いマスターテープはないものかと探し、見付けたそうです。そのピアノの音が揺れない状態の良いマスターテープから今回ダイレクトにDSD化して発売されたのが今日ご紹介のSACDです。

私がe-onkyoミュージックからダウンロード購入したPCMハイレゾ音源と聴き比べてみると、タワーレコードさんから発売されたSACDの方が若干音の鮮度も良いです。もちろん指摘したピアノの揺れもありません。録音年代の古いジャズ録音は、「マスターテープ」と言ってもそれが「子」の世代なのか、「孫」の世代なのか分かりませんですからね。親会社が転々としている間に本当のマスターテープが行方不明になる事も実際に有りますし。

このSACDはすべてのジャズファンにお聴き頂きたいです。通常のCD層も記録されているSACD/CDハイブリッド盤なので、普通のCDプレーヤーで聴く事が出来ますのでご心配要りません。

2800

ワーグナー名演集

キルステン・フラグスタート(S)
ビルギット・二ルソン(S)
ジョージ・ロンドン(Br)他
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
TOWER RECORDS PROC-2199/200

こちらも本年(2019年)、英国でオリジナル・アナログ・マスターテープからダイレクトにDSD化された音源を元にSACDとして発売されました。

クナッパーツブッシュのワーグナーは私にとって唯一無二の存在でありまして、録音が古いとはいえ、オリジナル・アナログ・マスターテープからマスタリングされたSACDとなれば、買わない理由がありません。ブックレットには初出盤のオリジナルジャケット写真も配置されていて、何とも嬉しいSACDであります。

キルステン・フラグスタート、ビルギット・二ルソンという不世出のワーグナー歌手の名唱が聴けます。フラグスタートが歌う、「ワルキューレ」からの「寒い冬の日々に」を聴いていたら、鳥肌が立って来ました。素晴らしい歌唱です。ワーグナーの歌劇、楽劇に於いて、この二人を超えるソプラノ歌手は今だに出ていません(私個人の感想)。本SACDは指揮者共々まさに歴史的名録音と言うべきものでしょう。

2801

モーツァルト/交響曲集

オットー・クレンペラー指揮
フィルハーモニア管弦楽団
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
TOWER RECORDS TDSA-97/101

このSACDも2019年の最新マスタリング音源が使われています。
クレンペラーが指揮したモーツァルトの交響曲を私はこのSACDで初めて聴きました。楽章によっては私の考えるテンポ感とは異なる演奏も有るとはいえ、久しぶりにモーツァルトの交響曲を楽しむ事が出来ました。

2802

ブラームス/交響曲全集

クラウディオ・アバド指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSG-90192/4

録音年代を見ると、カラヤンがベルリン・フィルとの軋轢で終身音楽監督を自ら辞した頃ですね。この後、アバドが音楽監督に就任するわけですから、興味深い時期の録音です。

イタリア出身の指揮者、アバドのブラームス全集はこのエソテリック盤で初めて聴きましたが、私は第3番が気に入りました。

2803

ブルックナー/交響曲第9番 ニ短調

カルロ・マリア・ジュリーニ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSG-90195

ジュリーニの第9番は旧盤のシカゴ交響楽団を指揮した演奏(英EMI アナログレコード)を聴いて気に入っていたのですが、ウィーン・フィルを指揮したこちらの演奏は更に素晴らしいですね。ブルックナーファンにはお薦めの演奏です。エソテリックさんのマスタリングもブルックナーらしさを感じられ、これは花丸です。(^^)

2019年4月 5日 (金)

SACDを楽しむ(3)

2766
シューベルト/4つの即興曲 D.899 & D.935

マリア・ジョアン・ピリス(p)
ESOTERIC ESSG-90196

シューベルトらしさが横溢している叙情的なこの即興曲集を、じっくりと味わえる演奏です。ブレンデル盤と甲乙付け難いですが、心に染み込んで来るのはピリスさんの方でしょうか。

2767
ヴェルディ/歌劇「オテロ」

マリオ・デル・モナコ(T)
レナータ・テバルディ(S)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSD-90186/7

後年カラヤンは英EMIに再録音しておりますが、オテロを歌っているカラヤンお気に入りのジョン・ヴィッカースというテノールが私は苦手でして、どちらかを選ぶとしたら迷う事なくこちらの英DECCA盤です。

実はこの「オテロ」も英DECCA盤(アナログレコード)とCD(国内盤)を持っているのに、SACDを購入してしまいました。エソテリックさんのリマスタリングを聴いてみたかったので。(^^;

2768
モーツァルト/ピアノ協奏曲集(第20、21、23、24、25、27番)

エリック・ハイドシェック(p)
アンドレ・ヴァンデルノート指揮/パリ音楽院管弦楽団
TOWER RECORDS TDSA-77/9

まさかこの演奏がSACDで発売されるとは思ってもいませんでした。私の隠れ愛聴盤でしたので。一般的にはあまり知られていない(?)録音ではないかと思いますが、私はこの中の第23番と第27番の演奏が特にお気に入りです。

第27番はバックハウス盤とハイドシェック盤が個人的なベストツーであります。内田光子さんの演奏も良いですけど、やはりハイドシェックとバックハウス盤の二枚がベスト。

2769
ブルックナー/交響曲第8、9番

カール・シューリヒト指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
英EMI 9 55984 2

この録音もアナログレコードで持っていながらの購入。病気ですね。(笑)
ブルックナーにはウィーン・フィルの響きが相性ピッタリです。

2770
金と銀〜ウィンナ・ワルツ・コンサート

ルドルフ・ケンペ指揮/ドレスデン・シュターツカペレ
TOWER RECORDS TWSA-1027

これもまさかSACDで出るとは・・・(^^)
大分前にウィンナ・ワルツが私は大好きであると拙ブログに書いた事がありますが、その時にこのケンペが指揮したレハールの「金と銀」をご紹介しています。私はこの一曲を聴くために従来のCDを何度もラックから取り出していましたが、SACD化されて音も一段アップしています。

もちろん他の収録曲も名演ですが、「金と銀」が飛び抜けて良い演奏なのです。ウィリー・ボスコフスキーとウィーン・フィルとの英DECCA盤もお気に入りですが、ケンペ盤は更に上位に位置する名演です。

2019年3月29日 (金)

SACDを楽しむ(2)

2737

チャイコフスキー/後期交響曲集

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSG-90197/9

2738

チャイコフスキー/後期交響曲集

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
EMI ミュージック・ジャパン TOGE-12050-52

カラヤンはチャイコフスキーの交響曲を繰り返し録音しておりますが、ウィーン・フィルとの録音は昨日ご紹介したブルックナーと同じく、カラヤン晩年の録音になります。対してベルリン・フィルとの録音はカラヤン全盛期と申して良いと思いますが、1971年9月に一気に三曲を録音。

演奏はもう対極的と申して良いかと。特に第4番、ベルリン・フィルとの演奏は攻撃的と言っても良いくらい劇的演奏で、私はもうノックアウトを食らったくらいです。大分前に「私の愛聴盤」で掲載したように、未だにこの録音を凌ぐ演奏に出遭っていません。

ウィーン・フィルとの第4番はオケの違いもありますが、実に落ち着いた演奏で、何か淡々と曲が進んでいくような感じです。しかし、それが功を奏して第5番、第6番「悲愴」はベルリン・フィルとの演奏より更に味わい深い解釈が聴けます。

2739

モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番 ニ短調、第21番 ハ長調

フリードリッヒ・グルダ(p)
クラウディオ・アバド指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSG-90182

ベートーヴェンの演奏も素晴らしいですが、グルダのモーツァルトも良いですよ。カデンツァはグルダオリジナルを聴く事が出来ます。そういうところはジャズもプレイするグルダならではというところでしょうか。ジャズは即興演奏がメインですからね。

2740

ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調

ピエール・フルニエ(vc)
ジョージ・セル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
TOWER RECORDS PROC-2025

2017年、PCMデータを改めてDSDにリマスタリング。

ロストロポーヴィチも良いですけど、フルニエのチェロもまた違った良さがありますね。最近のお気に入りディスクです。

2741

ベートーヴェン/交響曲全集

カール・シューリヒト指揮/パリ音楽院管弦楽団
TOWER RECORDS TDSA-16/21

この全集はアナログレコードでも、通常のCDでも持っているし、第9番「合唱」に至っては仏パテのオリジナル盤(レコード)をも持っているのに、買ってしまいました。セールで30%引きという値札を見たものですから。(笑)

シューリヒトのベートーヴェンはフルトヴェングラーや朝比奈さんのこってりとした解釈と違い、ストレートティーを飲むような、スッキリとした演奏を聴く事が出来ます。

2742

ハイドン/交響曲第2番 ハ長調
ブルックナー/交響曲第0番 ニ短調

朝比奈隆指揮/札幌交響楽団
TOWER RECORDS TWFS90007

朝比奈さんには珍しい、札幌交響楽団を指揮した時のライヴ盤です。朝比奈さんはブルックナーの交響曲とハイドン初期の交響曲をカップリングして演目とする事が多かったので、曲目合わせとしても珍しい記録となっています。

2743

ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調「運命」、第7番 イ長調

ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
EMIミュージック・ジャパン TOGE-11003

え!? フルトヴェングラーのSACD?・・・って、思われるかもしれませんね。(笑)
ここに収録されている第7番は大分前に「私の愛聴盤」でご紹介した、新発見のオリジナル・マスターテープからのSACD化なのです。

しかし、「わざわざSACDで聴かなくても普通のCDで充分でしょう、フルトヴェングラーの録音なら」と反論されても言い返せないです。(笑)
でも、一応英EMIの正式なスタジオ録音ですから、残響音などにはSACDらしさが出ています、と言い訳を。(^^;

2019年3月28日 (木)

SACDを楽しむ

2730

ベートーヴェン/ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲 ハ長調
ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調

スヴィアトスラフ・リヒテル(p)
ダヴィッド・オイストラフ(vn)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団
英EMI 9 55978 2

手持ちのCDやレコードをもう増やしたくないという事で、この二、三年はもっぱらハイレゾ音源等をダウンロード購入していました。しかし、昨年オペラ(カラスのビゼー/カルメン)をダウンロード購入して聴いていた時、主だった歌手以外の配役を知りたくなったものの、ファイルのダウンロード購入では調べる事が出来ません。結局スマホを使ってネットで調べる事に。

それを経験してから「やはりディスクの形が便利で良いな」と思い、以後またまたディスク購入に返り咲きです。(笑)ただし、基本的にはノーマルCDの購入は控え、SACDを購入するようになりました。やはりPCMよりDSD(SACD)音源の方がアナログに近い感じを受けています。そこで数回に分けて、私が楽しんでいるSACDを少しずつご紹介したいと思います。

↑ 上記のSACDは東西冷戦時に録音された事でセンセーショナルな話題を呼んだようです。西側からはカラヤンとベルリン・フィル、セルとクリーヴランド管弦楽団、東側(ソビエト連邦)からはピアノ、ヴァイオリン、チェロの世界的ソリストたちが西側での録音に参加したわけですからね。三重協奏曲はアナログレコードで独EMI盤を持っているのですが、SACDではどんな感じ? という事で入手しています。

各曲の演奏については今さら言わずもがなですね。

2731

ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調

ヘンリク・シェリング(vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮/ロンドン交響楽団
TOWER REDORDS PROC-2174

アナログレコードから引き続いて楽しんでいる演奏。まさかSACDで発売されるとは思いませんでした。タワーレコードさんに感謝です。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で一番好きな演奏なのです。

2732

シューベルト/ピアノ五重奏曲 イ長調「ます」

田部京子(p)
カルミナ四重奏団
DENON COGQ-31

以前、「私の愛聴盤」でブレンデルとクリーヴランド四重奏団員の演奏をご紹介した時に、拙ブログをご覧頂いているななさんからコメントでこちらの盤を楽しんでおられるとの事。ではと、私も購入してみました。生憎SACDシングルレイヤーは売り切れでしたが、CDとのハイブリッド盤がまだ残っていました。こちらの演奏も良いですね。

ブレンデル盤はリーダーのブレンデルを目立たさせる録音ですが、こちらは演奏者が一体になって聞こえる録音です。カルミナ四重奏団の演奏はクリーヴランド四重奏団員と違い、ややメリハリをつけた解釈。クリーヴランド四重奏団員はレガート気味に弾いていますので、カルミナ四重奏団との対比が面白いです。

2733

シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調

キョンファ・チョン(vn)
アンドレ・プレヴィン指揮/ロンドン交響楽団
ルドルフ・ケンペ指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSD-90180

エソテリック盤はオリジナルジャケットに拘っているので、初出時のチャイコフスキーとシベリウスとのカップリング写真になっていますが、この盤はシベリウスとブルッフの組み合わせであります。オリジナル通りのカップリングでも良かったのですが。そう言えばプレヴィンさん、亡くなられましたね。合掌。

しかし、シベリウスもブルッフも私は今迄いろいろなヴァイオリニストで聴いて来ましたが、どちらもこの演奏がナンバーワンと思っています。エソテリックの大間知さんも同じ考えなのかも。

2734

メンデルスゾーン/交響曲第3番 イ短調「スコットランド」
シューマン/交響曲第3番 変ホ長調「ライン」

オットー・クレンペラー指揮
フィルハーモニア管弦楽団
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
ESOTERIC ESSW-90159

往年の名指揮者、クレンペラーの名盤です。メンデルスゾーンの「スコットランド」、良い演奏だなぁ・・・。

2735

モーツァルト/ピアノ・ソナタ集(4曲収録)

マリア・ジョアン・ピリス(p)
ESOTERIC ESSG-90189

「私の愛聴盤」で第10番の演奏をご紹介させて頂きましたが、こちらのエソテリック盤は第8、11、14、15番が収録されています。実は2枚のアルバムからソナタを2曲ずつ抜いて1枚としているのです。

したがって、この盤もジャケット写真とは一部収録曲に違いがありますのでご注意を。どの曲もピリスさんの素晴らしい名演奏が聴けますよ!

2736

ブルックナー/交響曲第8番 ハ短調

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ESOTERIC ESSG-90181

ブルックナー好きの私ですが、カラヤンのブルックナーはあまり好みではありませんでした。しかし、死の前年に録音されたこのブル8は実に素晴らしい演奏です。まさに枯淡の境地と表現したら良いでしょうか。雑味のない解釈はブルックナーの味を充分に堪能させてくれます。特に終楽章の出来は絶好調時の朝比奈隆さんを彷彿とさせます。

終身音楽監督の地位を投げ捨ててしまったベルリン・フィルとの録音ではなく、ウィーン・フィルとコンビを組んだのも曲想にマッチしています。弦楽器の音色の魅力は云うに及ばず、遠くから聞こえるホルンの音色が最高!是非、アンチカラヤン、アンチブルックナーの方々にお聴き頂きたい名演奏です。エソテリックさんのリマスタリングも素晴らしい一枚。

ちなみに今日ご紹介したSACDはすべてCD層とのハイブリッド盤ですので、普通のCDプレーヤーでも再生出来ますのでご安心を。

2019年2月15日 (金)

朝比奈のベートーヴェン

2622

ベートーヴェン/交響曲全集

朝比奈隆 指揮
大阪フィルハーモニー交響楽団

第9番「合唱」のみ
常森寿子(ソプラノ)
田中万美子(アルト)
林誠(テノール)
木村俊光(バリトン)
大阪フィルハーモニー合唱団

1977年5月〜1978年3月
大阪フェスティバルホール、東京文化会館にてライヴ録音
(日本Victor原盤)

TOWER RECORDS GCAC-1024(SACD)

最初にお断りしておきますが、今日ご紹介のCDはSuper Audio CD(SACD)のシングルレイヤーです。したがってSACDの再生を出来ない通常のCDプレーヤーでは聴く事が出来ませんのでご注意ください。CD層とSACD層の両方が記録された所謂ハイブリッド盤であれば一般的なCDプレーヤーでも再生出来るのですが、こちらはSACD層しか記録されていないディスクなのです。

世界初SACD化された、朝比奈隆さんにとって通算2回目のベートーヴェン交響曲全集が先月、タワーレコードさんから発売されました。700セットの完全限定発売で、私の手元に来たセットのシリアル番号は「5**/700」でした。500番台という事です。

朝比奈さん最初の交響曲全集の録音は、学研さんが教材のためにスタジオ録音(1972〜73年)したものになります。「運命」の第一楽章なんて実にゆったりとしたテンポを取っており、なかなか個性的な名演で、私は大好きな演奏です。

で、今日ご紹介のこの録音は日本ビクターさんによって2度収録された交響曲全集のうちの最初の録音になります。まだテープを使ったアナログ録音の時代で、壮年期の朝比奈さんの自由闊達なベートーヴェンを聴く事が出来ます。日本ビクターさん2回目の録音はもうデジタル録音の時代で、朝比奈さんのベートーヴェンが、スタイルを確立して行く時代です。

2623
CD全集としての初出盤 日本ビクター VICC-40155〜60(廃盤)

アナログ時代の録音ですから、当然初出盤はLPレコードです。CD時代に入った1993年、当録音を日本ビクターさんがCD BOXによる全集として発売したのが↑このBOXです。

ところがですねぇ、このCD BOXは「運命」だけが1982年に録音したものに替えられていたのです。今、このBOXを開けてブックレットを開き、宇野功芳(2016年6月没)さんが書かれた解説を抜き出してみました。

「第5だけはマイクの位置が悪く、バランスが悪かったので、今回のCD化に当たっては同曲のみ82年の音源を使っている。朝比奈はこのときすでに第2期に入っており、他の8曲とはややスタイルが異なるとはいえ、この選択に僕は大賛成だ」

と、宇野さんは書いております。しかし、「運命」が演奏された日(1977年5月12日 大阪フェスティバルホール)のコンサートでは第4番が一緒に演奏されており、このCD BOXの第4番はこの日の録音がそのまま収録されているのです。

第5番(運命)のマイクの位置が悪いという事は、第4番もマイクの位置が悪いはず。なのに第4番だけはそのままCD化されたという事はどういうわけ?・・・と、私は疑問を感じていました。

LPレコードで聴いていたその「運命」ですが、確かに第一楽章でややマイクが遠く感じもしますが、そんな些細な事を忘れさせるほどの熱い名演を聴く事が出来るのです。CD BOX発売当時、私は宇野さんに対し、大いに疑問を感じたものです。

ちなみにこのベートーヴェン交響曲全集の録音は音楽評論家、宇野功芳さん監修の元に行われています。録音の差し替えが宇野さんの意思によるものか、日本ビクターさんの意思によるものかは今となっては定かではありません。

2624
日本ビクター VICC-60411〜19(廃盤)

しかしその後、2004年に「運命」を1977年の録音に戻したCD BOXが「生産限定盤」として発売されたのです。したがって1977年の「運命」だけが、このBOXでようやく初CD化された事になりました。いずれのBOXも今となっては一般の音楽ファンにとって中古以外入手が難しい市場状況です。

尚、↑このCD BOXには特典盤として服部良一さん作曲の「おおさかカンタータ」の初演ライヴ録音(1974年11月 大阪フェスティバルホール)が添付されています。

さて、「運命」の差し替えの事はともかくとして、1977〜78年録音のCD BOXがこれで私の手元には3セット目になってしまいましたが、今回のSACDは2018年最新マスタリング(エンジニア : 今泉徳人氏)の音源を使用しています。

私は第1番から第9番まで、これらの録音を懐かしさを感じながら番号順に四日間かけて聴き終えました。最初に一部の曲の断片を上の盤(2004年発売分)と聴き比べをしてみました。これは従来のCDとSACDとの間に一聴して音に差があるのか、更にマスタリングをやり直してどう違いが出ているのか、この2点に興味がありました。

結論を先に申しますと、タワーレコードさんから発売されたSACDを聴いた今、過去にビクターさんから発売された二つのBOXの盤を聴く事はもうないでしょう。

そのくらい「音」に違いがあります。それがCD vs SACDの差なのか、新規にマスタリングされた効果なのかは私もハッキリとは分かりませんが、おそらく新規マスタリングと、それをSACD化した事による良い相乗効果が現れているのではないかと。

各曲の印象を事細かく記述しますと大変長くなるので割愛しますが、朝比奈さん壮年期の「英雄」は素晴らしいですよ。ベートーヴェンの交響曲をこれだけ振れる人はそうそう出て来ません。

大変生意気な事を承知で敢えて言わせて頂きますと、現在活躍している指揮者でベートーヴェンをまともに触れる指揮者は一人もいません。もちろん世界で活躍しているすべての指揮者を聴けるわけありませんので、自分が聴いて来た指揮者についてであります。

ベートーヴェンの交響曲、スコア通り指揮してもそれなりに「聞こえ」はしますが、こちらを慟哭させるほどの感動を味わわせてくれる指揮者は残念ながら今のところいません。自分にとって朝比奈隆さんが最後の指揮者になっています。

つい最近もパーヴォ・ヤルヴィ(NHK交響楽団 首席指揮者)がベルリン・フィルを指揮した第4番を聴きましたが、「まぁ、こんなもんだろうな」というのが私の感想。それより、ヤルヴィがベルリン・フィルに客演するんだ・・・と、そちらの方に私は驚きましたが。(^^;

今回のSACD BOXは3枚組でして、交響曲全9曲が2枚のSACDに、もう1枚には1993年に発売されたCD B0Xに差し替えて入れられた1982年録音の「運命」、そして「荘厳ミサ曲(1977年6月)」と「ミサ曲 ハ長調(1977年11月)」が収められております。

通算8回の交響曲全集が残された朝比奈隆さんの録音、その中の2回目、自己のベートーヴェンスタイルを確立して行く過程の(初期の)、言わば若々しく熱い演奏が聴けるベートーヴェン交響曲全集を今日はご紹介させて頂きました。

2019年2月 2日 (土)

ジョコンダ・デ・ヴィート

2570

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調、作品64
ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死

ジョコンダ・デ・ヴィート(ヴァイオリン)
ウィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
トリノ放送交響楽団

1952年3月11日、イタリア・トリノでのライヴ録音

セブン・シーズ(キングレコード)KIJC-2008(廃盤)

2571

ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調、作品77

ジョコンダ・デ・ヴィート(ヴァイオリン)
ウィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
トリノ放送交響楽団

1952年3月7日、イタリア・トリノでのライヴ録音

セブン・シーズ(キングレコード)KIJC-2007(廃盤)

一昨年に続いて昨年秋、500枚ほどのアナログレコードを処分したのですが、その時に「あれ? このシリーズ、もしかしたら一度も針を落としていないかも」と思い、処分を思い止まったレコード群が有りました。

それはキングレコードから発売された「不滅のアナログ フルトヴェングラー/コレクターズ・エディション」という14点のアナログレコードです。

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ジャケットの帯にはこのように記されています。嘗て限定版として発売された「スーパー・アナログ・ディスク」という音質に拘ってカッティングされた特製重量盤のシリーズと同じシステムでカッティングされているのです。という事は、このシリーズも高和元彦(故人)さんプロデュースだなぁ・・・と思い、手元に残したのでした。

購入当時、フルトヴェングラーのレコードだから、取り敢えず買っておこう・・・というような気持ちで散財していたのでしょう。私、贔屓のアーティストは発売されたら買う、という主義なので、ダブっている音源が多いのです。当時、さすがにフルトヴェングラー熱は冷めていましたが、CD時代に発売されたアナログレコードという事で手を出したのでしょう。

イタリア出身の女性ヴァイオリニスト、ジョコンダ・デ・ヴィート(1907〜1994)で聴くメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ですが、耳タコになっている通俗名曲とも揶揄されるこの曲の演奏に惹きつけられました。特に第一楽章のカデンツァ以降、ググッとなってしまったのです。キョンファ・チョンさんのヴァイオリンを初めて聴いた時の感動が蘇って来ました。実に素晴らしい!

続く第二楽章がまたしっとりとした音色で、この曲を初めて聴いたような錯覚に陥ります。この演奏を聴いた後、もう一枚のブラームスも休憩をおかずに続けて聴いてしまったのです。正直申しますとブラームスのヴァイオリン協奏曲は少し冗長に感じるので、熱心に聴いては来ませんでした。

しかし、この演奏はフルトヴェングラーのバックが素晴らしい事も相まって、これまた久し振りにブラームスのヴァイオリン協奏曲を堪能出来ました。録音の方もライヴとはいえ、モノラルのテープ録音が発達していた時期なので、良い音で鑑賞に何ら問題ありません。フルトヴェングラーのライヴ録音って、音が良くないイメージがありますが。

ジョコンダ・デ・ヴィートは1962年で早々演奏活動に終止符を打ってしまっていたのですね。ジャケット裏の解説によると、ローマ・サンタ・チェチーリア音楽院の終身名誉教授(ヴァイオリン部門)に就いたそうです。もう5年か10年、演奏活動を続けていてくれたら、ステレオ録音で名演を聴く事が出来たかもしれません。

古い録音の紹介で恐縮です。しかし、自分が生まれる前の演奏を聴く事が出来るなんて、レコードって有り難いですね!

余談ですが、モノラルレコードはモノラル専用のカートリッジをお使いになる事をオススメします。ただし、ステレオ録音のレコードにモノラル専用カートリッジを使うのは基本、止めた方が良いです。

2018年4月 6日 (金)

ニューイヤー・コンサート 2018

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ニューイヤー・コンサート 2018

喜歌劇「ジプシー男爵」から入場行進曲
ワルツ「ウィーンのフレスコ画」
ポルカ「浮気心」
喜歌劇「ボッカチオ」序曲
ポルカ「百発百中」
ワルツ「ウィーンの森の物語」
ワルツ「南国のバラ」
ポルカ「雷鳴と稲妻」
ワルツ「美しく青きドナウ」
ラデツキー行進曲
他、全19曲

リッカルド・ムーティ 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2018年1月1日、ウィーン・ムジークフェラインザールでのライヴ収録

Sony Classical
Blu-ray Disc 88985470609(輸入盤)

今年初めての音楽記事になります。
年が明けて、例年私が最初に聴く音楽といえば元旦の夜、ウィーンからの衛星生中継によるテレビ放送の「ウィーン・フィル/ニューイヤー・コンサート」が定番です。

ただ、最近はウィンナ・ワルツで(自分にとって)満足な演奏を聴かせてくれる指揮者がいなくなった事が残念。以前も申しておりますが、私はヨハン・シュトラウス一家のウィンナ・ワルツが大好きで、過去いろいろな指揮者、オケで楽しんで来ています。

古いレコード録音から引っ張り出して来るとクレメンス・クラウス、ウィーン・フィルのコンマスだったウィリー・ボスコフスキーがヴァイオリンを弾きながら指揮をしていた演奏を特に好んで聴いて来ました。ボスコフスキーはヴァイオリンの弓を指揮棒代わりに指揮していて、本当に楽しそうでした。

ワルツが上手いカラヤンも生涯に一度だけニューイヤー・コンサートの指揮台に立ちましたが、残された映像と録音は本当に素晴らしいものです。そして極め付けはカルロス・クライバーですね。クライバーは二度指揮していますが、これまた残された映像は私にとって大のお気に入りです。

で、今年の指揮者はイタリア出身の指揮者、リッカルド・ムーティと聞いて、「あ、これはダメだ!」と、私は聴く前からダメ出ししてしまいました。ムーティがまだ若い頃、英EMIにヴェルディの歌劇「アイーダ」を録音してまして、歌手陣も録音当時の超一流の歌手たちで占められており、期待して聴いたらこれがまぁ・・・とても速いテンポで一気呵成に突っ走るだけ。

それがトラウマになって私はムーティと聞くだけでアレルギーを起こすくらい敬遠しておりました。ところが、昨年のザルツブルク音楽祭での「アイーダ(アンナ・ネトレプコ他)」を映像で見たのですが、これが良かったのです。若い頃の演奏と違い、実に味がありました。

その映像の影響で、ムーティ・アレルギーが少し緩和したようです。(笑)
しかし、さすがにウィンナ・ワルツは無理だろう・・・と思いながら私は衛星生中継を見始めました。

ところがオープニングの「ジプシー男爵」から私はビックリさせられました。いえ、これは良い意味で期待はずれだったのです。とても落ち着いたテンポで曲が進み、「ええ〜・・・これってムーティ?」と、本当に驚きました。

どの曲も、どの曲も、本当に素晴らしい演奏なのです!
いや〜・・・こんなに楽しくニューイヤー・コンサートを聴いたのは何年振りだろう・・・と、思い起こさせるほどムーティの指揮ぶりに酔ってしまいました。

最近発売されたBlu-ray Discで改めて映像を見ていると、ムーティは時折指揮棒を振るのを止めています。恐らく、演奏そのものをほとんどウィーン・フィルに任せていたのではないかと思います。ウィーン・フィルにとっては指揮者がいなくてもウィンナ・ワルツは演奏出来るはずです。それこそお手の物でしょう。

嘗て、レナード・バーンスタインが初めてウィーン・フィルの指揮台に立ち、アンコールで「美しく青きドナウ」を演奏する際、バーンスタインは冒頭だけ指揮棒を振り下ろした後は一切指揮棒を振らなかったという事を何かで読みました。バーンスタイン曰く、「ウィンナ・ワルツは楽員たちの音楽です。アメリカ人の私が口を挟むべき音楽ではない」と語ったそうで、バーンスタインは分かってるなぁ・・・と、私は思ったものです。

ムーティも同じような気持ちだったのかもしれません。私の大好きな「南国のバラ」、久し振りに素敵な演奏に巡り会いました。もちろん「ウィーンの森の物語」も「美しく青きドナウ」も、超名演でした。

ここはテンポを一気に落としてもらいたい! という箇所はそれこそ私の好み通り、ルバートがかかって実に味わい深い演奏を繰り広げてくれました。(笑)

昨年のニューイヤー・コンサートが正直申してガッカリするような演奏でしたので、今年は本当に満足しました。私はBlu-ray Discを購入後、すでに二回全曲を通して視聴しています。そのくらい気に入ってしまったのです。(^^)

CDも発売されておりますので、音楽ファンの方々には是非ご購入してお聴き頂きたいです。多分、映像の方がCDより更に楽しめると思います。お馴染み、アンコール曲で誰もが知っている「ラデツキー行進曲」はホールの聴衆と一緒に手拍子を取りたくなると思いますよ。(笑)

2017年11月 9日 (木)

モーツァルト/管楽器のための協奏曲集

0977

フルート協奏曲第1番 K.313
オーボエ協奏曲 K.314
クラリネット協奏曲 K.622
ファゴット協奏曲 K.191
ホルン協奏曲第1番〜第4番 K.412, 417, 447, 495
フルートとハープのための協奏曲 K.299
協奏交響曲 K.297b

ヴェルナー・トリップ(fl)、ゲルハルト・トレチェック(ob)、アルフレート・プリンツ(cl)、ディートマール・ツェーマン(fg)、ギュンター・ヘーグナー(hr)、ヴォルフガング・シュルツ(fl)、ニカノール・サバレタ(hp)、ヴァルター・レーマイヤー(ob)、ペーター・シュミードル(cl)、フリッツ・ファルトゥル(fg)

カール・ベーム 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

独グラモフォン 2740 231(レコード 4枚組)

0978

フルート協奏曲第1番 K.313
フルートとハープのための協奏曲 K.299
オーボエ協奏曲 K.314
クラリネット協奏曲 K.622
ファゴット協奏曲 K.191
協奏交響曲 K.297b

アンドレアス・ブラウ(fl)、ジェイムズ・ゴールウェイ(fl)、フリッツ・ヘルミス(hp)、ローター・コッホ(ob)、カール・ライスター(cl)、ギュンター・ピースク(fg)、カール・シュタインズ(ob)、ヘルベルト・シュタール(cl)、ノルベルト・ハウプトマン(hr)、マンフレット・ブラウン(fg)

ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

独EMI 1C 197 10 2238 3(レコード 3枚組)

0979

ホルン協奏曲第1番〜第4番 K.412, 417, 447, 495

デニス・ブレイン(hr)
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
フィルハーモニア管弦楽団

仏EMI 2C 051-00414(レコード)

今日は私の愛聴曲をご紹介させて頂きます。
モーツァルトが管楽器のために書いた協奏曲で、私はこれらの曲が大好きなのです。元々カール・ベームが指揮した4枚組みのレコードをたまに取り出しては聴いておりました。

最近になって自宅の1,000枚を超えるレコードコレクションのうち、約500枚を売却した事はこちらで記事にしております。もっとも大分前にも700枚ほどを売却していましたので、改めて随分とレコードを買っていたものと自分自身驚いています。(笑)

で、その500枚ほどを手放す時に残す、残さないの選別をしている際、カラヤンが指揮した協奏曲集を持っていた事を知ったのです。知ったというより、自分がすっかり忘れていただけなのですが。まぁ、まともに聴いていなかったから忘れていたとも言う。(笑)

カラヤンが指揮した演奏はベルリン・フィル全盛期と申しても良い時期の録音ですから、それぞれソリストとしてもやっていけるほどの技量を持った楽員の妙技を聴けます。中でもカール・ライスターのクラリネットや、ローター・コッホのオーボエは最高です。(^^)

そのコッホが吹くオーボエ協奏曲の第二楽章冒頭、「歌劇/フィガロの結婚」の第二幕冒頭で歌われる伯爵夫人のアリア、「愛の神よ照覧あれ」を思わせるようなしっとりと美しいメロディを、コッホが儚くも美しいという形容がピッタリの演奏を聴かせてくれます。私は背筋がゾクゾクっと来ましたから。

オケの方はカラヤン指揮よりベーム指揮の方が私は好み。ベーム盤はウィーン・フィルの美しい弦楽器の音色を堪能出来ます。ゲルハルト・トレチェックのオーボエも鄙びた音色がこれまた何とも言えない魅力がありますよ。

クラリネット協奏曲を担当しているカール・ライスターについては私が改めて申すまでもなく、実際にソリストとしても活動し、素晴らしい録音(クラリネット五重奏曲他)も残しています。このカラヤンとの演奏でもライスターは素晴らしい演奏をしています。

独グラモフォンのカラヤン盤は木管楽器の協奏曲だけを集めていますので、ホルン協奏曲が収録されていません。しかし、大分古い録音ながらフィルハーモニア管弦楽団の楽員だったデニス・ブレインをソリストとしてホルン協奏曲をEMIに残しています。

実はこの盤も自分は持っていた事を忘れておりまして、今回の選別時に発見しました。(^^;
モノラル録音ですからやや古めかしい音質には感じるものの、鑑賞には何ら問題ありません。当然ですよね、メジャーの会社がスタジオできっちり録音しているのだから。

デニス・ブレインの演奏には惚れ惚れしますね。音色が何より優しくて聴き惚れてしまいます。もちろんベーム盤のギュンター・ヘーグナーも負けず劣らず素晴らしい演奏をしておりますが、どちらかと言えばデニス・ブレインの方がほんの少し好みかな。まぁ、優劣を付けようとする事自体が間違いです。

ホルン協奏曲では私は第1番と第3番がお気に入りで、第1番の第一楽章冒頭、何とも言えない美しいメロディ。その後に登場するギュンター・ヘーグナーのウィンナホルンの響きがこれまた実に美しい!
「美しい」という言葉の連発になりますが、事実なので仕方ない。(笑)

管楽器のためにモーツァルトが書いた曲の中で一番優雅なのが「フルートとハープのための協奏曲」ではないでしょうか。オケが奏でる冒頭の音楽を聴いた瞬間、優雅で豪華な雰囲気を味わえます。モーツァルトにしては絢爛豪華という言葉がお似合いの曲です。

そもそもフルートとハープとで協奏曲が書かれているという非常に珍しい楽器の取り合わせです。しかし、私はこの曲が大好きです。クラシック音楽を格別愛好されていらっしゃらない方も、多分どこかで一度や二度、耳にしているはずです。ただ、作曲者と曲名を知らないだけで。

オケの主題提示が終わった後にフルートとハープが同じ主題で登場するのですが、ここが私は大好きで。ベーム盤で聴けるスペイン出身の名手、ニカノール・サバレタによるハープのソロがまた素晴らしい!

ウィーン・フィル、ベルリン・フィルそれぞれの管楽器奏者がソリストを務める「管楽器のための協奏曲集」ですが、きっと楽しめると思います。調べたらCDでもBOXで、或いは各曲単売もされているようです。音楽がお好きな方、是非どうぞ。

フィルハーモニア管弦楽団のホルン奏者、デニス・ブレイン盤も演奏は素晴らしいですが、モノラル録音だという事だけ今一度申しておきますね。

あぁ・・・モーツァルトは良いなぁ・・・。
やはりモーツァルトの音楽は心を癒してくれます!

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